「ほぼ日手帳」といえば、糸井重里さん率いる「ほぼ日刊イトイ新聞」から生まれた、多くの人から支持を得ている有名な手帳ですよね。今回の無料メルマガ『プロが教える「美大いらずのデザイン講座」』では、トップデザイナーとして活躍する著者のカマタさんが、自身も愛用しているという「ほぼ日手帳」の魅力と、デザイナーならではの使い方についてたっぷり語っています。
デジタルな時代にこそ高まるアナログな手帳の価値
1.「ほぼ日手帳の使い方」コーナーで取材を受けました
ほぼ日刊イトイ新聞様の「ほぼ日手帳の使い方」コーナーで、「ほぼ日手帳ユーザー」として取材を受け、Webサイトに記事を書いて頂きました。有難うございます。
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嬉しい事にかなり大々的に取り上げて下さったので、大変驚き、また嬉しい限りです。まだご覧になってない方は是非ご覧ください。
https://x.gd/UdAvv
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記事の内容としては
・センスがないと思っている人のための読むデザイン
・プロだけが知っている届くデザイン
を執筆した時にアイディア帳その他の用途で、どんな風にほぼ日手帳を使ったのか?を中心に、Xに上げて頂いた読者の方のご紹介のポスト等、自作のイラストや、手書きで書かせてもらった記事の草稿など、漏れなく記事にして頂いてます。
今回のnoteでは、その取材の経緯・裏話?みたいなお話や、ほぼ日手帳がどうして使いやすいのか?またこのデジタル全盛の時代に、手帳を代表するアナログメディアをどうデザイナーが使っていくのか?等書かせて頂きます。
2.何でも受け入れてくれる容量力のある手帳
記事については上記のURLから読んで頂きたいですが、
「色々な手帳があるのに、何故、ほぼ日手帳を使ってくれてるんですか?」取材の最後にスタッフさんからそんな質問を頂きました。
その時は「パーソナルな親しみのある手帳」みたいに答えました。それはそれで本心ですが、
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もう一つ、「何でも受け入れてくれる容量力ある頼り甲斐のある手帳だから」という答えも帰った後で浮かんできました(笑)
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記事を読んで貰えればわかりますがかなり僕は「自由気ままに?」ほぼ日手帳を使っています。
・イラストを入りの書籍の草稿をガンガン書く
・スクラップブックとして気になるものを書く
・X(twitter)の140文字を一度手書きで書く
・X(twitter)にあげたポストをプリントしてから貼る
・書籍の表紙ラフを貼る
・書籍購入頂いた方のポストをプリントして貼る。
見方を変えれば、せっかく月ごとのカレンダー欄など充実している手帳なのに、スケジュール管理など殆ど使っていない、自分勝手な使い方とも言え、手帳作ってもらった方々へ失礼?(笑)と思うくらいに、僕のほぼ日手帳の使い方は自由です。
でも、何と言うかこういった破茶滅茶な使い方をしても「ほぼ日手帳なら許される」…と言うか、動じない・びくともしないような大らかさをこの手帳に感じるんですね。包容力というべきかわかりませんが。
「アレンジされる事をはじめから許容してくれている手帳」そんな意味でほぼ日手帳はデザイナーには使いやすいですし、特別な存在なのかも知れません。
3.デジタル時代の「手帳やノート」の使い方
今の時代、AIであったりメタバースであったり、とにかくデジタルな分野の成長は著しく、目を離せば飛躍的に何かが進んでしまうほど進化は早いです。
仕事柄、AIで生成出来る画像の精度をチェックしてますが、まさに日進月歩という言葉通りで、昨日より今日の技術が目に見える形で進んでいる感覚があります。
情報は10年前とは比べようもないスピードでネット上を駆け巡っています。
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ただ、だからこそ「手帳」や「ノート」と言うアナログメディアは、ますます価値が高くなっているのではないでしょうか?
