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「ぶっきらぼうでいい」ChatGPTの賢い使い方をプロが解説

何かと話題のChatGPTですが、まだ使ったことがない人も多いと思います。今回は、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されているメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』の著者・尾原和啓さんが、ChatGPTの始め方について解説しています。

ChatGPTまだ使ってないって方!に、ぜひな始め方含めた解説

ChatGPTで成長を加速するシンプルなやり方、もう複雑なプロンプトを探し回る必要性はないという話をしていきたいと思います。

本当に、GPTっていろんなところが騒いできて、日々こんな複雑なプロンプトで、こんな新しいことができるんだ。

ある時は就職相談のコンサルタントできますよね。みたいなのだったりとか、もう一周アナリティクスをステップバイステップでバッチリやってくれるよとか。

なんかいろんな出てるんですけれども、ひとつあるのは複雑なものを複雑なものにやりすぎてるんじゃないかなと思うわけですね。

やっぱりこの深津さんのChatGPTへの入力、深津式プロンプトシステムは、むちゃくちゃ良くて、命令書として、「あなたはプロの編集係です。以下の制約条件と入力文をもとに最高の要約を出力してください」と言って、制約条件を小学生にもわかりやすくとか、重要なキーワードを取り残さないとか、文章を簡潔にとか。

● 深津式プロンプトシステムについての動画
→【5分でわかる】誰でもできるChatGPT活用術 https://www.youtube.com/watch?v=uOMhLjHxJ54

制約条件をつけていくことで、GPTっていうのがあくまで次の単語をもっともらしい単語を入れていくという連続の中でやってるから、出力の可能性空間をできるだけ、アウトプットに合うように絞り込んでいくという、制約条件の作り方みたいなところが重要だったりするんですけど。

どうしても日本人ってこの制約条件を、いかに正解に近づけていくか、ということで、なんか複雑なものの宝探しをやりがちなんですよね。

じゃあそれに対して僕の答えは何かというと、いやいやGPTって適当に可能性の空間を絞り込んでくれるから、そこに任せて一緒に高めていけばいいんですよ、というのが、まあ僕のアプローチです。

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具体的なステップ

じゃあ具体的にどういうことかって言うとですね、例えば、新しいお店を立ち上げますというところで、まあ新しいお店のですね、ツイートを考えてもらおうということで、「新しいコーヒーがおいしいカフェを出します。魅力的なツイートへのポストを考えてほしい」みたいな時に、1個だけお願いするのではなく、5個考えてください。とか10個考えてください。ということをお願いするんですよ。そうすると、こんな感じで「コーヒー好きの皆さん、新しいカフェがオープンしました!来ませんか?」みたいな形で、5つ表現されるわけですね。

なんだけど、ここは、ちゃんとGPTは5つ考えてくれって言うと、同じものを5つ並べたらGPTとしては賢くないので、ちゃんといろんなバリエーション持って考えてくれるわけです。

そうすると、この中にどういう工夫があるんだろうってヒントがいっぱい含まれてるわけですね。尾原さん、ヒントも難しくて分かりませんよ、っていう時に、今度何やるかっていうと、じゃあ「この制約条件とステップを教えてください」っていうことを入力するんですね。

そうすると、GPTがこの前の回答を出すために、どういう可能性の絞り方で考えたんですかということを出してくれるわけです。

そうすると、カフェが新しく開店すること、コーヒーがメインの商品であること、Twitterを使って広告すること、といった制約条件だったりとか、思考ステップとしてターゲットの顧客みたいなこととか、カフェの特徴を洗い出すとか、それをキャッチーな表現にして、顧客のニーズにあわしたポストをやっていくという話になるので。

そうすると、制約条件としてコーヒーがメインの商品であることというところが、もし違えば、制約条件として新しく制約を加えていくと、「コーヒーだけでなく、リラックスできるハーブティーも提供してます。」ていう風に加えていくと、また新しいものを提供してくれるんですね。

制約条件そのものを1回GPTが何で想定したかなって聞いちゃって、じゃあこれも足そうってっていう風にプラスアルファでやっていくというやり方もあるし。

一方で、戻ってステップの方が分かりやすくて、ステップって必ず、どういう風に話を考えて、お客さんのどういう風に絞り込むんですかっていう、絞り込むための想定っていう話と

じゃあ、想定をしたら、想定に基づいてきっちり作っていくっていう。想定と作ってくって、この2段階があるんですよね。

そうすると、カフェの特徴や魅力を洗い出すという話があるので、ここで書いてくれてるから、「美味しいコーヒー以外のカフェの特徴や魅力を洗い出してください。ジャンルに分けて、全部で20あげてください。

ていう風に、お願いすると、自分で、結局カフェの魅力ってどういうもんがあるんだろうって、1から考えるよりもですね、こうやってどういう風なカフェの魅力があり得るのかということをステップを聞いてそのステップをそのままどんな選択肢があるんですかっていう風に聞けばいいわけですよ。

いっぱい出てきました。なるほどな、ペット同伴OKとかあるのねとか、イベント関係あるのねとか、っていう風に。大事なことは5個ぐらい上げてくださいって言うと、無難な80%ぐらい使えるケースの中で分類を書いてくれて、だいたい10個ぐらいお願いすると。後ろのものになればなるほど、どんどんニッチなことも教えてくれるんですよね。ワーキングスペースとかなるほどね。

そうすると、今度じゃあここで、例えばペット同伴OKっていうのがいいなとか、あとアウトドア系もいいなっていう風にプロンプトに加えて、もう一回作り直してOKです。そういうふうに、まあ要は制約条件っていうか思考ステップっていうことを、やっぱり僕らがゼロから考えようとすると、なんかどうしても答えを探さなきゃいけないっていう風に思っちゃうんですけど、GPT自体がいろんな可能性空間の引き出しを持ってるので、その引き出しっていうのを制約条件っていうことと思考ステップっていうこの2つですね。

この2つをきくことによって、GPTとブレストしていく。こういう風なやり方をやった方が、なにより自分の思考の引き出しが増えていくので、2回目3回目になったり街を歩いて実際カフェを見た時に、GPTってカフェの魅力をこういう風なバリエーションで言ってたから、こういう工夫があるんだなとか、あれ?これ以外にそういう新しい組み合わせあるんじゃないの?みたいなこと思ったら、モバイルでまたGPTに聞いていくと、自分の答えを見つけていくときの解像度がどんどん上がってきますよ。

これは何かっていうと、結局プロセスエコノミーで言っていた、「正解主義から修正主義へ」って話なんですよね。

どうしても僕たち、GPTがすごいから、なんかジグゾーパズルをはめるように、ものすごい複雑条件の中で、最高のプロンプトを作っちゃおうと思うんだけれども。

そうじゃなくて、もうGPT自体がその正解を狭めていく正解の解像度上げていくための引き出しをたくさん持ってるんだから、それを引き出しながら修正って編集をしながら、レゴを組み上げるように、答えを高めていくっていう方がずっとずっと筋がいいですよ。

っていうお話です。ぜひ皆さん、ChatGPTで、こんなぶっきらぼうでいいんです。もうちょっと普段ちょっと思ったこととか、こんなことできたらいいなってことを、5個考えてください。それから思考ステップと制約条件を教えてください。この2つを繰り返していくことをぜひ試してもらえたらです。

というわけで、つながるくらいの未来を楽しみましょう。

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image by: Shutterstock.com

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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