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ひき肉じゃない。家庭料理の常識を覆した「高級ジャンボコロッケ」はなぜ人気なのか?

コロッケといえばひき肉。そんな常識を打ち破り、多くの注目を集めるコロッケがあります。今回は、MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんが その「高級ジャンボコロッケ」を販売するお店の戦術と戦略、そして先代から引き継いだ強い思いについても紹介しています。

新たなカテゴリー。お肉屋さんの高級ジャンボコロッケを分析する

今号は、お肉屋さんの高級ジャンボコロッケを分析します。

● 滋賀県にある精肉店の企業である「お肉のおかだ」が提供している『殿様級 贅沢の極コロッケ

コロッケが好き・肉好きな方をターゲットに、「先代から引き継いだ想い」に支えられた「近江牛を700円で食べられる」「驚きの食べ応え」等の強みで差別化しています。

コロッケといえば、ひき肉という常識を覆し、近江牛を巻き付けた肉巻きコロッケとして、多くの注目を集めています。

■分析のポイント

コロッケは家庭料理ですし、総菜売り場でも100円程度で売られているものですから、多くの方にとっては安価なものというイメージが定着してます。

ですので、コロッケ一つが700円は高いと思う方がほとんどだと思います。

しかし、そのコロッケにA5等級の近江牛スライス60グラムが入っていると聞けば、高いことににも納得はできそうです。

今回、取り上げた『殿様級 贅沢の極コロッケ』は、安価なコロッケとは競合するものではないと考えます。

その理由は、安価なコロッケは、いつもの食卓に並ぶものであり、『殿様級 贅沢の極コロッケ』は特別な時の食卓に並ぶものだからです。

ですので、普段の食事にコロッケを食べたいと思った時の選択肢として『殿様級 贅沢の極コロッケ』はあがりずらいでしょう。

何かのご褒美といった位置づけで食べられるもの、という方がしっくりきます。

多くの家庭にとって、「すき焼き」は特別な時の食卓に並ぶものだと思いますが、『殿様級 贅沢の極コロッケ』は、それに近い印象です。近江牛のさしが入った「すき焼き」用の肉が使われていますしね。

『殿様級 贅沢の極コロッケ』は、もはや、いままでのコロッケのイメージの枠を超えたものであり、コロッケの新たなカテゴリーと言えるかもしれません。

今後、『殿様級 贅沢の極コロッケ』がどのような存在となっていくのか注目していきます。

 

◆戦略分析

■戦場・競合

・戦場(顧客視点での自社の事業領域):惣菜、高級コロッケ
・競合(お客様の選択肢):精肉店、惣菜店、スーパーなど

■強み

1.近江牛を700円で食べられる

・贈り物や自分へのご褒美に最適
・近江牛としては破格
・贅沢な肉巻きコロッケ

2.驚きの食べ応え

・約160gのジャンボサイズ
・ひき肉を使わずお肉の食感そのままコロッケ
・ビーフカツのような感覚

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

・「誇りは高く、敷居は低く」がモットー
→父の想いを大切にしながら父の絶品コロッケを守り残すべく日々挑戦していきたい
・最上級のA5ランクの近江牛を使用。認定「近江牛」指定店

上記のような、想いや実績が強みを支えています。

■顧客ターゲット

・コロッケが好きな方
・肉が好きな方
・美味しいお肉を食べたい方

 

◆戦術分析

■売り物

近江牛肉巻き『殿様級 贅沢の極コロッケ』

・近江牛入りのマッシュポテトにA5等級の近江牛スライス60グラムを巻き付けて衣を付けて揚げたコロッケ
・近江牛のさしが入った「すき焼き」用の肉を使用
・滋賀県産のじゃがいも(キタアカリ)を使用
・1個約160g
・事前予約が必要

■売り値

・700円(税込み)※店頭限定価格
→原価ぎりぎりの価格で販売

■売り方

・第32回優良経営食料品小売店等表彰事業で“農林水産省大臣官房長賞”を受賞
・様々なメディアで取り上げられている

■売り場

・「お肉のおかだ」店舗(滋賀県)

※ 売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 青山烈士 【発行周期】 ほぼ 週刊

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