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キャベツが5個で100円?激安すぎる八百屋の驚愕の内情とは

野菜が高くなったと言われている現代でも、キャベツが5個で100円という驚愕の八百屋さんが大阪にあるそうです。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、著者の佐藤きよあきさんが、 その驚きの実態と店主のバイタリティを紹介しています。 

キャベツ5個100円の激安八百屋。その秘密は喫茶店!?

大阪市生野区に、“驚愕”と言っても良いほど、激安な八百屋さんがあります。

「キャベツ5個100円」「サニーレタス3つ100円」「オクラ3袋100円」「シメジ5袋100円」「白ネギ2束100円」「スイカ1玉500円」「梨1箱(12個)500円」。

朝9時半の開店と同時に、人、人、人。

たった5坪のお店ですが、次から次へと商品を陳列するものの、昼ごろには完売するほど。

なぜ、ここまで激安で販売できるのでしょうか。

理由を探ると、非常に理に叶ったアイデアが、そこにありました。

このお店を経営するのは、喫茶店に食パンとコーヒー豆を卸す会社です。

大阪府下の約400軒の喫茶店と取り引きがあります。

しかし、ここ10年ぐらいの間に、個人の喫茶店が次々に廃業し、卸先が減っています。

この危機を乗り越えるためにオーナーが考えたのが、廃業する喫茶店を買い取って、再生させることでした。

新規で取引先を探すだけではなく、自ら取引先を創ってしまったのです。

これほど確かなお客さまはいません。

さらに、この喫茶店での食パン消費を増やすため、主力商品をサンドイッチにしました。

しかも、自社の八百屋さんからの仕入れを増やすため、フルーツサンドのバリエーションを多くしています。

また、現在喫茶店は6店舗ですが、当初はそれぞれが必要な食材を近くのスーパーで買っていました。

しかし、それでは“もったいない”と気づき、一括して、しかも自らが買いつけることにしました。

そのためにやったのは、八百屋さんに弟子入りすること。

このバイタリティには脱帽です。

師匠とともに市場に出向き、買いつけを学んでいきました。

やがて、仲買人とも仲良くなるうち、仲買人の元に残る在庫品に着目。

キズものなどのB級品と呼ばれるものです。

これらをまとめ買いすることで、強気の価格交渉ができるのです。

そのまま買い手がつかなければ、廃棄することになってしまうため、仲買人としては安くても売り捌きたいのです。

オーナーは、仲買人に対してキツい交渉もするのですが、売れなくて困った時には、オーナーにお願いすれば、買い取ってくれるので、非常に有り難い存在でもあるのです。

“お互いさま”の成熟した関係が築かれているようです。

さて、在庫を一切合切仕入れてしまいますが、喫茶店だけで使い切ることはできません。

そこで誕生したのが、八百屋さんなのです。

市場で激安なB級品を仕入れてくるので、激安で販売できます。

B級品と言えど、味は美味しく新鮮なので、それを理解しているお客さまがたくさん押し寄せるのです。

時には赤字奉仕なのですが、「お客さまの驚く顔が見たい」と、オーナーは言います。

モノ余りで、いろんなモノが廃棄されている時代に、売る場所を作り、無駄のない健全な消費活動を促進していると言えるのではないでしょうか。

食パンとコーヒー豆の卸売会社が、取引先を増やすために喫茶店を買い取り、そこの仕入れのために、市場の在庫品に目をつけ、大量の在庫品を売るために八百屋さんを開く。

思いつきなのかもしれませんが、非常に理路整然とした、素晴らしいアイデアです。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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