MAG2 NEWS MENU

woman hand picking up garbage plastic for cleaning at park

WBCで称賛された日本人のゴミ拾いをビジネスに活かす方法

全戦全勝という素晴らしい成績で日本の優勝となり幕を閉じたWBC。閉幕しても話題は尽きることがありません。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、経営コンサルタントの梅本泰則さんがWBCで見えた日本人の良き習慣と、それをビジネスにより活かす方法を紹介しています。

良いことをお店の習慣にする

1.日本人の「しつけ」

多くの感動や物語を残したWBCが終わりました。メディアもネタに困ることがありません。と言うか、話題が多すぎて、今でも様々な人たちが一生懸命解説をしています。そして、たくさんの人が何らかの気づきを得られたようです。

今回取り上げられた話題の中に、日本チームのベンチについてのものがありました。試合後のベンチにはゴミ一つ落ちていなかったそうです。一方、相手チームのベンチにはゴミが散らばっています。

確か、サッカーWカップの日本代表サムライブルーのロッカーが、試合後きれいに片づけられていたことも海外ではニュースになりました。日本の観客が観戦後にゴミを片付ける姿も海外メディアに取り上げられたのは、記憶に新しいですね。

これらは、まさに日本人の「しつけ」です。

「しつけ」とは、職場の「5S」で言うところの、5番目のSにあたります。「しつけ」の前に来るのは、「整理、整頓、清掃、清潔」。この4つのSを習慣になるまでやり続けることが「しつけ」です。

習慣にするというのは、毎日歯磨きをしなければ気持ちが悪い、といったレベルにすることを言います。ですから、侍ジャパンもサッカー日本代表のサムライブルーも、ベンチやロッカーを片付けなくては気持ちが悪かったのでしょう。

私たちは、子供の頃から次のような「しつけ」をされています。

・出したものは、元の所に片づける
・靴は揃えて脱ぐ
・あいさつはしっかりとする
・よく手を洗う
・食べ物は残さない

それを大人になってもやっているに過ぎません。日本人にとっては当たり前のことです。良い習慣が身に付いた国民だと言えるでしょう。

2.習慣が身に付く

そして、よく言われます。

「一流の選手ほど、きちんと物を片付ける」

日本代表の選手は、超一流の選手ばかりですから、ベンチやロッカーが綺麗に片づけられるのは、当たり前です。

どうして、このような習慣が身に付いているのでしょう。

それは、「しつけ」ばかりではありません。日本には、物を大切にする文化が根付いているからです。無意識のうちに、「物には魂が宿る」と思っているからかもしれません。

それ以外にも、「食べ物を粗末にしてはいけない」とか、「他人に迷惑をかけない」というのも、日本人が持っている文化です。

このような文化で育ったからこそ、侍ジャパンやサムライブルーのような行いにつながったのだと思います。

さて、あなたのお店もこんな文化や習慣に包まれているはずです。ですから、子供の頃からの「しつけ」が身に付いている従業員ばかりでしょう。

そんな皆さんに、今さら「靴を脱いだらそろえるように」「ゴミを見つけたら、すぐに拾うように」などと注意をするのは、気が引けます。

こうした「しつけ」が身に付いていない従業員がいたとしても、大丈夫です。このレベルの習慣は、周りを見ながら身に付いていきます。問題は、もう少しレベルの高い、「良い習慣」です。例えば、

・時間を守る
・人の悪口を言わない

といったことも習慣にする必要があります。これらは、意識をしないと、習慣にまでなりません。

そのためには、良い方法があります。それは、お店の「行動規範」を作ることです。そして、従業員の皆さんの習慣になるくらいに徹底します。

3.行動規範を作る

行動規範は、上から押し付けるものではありません。従業員の皆さんで話し合って決めていきます。

その行動規範が決まったら、それをカードに書いて皆さんに配ると良いです。そして、毎日読み返してもらい、意識をして行動してもらいます。

例えば、こんな行動規範を作ればどうでしょう。

・常に整理整頓を心がけます
・自分から先に挨拶をします
・呼ばれたら返事をします
・時間を守ります
・立ち上がったら椅子を元にもどします
・店の内外をキレイに掃除します

いかがでしょう。これらは社会人として基本的なことばかり。少なくとも、これくらいのことは、習慣にして欲しいものです。

さらに、次のようなことも行動規範としてあげれば、なおさら良いお店になります。

・人の悪口を言いません
・約束は必ず守ります
・何事にも感謝します
・他人の意見をよく聞きます
・素直でいることを心がけます
・常に学び続けます

いかがでしょうか。先ほどの基本的な事柄に比べると、少しむつかしい行動規範です。それでも、これらのことが習慣となる従業員が増えるほど、一流のお店になります。ぜひ皆さんで行動規範を考え、決めましょう。

その時に大切なことがあります。それは、お客様を大切に思いながら考えることです。さらに言えば、社会につながった規範かどうか、世の中につながった規範かどうか、ということを考えると良いでしょう。

良い習慣を身につけて、侍ジャパンやサムライブルーに負けないお店になりましょう。

■今日のツボ■

・日本人は、「しつけ」によって基本となる良い習慣が身に付いている
・従業員により高い「良い習慣」が身に付くことで、一流のお店になる
・皆で考えた行動規範をカードにして、毎日読み返し、実行する

image by: Shutterstock.com

梅本泰則この著者の記事一覧

ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ! 』

【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け