MAG2 NEWS MENU

悪平等の消費税で“庶民”を苦しめる立憲と自民の「財務省派政治家」の名前

4月24日に投開票された衆院千葉5区の補選で、立憲民主党の矢崎堅太郎候補が僅差で敗れたのは、政見放送の人選と時間配分に問題があったとする説があるようです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』で、評論家の佐高信さんは、立憲民主が2人の元財務大臣経験者を登場させたのがいかに愚策であったかを解説。麻生太郎氏を筆頭として、財務省による庶民イジメを後押しする政治家の名前をあげ、そうした政治家たちによって「財金分離」がなし崩しにされる現状に憤っています。

立憲民主党 自民派もしくは財務省派

ユーチューブで流れる「デモクラシー・タイムス」の「3ジジ放談」で平野貞夫が怒っている。先の衆議院千葉5区の補選で、立憲は勝てる戦いを負け戦にしてしまったというのである。何と政見放送に立憲は野田佳彦と安住淳を登場させ、現代表の泉健太もしゃべったので、10分の枠で肝心要の候補者(矢崎堅太郎)は少ししか話せなかった。

それまでの予想では維新を含めた野党乱立にもかかわらず、矢崎がリードしていた。ところが、この政見放送の後、自民が盛り返す。平野によれば、選挙区の浦安や市川はリベラル無党派が多く、民主党政権で消費税を10%に上げた野田と安住に反感を持っている。当時、野田は首相で安住は財務大臣だった。

平野は『フォーラム21』の5月号に「2人の政治犯を政見放送に出す愚策。2人を出したとたんに支持率が下がった」と書いている。

松下政経塾卒の野田は、もともと自民党にいるような人間で、防衛費拡大にも反対せず、原発はむしろ推進派である。その手下のような安住と組んで、私が応援に行った山口2区の平岡秀夫を公認にしなかったのだろう。幹事長の岡田克也を筆頭に、こんな人間たちが幹部である限り、立憲に未来はない。

民主党の鳩山(由紀夫)政権で、鳩山は元財務官僚の藤井裕久を財務大臣にした。その時の副大臣が野田で、そこで野田は財務省に洗脳される。

そもそも消費税は貧富の別なく悪平等にかけられる大衆課税で、これが導入されて以来、消費税が上がるたびに法人税が下げられ、格差はさらに広げられている。購買意欲は鈍り、会社の内部留保だけが天文学的に肥大した。

そうしたことに目をつぶる財務省派、すなわち旧大蔵族には、自民党では小泉純一郎、麻生太郎、そして、さきがけの武村正義が挙げられる。竹中平蔵を重用した小泉と、竹中に反発した麻生とで意見が分かれるように見えるが大蔵族ということでは一緒なのである。

その大蔵省を揺るがしたのが、財政と金融の分離だった。銀行、保険、証券を支配下に置いて権勢をふるう大蔵に対し、金融スキャンダルを機にメスをいれようとしたのが財金分離だった。

私は城山三郎や内橋克人、あるいは田中秀征と共に分離を主張したが、当時、村山(富市)内閣で蔵相だった武村が煮え切らず、その後の橋本(龍太郎)内閣で分離されて、財務省と金融庁がスタートした。しかし、麻生が財務大臣になるや、金融担当大臣も兼務し、財金分離はなし崩しにされる。

卑怯なのは大蔵省で、財金分離を主張する城山に、突然、税務調査を行った。私に対しても、テリー伊藤編の『お笑い大蔵省極秘情報』(飛鳥新社)で、匿名大蔵官僚が「必要経費を認めなければ彼が困るだろう」と脅しをかけたのである。麻生は財務官僚の意のままに長く財務大臣をやり、その後を義弟が継いだが、実質的に現在も麻生財相だと言われる。

この記事の著者・佐高信さんのメルマガ

初月無料で読む

image by:StreetVJ/Shutterstock.com

佐高信この著者の記事一覧

活字にならなかった本当の想いを届けなければと、アナログ代表が初トライします。政治、経済、教育、文学etc。質問にも答えて行けたらと思っています。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 佐高信の筆刀両断 』

【著者】 佐高信 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第1〜第4金曜日(年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け