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Bearded Charming Jewish man in white Yarmulke (hat, Kippah) looking with cunning eyes. Emotional expression. Sly bearded Jewish man smiling cunning looking at the camera. Selective focus on the eyes

ユダヤ人に学べ。混乱の中でも長く続けられるビジネスの秘訣とは

突然やってくる疫病などは世界中を混乱に陥れます。その混乱の中でも強くありつづけるビジネスとはどのようなものでしょうか。Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんが自身のメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』のなかで、それが得意なユダヤ人から得たヒントを紹介しています。 

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【混乱に強く混乱で儲けるコミュニティ】ユダヤ人の秘密と感謝される焼け太り

今日は、「オンラインコミュニティの力」の副次編を解説していきたいと思います。

僕はこういったコロナなどの混乱の時代に、一番混乱しても大丈夫で、かつ混乱の時にむしろ長期的に続くビジネスに変えていく存在っていうのが、ユダヤの方だと思っていて。

今回こういうコロナの状況があって、少人数のレストランでユダヤの方とご飯を食べた時に一つ質問をしたんですが、その話を共有させてください。

混乱の中でも商売がうまくいくシンプルな秘訣

それは何かというと、「混乱の中でも商売がうまくいく秘訣は何か?」っていう話なんですね。これを聞いたときに、彼はすごくシンプルに答えたんです。「尾原、たった一つだ。」と。

混乱している時でもどんな時でも商売をする本質は何かというと、「困らないこと」だって言ったんですね。

つまり、商売っていうのは、困っている人はすぐに現金が欲しいので、安く売ってくれるわけですよ。しかも本当に困っている人っていうのは、安くても買ってくれたら感謝してもらえるんですね。

全く同じで、今度は困っている人に高く売る、そうするとこの人は両方で差額がもらえて両方から感謝されるわけですね。

例えば、マスクが本当にありません。みたいな話になったときに、マスクを1万円で売ると、「何だこいつ!?」みたいになるわけですけど、普段100円のマスクを、「いや~、手に入りにくかったんで。」って言って200円で売ったら感謝されるわけですね。

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つまり商売っていうのは、困っている人をみつけて自分が困っていないことを提供することで、

・困っている人から安く買って
・(別の)困っている人に安く売る

これだけだって言うんですね。

じゃあ、何でユダヤは困っている人から安く買えて、困っている人に高く売れるか?っていうと、彼らは民族をあげて困らない仕組みを持っているからだ、っていうんですね。

ユダヤの民っていうのは、デフォルトで、常に困ったことがあると支え合う、っていうことを決めてたり、ないしは、何か困る様なことが起きたら瞬時に、「これ、困ることが起きるぞ」っていうことを、こいつだったら他の人に言わないから教え合うみたいに、絶対に他に秘密を漏らさないから信頼に基づいて困らないために情報を共有できる、っていうことだったりとか、「この人は信頼できるから、この人を助ければいつか返してくれるから支え合う」っていう仕組みが出来ているので、彼らは困らない。

だから、自分たちが困らないっていうことを前提に、例えば、いま皆、世の中どうなるか分からないから、貯金を一銭も崩せないな、っていうことを思っているかも知れないけど、ユダヤの民は、「俺がもし困ったら一時的に他の人が支えてくれて、将来的に、その恩を倍返しすれば良いから」って言って、貯金を切り崩してでも困っている人から物を買い上げて、困っている人に高く売ることで、感謝されながら、お金を増やすことができる。

これって、すごくオンラインサロン的だなと思っていて。

僕たちは困らない仕組みっていうものを全力でつくって、信頼しているから情報を共有しあったりとか、その人だったら将来支えなおしてくれるからっていうことで、安心して冒険ができるとか。

