MAG2 NEWS MENU

費用はかかる、でも効果アリ。新規客をファンにするための“たった2つの方法”

既存の客を大事にしつつ、新規客を集めるにはどんな売り方をすればいいのでしょうか? 無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんは、小売店で新規客を集め、さらにお店のファンになってもらうためにできることを紹介しています。

潜在顧客を見込み客にする方法

863号では、顧客リストを活用して売上を上げる方法を考えました。

【関連】ネットがだめならアナログでやればいいじゃない。小売店が選択すべき必勝法とは

これは、いわゆる既存客(固定客、ファン客)に対する方法でした。では、新規客(見込み客)のリストを集めるには、どうしたら良いでしょう。

1.顧客リストの上手な使い方

お手元の顧客リストは、うまく使えていますか。マーケティングに長けたあなたのことですから、きっとうまく活用して、売上を増やしていることでしょう。

既存のお客様にEメールを差し上げたり、SNSで情報を流したりして、お店に足を運んでもらうようにしているはずです。

例えば、野球グローブの新製品が発売されたとします。Eメールや手紙を送っても良いという許可を貰っているお客様に、新製品の案内をすることにしました。

お店の顧客リストは、スポーツごとにグループ分けされていますから、メールアドレスの分かっているお客様には、Eメールで案内します。

メールアドレスが分からず、住所が分かっているお客様には、手紙での案内です。手紙は印刷代と郵送代が少しかかりますが、広告費としてはそれほど大きなものではありません。

とはいえ、Eメールはわずかな費用しか掛かりませんので、できるだけ、お客様のメールアドレスを集めることです。もちろん、Eメールの宛名は、お客様本人の名前になっています。

そして、このご案内は送るだけではいけません。目的は、お客様と一層親しくなることと、売上につなげることです。ですから、案内には新製品の紹介と一緒に、お客様の欲しがる情報を送ってはどうでしょう。

例えば、「今年の市・県大会、全国大会のスケジュール表」とか、「プロが教える、野球グローブの手入れ法」とかいったことです。お客様との日頃の会話の中に、ヒントがないでしょうか。

また、案内だけではいけません。来店して、対象の商品を買っていただいたら、気の利いたプレゼントを差し上げます。例えば、店舗オリジナルのシューズ袋とか、グローブメンテナンス無料券とか。

こうしたことは、あなたのお店では、いつも行っていることです。それを繰り返すことで、お客様とのつながりが強くなっていきます。これが、顧客リストの上手な使い方でしたね。

2.紹介キャンペーンで見込み客を集める

では、既存のお客様ではなくて、新規のお客様(見込み客)が優良顧客(ファン客)になっていただくには、どうしたらいいでしょう。

これが、結構手間ひまのかかる作業なのです。費用も掛かります。それでも、従来のお客様だけで売上を伸ばしていくのは、限界があるでしょう。ですから、新しいお客様をつかんで、優良顧客(ファン客)になっていただくことが必要です。

新規のお客様をつかむには、潜在顧客が見込み客になってもらうステップから始めます。潜在顧客は、あなたのお店のことを知りません。見込客とは、お店のことを知ってはいますが、まだお店で商品やサービスを買ったことのないお客様のことです。ですから、まずこの潜在顧客にお店のことを知らせる必要があります。

その方法はいろいろありますが、「紹介キャンペーン」というのも一つの方法です。これは、既存のお客様の力をお借りします。既存のお客様に、あなたのお店のことを紹介してもらうキャンペーンです。

お知らせツールは、Eメールでも手紙でも、どちらでも構いません。「知り合い紹介カード」をお届けします。手紙にはプリントをしたカードを入れておき、Eメールではカードをダウンロードできるようにしておけばいいでしょう。

紹介されたお客様は、カードに紹介者と本人の名前、メールアドレス、住所を記載して、お店に持参してもらいます。

紹介をしたお客様にも、紹介されたお客様にも、それぞれメリットがあるようにしておかなくてはなりません。例えば、紹介されたお客様が来店されたら、ソックスが5足もらえるとか、何か商品を買っていただいたら、次回以降使える2,000円の割引クーポンを差し上げるとか、欲しいと思わせる「ご褒美」を考えましょう。また、紹介していただいたお客様には、野球用品2割引き券を贈られてはどうでしょう。いずれにしても、「得をした」と思ってもらえなければいけません。

この紹介キャンペーンによって、いくらかの「見込み客」のリストが手に入ることでしょう。ぜひ、実行してください。

3.宣伝広告で見込み客を集める

とはいえ、潜在顧客には、紹介者のいないお意客様の方が、圧倒的に多いです。その人たちに、お店のことを知ってもらう必要があります。どんな方法があるでしょう。

まずは、宣伝広告です。宣伝広告を出すには、少しお金がかかります。あなたのお店では、そんなに多くの予算がありませんから、なるべく安上がりな広告宣伝法にしましょう。

多くの潜在顧客に知ってもらうには、スポーツ専門雑誌が良いです。一般誌に比べて広告代が低く、しかもターゲットが絞られています。知ってもらうには、格好の媒体ではないでしょうか。

例えば、野球ではこんな雑誌があります。

・週刊ベースボール
・ベースボールマガジン
・ベースボールクリニック
・SLUGGER

各誌の発行部数は、10万部から30万部といったところです。広告掲載費は、交渉次第で上下しますが、1ページで数十万円はかかります。

ただし、あなたのお店は、そんなに費用をかけてはいけません。そのためには、ヨコ4分の1のスペースでの広告で十分です。しかも、黒1色で写真やイラスト無しですから、デザイン代もかかりません。きっと、広告費用は数万円で済むはずです。

宣伝文句は、こんな感じにします。

「こちらにご連絡をください。(自店電話番号、自店メールアドレス)ひいきのチームの野球帽をプレゼントします。申込期限○月○日  〇〇スポーツ」

プレゼントは野球帽でなくても構いません。お客様が喜びそうなものを考えましょう。

どれくらいの潜在顧客が連絡をくれるかは分かりませんが、連絡をくれたお客様がプレゼントを希望されれば、氏名、住所が分かります。電話で連絡をいただいたお客様のメールアドレスを聞くのは、必須です。

野球専門誌ばかりでなく、コミュニティー誌にも広告を出します。野球専門誌は、全国の人が読みますが、コミュ二ティー誌は、地域の人が読者です。野球好きな潜在顧客としては、より絞り込まれています。広告代は、きっと野球専門誌よりも安いでしょう。

どちらも、広告代のほかに、プレゼントのコストや配送代が必要になります。そして、この広告は、1回だけでは駄目です。10回は続けて出す必要があります。費用として抑えておきましょう。

いずれにしても、これで何人かの「潜在顧客」が「見込み客」になりました。次のステップは、「見込み客」を「ファン客」にすることです。これは、次号でお伝えしたいと思います。楽しみにしてください。

■今日のツボ■

・既存のお客様にお店の紹介をしてもらうと、見込み客がつかめる
・紹介したお客様にも、されたお客様にもメリットがあるようにする
・スポーツ専門誌やコミュニティー誌に簡単な広告を出して、見込み客をつかむ

image by: Shutterstock.com

梅本泰則この著者の記事一覧

ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ! 』

【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け