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職場に「苦手な同僚」がいてツラい。プロが勧める“5つの対処”とは?

どうにも合わない人、苦手な人は誰にでもいるものですが、その苦手な人が同僚として同じ職場にいるとなれば、かなりのストレスです。「視界から消えてほしい」と願うほど深刻な悩みに答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤さん。好きになろうとか仲良くなろうとする必要はないと前置きしたうえで、すぐできることから最終手段まで、5つの取り得る対策を注意点とともにアドバイスしています。

ちょっと御相談がありまして:苦手な同僚

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Question

40代会社員Aです。職場の隣の部署に、とても苦手な同僚Dがいます。彼は2年前に今の部署に異動してきました。悪い人間ではないと思うのですが、ものの言い方から態度から、私以外の人への接し方まで、すべてが苦手です。

何をするにも上から目線だし、彼には関係のないことにまで首を突っ込むし、自分を大きく見せようとするし、もういちいち気に障ります。後輩の女性に対して、なれなれしく「ちゃん」づけで呼ぶのもどうかと思いますし、品のない冗談を大声で言って一人で笑っているのもイライラします。

私以外の人たちは、「ああ、Dさんはああいう人だからね」とある意味諦めているようです。やり方は気に入らないですが、仕事ができないわけでもないですし、私が直接迷惑をかけられているわけでもないので黙っていますが、本当に不愉快です。私の視界から消えてほしいと願うばかりです。

【永藤より愛をこめて】

ああ、ババ抜きのジョーカーひいちゃった……という感じでしょうか。いますよね、「悪い人じゃないんだろうけど、虫が好かない」とか「そりが合わない」人って。そういう人を無理に好きになる必要や、仲良くなる必要は、私はないと思っています。そこで無理をしたら自分の精神状態がやられてしまう。

でも毎日会わなくてはならない。さてどうするか。相談者さんは「私の視界から消えてほしい」と願っていますが、イリュージョンじゃあるまいし、そうそう消えるものじゃないですよね。ただ取りうる手段はいくつかあると思います。

  1. 席替えをして、物理的に「視界から消える」ポジション取りをする
  2. 社会人としてのビジネスマナーである「挨拶、報告、連絡」を必要最小限し、それ以上は自分から関わりをもたない
  3. 自分に話しかけられているのではないのであれば、彼の声を必要以上に拾わない、反応しない
  4. Dさんを操作しようと思わない、変わってほしいと望まない
  5. どうしても同じ空間にいるのが耐えられないようであれば、異動願を出す(最終の最終手段)

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1はわりと効果あります。姿かたちを見ないだけで気が楽になります。

2は、必要最小限だけはやること。これをやらないと、「えー、俺聞いてないですよ。Aさんどういうことですか~?」「Aさんって、俺以外には愛想いいのに俺だけ無視しますよね~」と、大変面倒くさいことになります。

必要最小限の挨拶と、業務上必要な報告・連絡事項があれば、それだけする。そうすれば相手から文句を言われる筋合いはなくなるわけです。ちなみに報・連・相の「相」はDさんではなく、信頼できる人にしてください。

3は、ちょっと難しい。苦手な人の声って、なんだか大きく聞こえたりするんですよね。でも、自分に向けて発せられているのでないのであれば、単なるノイズだと割り切る。真夏のセミとか、道路工事とか、街路樹の剪定のモーター音だと思うようにする。

4は、どんなに彼が苦手であろうとも、彼を操作しようとは思わないでほしいのです。彼も一人の人間であるということ、あなたにあなたの様々な権利があるように、DさんにもDさんの様々な生きる権利があるのです。社会の規則の中で彼が何をしようとも、それは彼の権利なのです。

5は最終手段です。今ご自身がいる部署での仕事が快適ならば、手放す必要はもちろんありませんが、Dさんがいることで自分の生活に支障が出るようであれば考えてもいいかもしれない。

それは彼から逃げる、という一側面でなく、自分を心身ともに健康にするため、自分の仕事の範囲を広げるため、新しい学びをするためにもなるかもしれません。別にそれは何ら恥じることでもないです。ただ、何の運命のいたずらか、あなたが異動した先にDさんがやってくる可能性だってゼロではない、ということも考えておきましょう。

間違ってもDさんにケンカを売るのはやめた方がいいです。嫌だなと思うところは反面教師にする。それで手を打ちませんか?みんなを好きになることなんてできないよ、にんげんだもの(かおる)

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image by: Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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