今度困っている人に感謝されながら安く買う、困っている人に感謝されながら高く売る、ここが多分、日本人がやりにくいと思っている部分だと思うんですね。

そこの部分のトリガをうまく外せる様になってくると、僕たちオンラインサロンの人達っていうのは、感謝されながらきちんと儲けて、で誰かが儲けると今度は他の人を支えられる様になるので、より民族同士が困らない様になるから、困っている人をより支えられるし、その中で、自分たちも他の人よりも儲けられる様になるからより支えられる様になる、というユダヤの真実でした。

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困っている人の探し方と長期的に得をするもの

今日は、ぜひお時間のあるときにやってほしいことが2つあって。

この困らない人っていうのを考えたときに、大事なフレームワークっていうのが、自分が困らない立場になったときに、「困っている人をどうやって探すか?」っていうことなんですよね。

困ると、自分の一時的な困りごと、ここに目がいっちゃうわけですよね。でももっと本質的に大事なのは、自分の周りにいる人で、困っていることで、永遠に戻ってこれない位に損失を受けてしまう(Eternal Loss)位、もう死んじゃうくらい困っちゃう人、これを見つけることが大事なんですよね。

そうすると、この人たちは自分たちが助かるんだったら、感謝して彼らの長期的に得をするものを手放してくれるわけです。

一方で、僕らはこの人達に対して、短期的にお金だったり足りないものを提供することで、プラス感謝がやってくる、っていうことなんですよね。

じゃあこの、長期的に得をするものっていうのが、具体的に何なんだっていうLTV(Lifetime Value)で考えたときのメリット、をちゃんと考えるっていうことが大事なんですね。

例えば、分かりやすく言うと、いま堀江(貴文)さんとか西野(亮廣)さんとかって、YouTubeの動画をいっぱいあげてるじゃないですか。そういった時に、外国人向けに、日本に来てください、みたいなナビゲートをしている人達っていうのは、いま(コロナで)外国人が日本に来られなくなっているから死んじゃうくらい大変なわけです。

彼らに、いま外国人が来たときにナビゲートするためのYouTube動画をつくりませんか?みたいなことを持ちかけたら、本来であれば「じゃあ、それってRevenue shareですよね?」っていう話だったりとか、「何であなたとそれをやらなきゃいけないんですか?それって全部私でもできますよね?」とか、「いやいや、ナビゲートしている方が儲かるんで。わざわざ動画をためる意味って分からないんですよね」って言われるかもしれないわけですよね。

でも今って、海外から観光客の方が来られないから、海外の方向けにナビゲートする人たちっていうのは死んじゃうくらい困っているわけですよね。だったら、本当はこれRevenue shareとして、この後ずっと売上げを半分相手に渡さないといけないところを、「いやお困りでしょうから、この動画一本○○万円で買い取ってあげますよ」っていうと、その後長期間儲けることができるYouTube動画、だったりとか、普通だったら付き合ってくれないパートナーみたいな人達が自分たちと付き合ってくれて、それに対して短期にお金を提供することで、彼らからは感謝される、ってことなんですよね。

ちなみに、日本語でこういうことを言い現わす素敵な言葉があって。「焼け太り」と言います。健全な焼け太り、感謝される焼け太り、これを考えていくっていうことが、ユダヤの商人の凄さなんだなと思って。

ぜひこの健全な焼け太りにはどういうものがあるか、それは、考えるとして、その上で、

・自分よりもより困っている人、死んじゃうくらい困っている人がいま周りに誰がいらっしゃるか?
・その人と、普通だったらやって下さらない、長期に儲けられることっていうのが何があるか?

この2つを考えてみることによって、感謝されながら、新しいものをつくれるし、ひいては、僕たちオンラインコミュニティっていうお互いが困らない仕組みをつくったときに、困った人を助けながら、僕たちが持続的に何か新しいことができるんじゃないかな、って思ってます。

というわけで、健全な焼け太りと、困らないことっていうのが、混乱の時に大事なこと、っていう解説でした。では。

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image by: Shutterstock.com

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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