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Sliced bitter melon or bitter gourd on wooden board prepare for cooking, Table top view

異常な暑さにグッタリ…「酷暑に負けない体」を作る食材の名前は?

連日、「異常」ともいえる暑さが続き、熱中症で搬送される人も多い今年の夏。総務省消防庁は、熱中症とみられる症状で搬送された人が、先週の一週間で1万人を超えたと発表しており、猛暑の凄まじさを物語っています。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、この酷暑を乗り切るための食事のすすめとして「にがうり」(ゴーヤ)をおすすめした記事を紹介しています。

酷暑を乗り切る食事のすすめ

異常な暑さが続く今年の夏。

本日は、そんな酷暑を乗り切るための知恵として、月刊『致知』の人気連載「大自然と体心」より、「暑さに負けない食事のすすめ」をお届けします。

にがうりと最適な食べ合わせで夏を乗り切る 白鳥早奈英(栄養学博士)

「にがうり」(ゴーヤ)は、これからの暑さの厳しい季節に積極的に摂っていただきたいビタミン食です。

沖縄では古くから食卓の定番として庶民に親しまれてきましたが、近年にがうりに含まれる独特の苦みと他の食材には含まれない栄養素が注目され、いまでは全国で手軽に食べられるようになりました。

(中略)

にがうりの一番の特長は、疲労回復に最適なビタミンCが豊富に含まれていることです。

100グラム中に含まれるビタミンCはいちご62ミリグラム、キウイフルーツ69ミリグラムに対しピーマンと同程度の76ミリグラムで、これはいちごよりも多く、キャベツの約3倍に相当します。

にがうりのビタミンCは加熱しても壊れにくく、短時間、強火での加熱であれば損われることはありません。

ビタミンCは肌のハリを保つコラーゲンがつくられる時に使われ、メラニン色素をつくるのを防ぐ効果もありますので日焼け予防、美肌効果も期待できます。

有効成分はそれだけにとどまりません。

にがうり独特の苦味成分を司るモモルデシン、チャランチンには、胃液の分泌を促し、食欲を増進させるとともに、肝機能を高め、血糖値を下げる効果があることも実証されています。

さらに、にがうりに含まれるたんぱく質の一種、モモジンには血圧を下げ、免疫力を高める効果もあります。

食物繊維も100グラム中2.6グラムと、海藻類並みに豊富で、コレステロールを取り除き、ダイエット効果も期待できます。

加えてミネラル成分のカリウムも豊富で、体のだるさをとってくれます。

にがうりに含まれる栄養素を余すことなく味わうには、苦味をなるべく逃さないことです。

食べ慣れない方も、慣れてくれば、このにがうり独特の苦味がクセになるはずです。

どうしても苦手な方は、調理の前にワタの部分をスプーン等でよく取り除き、薄く切ってから塩もみして水にさらしておくと食べやすくなります。

選び方のポイントは、表面の色が単一で、緑色が濃く、イボが密で、ツヤのあるものを見分けることです。

鮮度が落ちやすいので、硬めのものがおすすめです。なお、苦味は外見では判断がつきません。

にがうりは、じつは種やワタにも有効成分が凝縮されています。

種に「共役リノール酸」が含まれていて肥満や高肥血症の改善に効果があるため、できれば食べたほうがよいのです。

真っ赤になったワタも取り除かず、種もつけたまま輪切りにして炒めれば、おいしく召し上がれます。

炒めてもよし、てんぷらにするのもよし。カレーの具材やツナ缶、さっと茹でてほぐした鶏肉と混ぜてサラダにしても相性抜群です。

どんな食材とも相性がよいので、結果的に各栄養素をバランスよく摂れるようになります。

沖縄の代表的な家庭料理に、ゴーヤチャンプルがあります。

にがうりと豚肉、豆腐などを炒めたものですが、ビタミン豊富な豚肉、抗酸化作用のあるサポニンを含む豆腐との食べ合わせは栄養満点。

まさに理に適った夏バテ防止の健康食と言えるでしょう。

優れた栄養素を豊富に含み、捨てるところのないこの素晴らしい食材を活用しない手はありません。

(『致知』2012年8月号)

image by: Shutterstock.com

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