インフレ時代の今「高くても売れる商品」を作るには、どこに注目したらいいのでしょうか? 無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが今回紹介するのは、成功事例とアイデアをふんだんに掲載した一冊です。
【今どき売れる7つのキーワード】⇒『高くてもバカ売れ!なんで?』
川上徹也・著 SBクリエイティブ
こんにちは、土井英司です。
本日の一冊は、物価高の昨今、大ヒットしている商品と、その理由を解説した一冊。
主にコロナが流行した2020年以降、23年秋までの100を超えるヒット商品事例を検証し、わかったことをまとめています。
著者は、大手広告代理店出身のコピーライターで、多数の著書を持つ、川上徹也さん。
コロナ禍にヒットした「リップモンスター」や、湧き上がる泡で話題となった「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」、1粒1000円のイチゴ、1粒4000円のあめなど、多数の事例と、著者が考えるヒット要因がまとめられており、マーケティング・営業のヒントになります。
「アガる」「プレゼント」「自分メンテナンス」「プチ贅沢ご褒美」など、今どき売れる7つのキーワードも、参考になるに違いありません。
インフレ時代でも「高くても売れる」7つのキーワード
(1)アガる
(2)プレゼント
(3)自分メンテナンス
(4)プチ贅沢ご褒美
(5)応援消費
(6)レトロエモい
(7)ガチニッチ
どんなに経済状況が悪くても、どんなに会社が苦しい時でも、ヒット商品は生まれる。
そして、そのヒットを生むのは、アイデアと不屈の精神、要するに人間の力なのです。
本書を読むと、苦しい状況をモノにしたヒットメーカーたちの仕事が一覧できて、手っ取り早くマーケティングのヒントが得られます。
気になった商品を、実際に見たり、購入して試すと、さらに学びが深くなるのではないでしょうか。(土井も、ワコールメンの男性用高級下着「レースボクサー」を買おうかどうか悩んでいます)
写真も多く入っていますが、全部が全部、商品写真入りではないため、スマホ片手に、検索しながら読むことをおすすめします。
さっそく、気になるところを赤ペンチェックしてみましょう。
コピーライティングの肝として「合わない言葉を組み合わせることで化学反応を起こす」というテクニックがあります。「リップ」と「モンスター」の組み合わせはまさにこれです。KATEの開発担当・宗田杏樹さんのインタビューによると、この「リップモンスター」という製品名は「とにかく落ちにくそう、なんだかスゴそうという最強感、貪欲な期待感を思わせる名前」として考えたといいます。そこから転じて「モンスターが住む世界って、こんな感じ」とストーリーを深めていき、個々のカラーの名前もその世界観からイメージしていったそうです(中略)たとえば「憧れの日光浴」というカラーは、「普段は夜に活動しているモンスターにとって太陽は縁遠いもの。でもだからこそ、日光浴に憧れていて……というストーリーをのせた、フレッシュなオレンジカラー」
男性たちの美意識に変化が起きている。今なら女性が下着に抱いている華やかでワクワクする感覚を、レースを使ったインターウェアで男性にも実感してもらえるのではないか--
熟度、色、形、糖度、大きさなどの基準を満たしたイチゴを厳選し、ダイヤモンドの原石を磨き上げる作業に例えて「ミガキイチゴ」と命名することにしました。さらにレギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナと4段階のグレードに分けて販売したのです。「プラチナ」に選ばれるのは、約500粒のうち1粒程度
衣類においても「睡眠中に疲労回復」して「自分メンテナンスする」というコンセプトの商品が異例のヒットとなっています。その代表格が、ウェルネスD2Cブランド「TENTIAL(テンシャル)」から発売されている睡眠用のリカバリーウェア「BAKUNE(バクネ)」
一般的に広告というと企業が出稿するものですが、「応援広告」ではアイドルやタレントなどのファンが、自分たちでお金を出し合って出稿することが特徴
■5670(コロナゼロ)プロジェクト
応援消費で6300匹の真鯛が直接消費者に(中略)「5670プロジェクト」が素晴らしいのは、単に真鯛が売れたにとどまらない点。それは、さばき方教室を実施したことです
サウナ専用メガネが売れてます
一部、売れ行きに翳りが見えている商品もありますが、マーケティング思考を鍛えるためのヒントとして、読んでおくといいと思います。
最新のヒット商品をアップデートしておきたい人にもおすすめの一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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