全国展開ではなく、一部の地域だけで展開しているレストランチェーン。そんな「ご当地レストランチェーン」が愛される理由を、今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが紹介しています。
地域の人に愛されている、ご当地レストランチェーンの重要な役割とは?
全国各地に、その土地ならではの食文化があり、その味を糧として、地域の人びとの生きる力が育まれています。
暮らしの中で食べものの重要性は高く、モノでは満たされた現在、より一層、食への関心が高まっています。
美味しいもの、珍しいものがあると知ると、遠くからでも足を運びます。
旅行の目的が、観光ではなく、ご当地グルメである場合が多いのです。
それほど、食に執着する人が増えているのです。
このことに目をつけ、地域おこし・町おこしに、食をアピールする自治体もあります。
それだけ、集客力があると見ているのです。
ご当地グルメの掘り起こし、あるいは、新しいグルメの創作が求められるところですが、私はあるものに着目しています。
「ご当地レストランチェーン」です。
全国チェーンではなく、一部の地域だけで展開している、こじんまりとしたレストランチェーンのこと。
全国いろんな場所に、数店舗から数十店舗のご当地チェーンがあります。
全国の人がまったく知らなくても、地元の人に愛され続け、長年営業しています。
地元の人なら誰もが知っている、大切なお店です。
たとえば、群馬県をはじめ、北関東・長野に展開する和風レストラン「いっちょう」。
いわゆるファミレス的なお店ですが、そのメニュー数は驚くもので、軽めのランチから、懐石膳風の豪華なものまで、ありとあらゆる要望に応えられるようになっています。
日常使いはもちろん、誕生日や記念日などのお祝い事にも利用できるようになっているのです。
この地域の人にとって、“外食と言えば、ココ”という存在なのです。
こうしたお店は歴史が長く、子どもの頃から利用している人が、ずっと通い続け、大人になっても、子どもや孫を連れてやって来るのです。
まさに、地域の人の暮らしとともに、そこに存在することが、当たり前となっているのです。
地域に溶け込んでいるお店なので、当然、ご当地グルメもあり、その土地の食文化を知ることもできます。
ならば、県外の人にアピールすれば、どうなるでしょうか。
知らない地域の知らないものが食べられる。
その地域の人が食べているものを体験できる。
メニュー数が多いので、いろんなご当地ものを一度に味わうことができる。
しかも、チェーン店なので、気軽に利用できる。
食を探求する、現代人の欲求を満たしてあげることができます。
ご当地グルメの聖地として、地域活性化に貢献できるのではないでしょうか。
最近よく聞くようになった、「フードツーリズム」を容易に実現できる手立てとなります。
※ご当地レストランチェーン(例)
・北海道 ハンバーガーレストラン「ラッキーピエロ」
・岩手県他 和風レストラン「南部家敷」
・宮城県他 和風レストラン「まるまつ」
・福島県他 シーフードレストラン「メヒコ」
・新潟県他 レストラン「三宝」
・群馬県他 レストラン「フライングガーデン」
・茨城県他 和風レストラン「ばんどう太郎」
・山梨県他 甲州ほうとう「小作」
・長野県他 ファミリーレストラン「あっぷるぐりむ」
・静岡県 炭焼きレストラン「さわやか」
・岡山県他 アメリカンステーキ「ミスター・バーグ」
・愛媛県 中華レストラン「チャイナハウスすけろく」
・長崎県 レストラン「牛右衛門」
・沖縄県 ステーキハウス「88」
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