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なぜ、経験を積んだ会計士や税理士の書く会計本はわかりにくいのか?

ビジネス書を長年読み、紹介してきた無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者土井英司さんが気づいた、とある法則。今回は、その法則が見事にハマっているという一冊の「わかりやすい会計本」を紹介しています。

【これでバッチリ】⇒『コンサルタントの父が大学生の娘に教えるシンプルな会計』

コンサルタントの父が大学生の娘に教えるシンプルな会計

和仁達也・著 かんき出版

こんにちは、土井英司です。

長年、ビジネス書を読んできて、気づいた法則があります。

それは、「会計士・税理士の書いた会計の本はわかりにくい」ということです(笑)。

一方で、『財務3表一体理解法』や『「1秒!」で財務諸表を読む方法』、『会計天国』など、売れている会計本は、コンサルタントが書いていることが多い。

(『会計天国』は、経営コンサルタントと会計士の共著)

財務3表一体理解法

「1秒!」で財務諸表を読む方法

会計天国

会計士が書いている本でわかりやすいものもありますが、大体そういう場合、著者は会計士になりたてで未熟だったりする。

つまり、目線が読者と近いかどうかがわかりやすさのポイントなんだと思います。

本日ご紹介する一冊は、完璧に初心者目線で書かれた会計の本。

しかも、経営コンサルタントが起業準備中の大学生の娘に教える、というコンセプトですから、現在学生の方にとっても、サラリーマンにとっても、起業家にとってもわかりやすい。

高度な分析や決算書の作成などには向きませんが、その分ざっくりと要点を学ぶことができます。

著者が「お金のブロックパズル」と呼ぶシンプルな図を使って、損益計算書も貸借対照表も理解できるので、会計初心者の方はぜひ読んでおくといいでしょう。

本書が有用なのは、このブロックパズルを使って、経営をどう改善すればいいか、分析のポイントが書かれていること。

特に小さく起業したいと考える人、中小企業経営者には、うってつけの内容だと思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

第一歩は「お客様のお困りごと」を見つけること

会計とは「お困りごと解決」をお金に換算すること

お困りごとの解決によって「報酬」が生まれる

決算書とはお金の「流れ」と「状態」を示すもの

損益計算書(PL)~「どれだけ儲かってるの?」売上から経費を除いて、いくら利益が出たのかを示したものが損益計算書(PL)

貸借対照表(BS)~「どれだけお金があるの?」企業が持っている資産の状態を表したのが貸借対照表(BS)

発生主義と現金主義のギャップを埋めるために必要になるのが、キャッシュフロー計算書です。1年間の現金の出入りをまとめて、最終的に1年間でお金がいくら残っているのかを計算した報告書です

BSの右側は、『よそからの借入』や『本業の利益』など、どこからお金を調達したかの『実態』を表す。そして左側は、『現預金』『在庫』『車』などのように、調達したお金をどんな形で保有しているかの『表現方法』を表しているんだ

お困りごとをたくさん解決したほうが、成績もよくなる

社員の給料を上げたいなら、内部留保に頼らず、利益を増やすしかありません

BSとは『お困りごと解決チーム』の累計の成績表

PLとは『お困りごと解決チーム』の今期のテストの結果

PLの最終的な利益がBSの純資産につながる

「変動費を減らす工夫」=「粗利を増やす働き方」

黒字倒産になる主な原因
1.過剰な在庫を抱えているとき
2.売掛金が回収できなかったとき
3.過剰な投資をしているとき

「商品開発部」では、どうやって客単価を上げるかを中心にディスカッション

あくまで経営者目線で会計をどう読むか、知りたい方には最初の一冊としてピッタリの内容だと思います。

これから独立起業しようと考える方には、特におすすめの内容です。

ぜひ読んでみてください。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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