自らが発した情報を自ら整理して、他者から頂いた評価や感想を、手元にまとめ編集し…それを一覧する形で俯瞰して見直す作業に長けているように感じます。
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自分の立ち位置を明快にして、未来への自分への足がかりを作ろうとする時に、まさに相棒のように自分を見直す鏡を提示してくれる、アナログなメディアである手帳やノートの価値は今後また一段高くなると思います。
特にデザイナーの場合、手帳から発展し、はみ出した感じでの使い方ができるのは、魅力的ですし、それに対応した様々な種類のほぼ日手帳が、用意されているのも魅力的です。色々と使い分けはしたいけど、1箇所にまとめやすいのが個人的にすごく気に入ってます。
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A.スクラップブック
B.デザインラフ
C.思いついたメモや文章
D.自分が見返すだけに絞ったポートフォリオ
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など多種多様な使い方が出来ます。
4.デザイナーの手帳の具体的な使い方
それぞれ上に書いた1~4を簡単にですがご説明していきます。
A.スクラップブック
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特にデザイナーが作品のように綺麗に貼っていくスクラップブックと別に考え、気負わずに、ちょっと気になる所あるならお菓子の包み紙とか、素敵だなと思ったチラシの端のロゴデザインとか?ルールに捉われずどんどん気軽に貼っていきましょう。
毎日の日記をつけている片隅に貼っていくのも、そのスクラップを手に入れた時の状況もわかるし、どこで手に入れたか?も思い出せて楽しく実用的かも知れませんし、決まりはありませんから自分がやり易いように使いましょう。
B.デザインラフ
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ほぼ日の手帳は全て方眼仕様なので、手帳の片隅でもロゴデザインのラフなど割と正確に描けるので、モノを作る人に重宝されています。
プロダクツデザインなどは立体になる分、スケッチにしてみないと正しくイメージ出来ない所があり、ちょっと思いついた時に手帳に残しておけるのは有難いです。
こんな風に日々の生活の中に「クロッキー帳」を持っている感覚はデザイン作りと無縁の生活を送る人も含めユーザーのクリエティビイティを密かに刺激している気もします。
C.思いついたメモや文章
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思いつきなどは普通にメモで残して良いし、僕のように本の出版を前提にして文章をずらずらと書いていく事もこの手帳は引き受けてくれます。
本当に長文を描きたいなら、毎日の日付があるページでなくほぼ日手帳のカバーに2冊目として、日付等全く載せていない「ほぼ日方眼ノート」など入れて使用すると良いでしょう。
↓こんな感じに2冊入れ込む事も出来ます。
(記事の途中の写真をご覧ください、黄色の背表紙のものが「方眼ノート」)
https://x.gd/UdAvv
1冊目はdayFree(青)
通常版(クリーム色の背表紙)でも多分何とか一つのカバーに入るはず(通常盤だと窮屈ですが)僕はこのほぼ日方眼ノートがメインか?と言うくらいに使い倒します。ほとんど手帳よりもノートとして使う感じですが、やり方は色々と自分で工夫してみて下さい。
ほぼ日手帳のページ
https://www.1101.com/store/techo/about/
因みにほぼ日手帳は色々な種類が増えてます。僕が結構使わせてもらうのはほぼ日方眼ノートですが、オリジナルなど通常の手帳本体と組み合わせていけば、多分スケジュールとの連動も出来るので、ノート的に使うだけでは勿体無いな!と最近感じてもいます。
また月毎のカレンダーページのみあって毎日の日付は自分で書いていくday-freeという種類のモノもあります。
色々な種類のモノを組み合わせてみたり、使い方を色々とイメージしてはワクワク出来るのはほぼ日手帳の1番の楽しみかも知れません。
D.自分が見返すだけに絞ったポートフォリオ
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通常は「ポートフォリオ」は、人に見せる事を前提に作ります。ただ、それとは別に代表作・自信作ではないけどちょっと見返したい自分のデザインが、デザイナーにはあったりします。
勿論、作業中に本気で見返すモノなら元データを開くわけですが、さっと見返すためだけにプリントアウトしておいた自作デザインをほぼ日手帳にスクラップし残しておくと、落ち着いて自作を振り返る事もできて、良いかも知れません。
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例えば、初稿デザインが出来た日にちのページに、そのデザインをプリントしたものを貼り、決定稿が出来たら完成日の日付のページにまた貼って、初稿から決定稿までデザインがどう変わったのか?チェックするのも面白いかも知れません。
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実際にやってみると、その間何日くらいで最終デザインまで、勧められたのか?等、時間的な流れ、スケジュール的な課題はなかったか?などリアルな感覚も見る度に思い出せるので、作品クオリティだけでなく、早く仕事を進めるためにどうするか?等ディレクション的なスキルも上げることが出来ると思います。
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あるいはデザイン完成日に最終デザインを貼っておくだけでも1年でどれくらいの作品作ったのか?年初と最後の時期ではどれだけ自分が上手くなったか?全てチェック出来そうです。
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アナログメディア(手帳・本)の良さとして全体を見渡す一覧性は非常に優れている気がします。
デジタルメディアって一覧する時は結構見にくく、検索機能がいくら発達しても「どこにあったっけ?」となる事は多いので、全体の中でそのデザインがどう見えるか?等見比べる事にもイマイチ向いていません。そ
その点、色々なバリエーションあり、カバーによって強引にでも一冊の本としてまとめられる「ほぼ日手帳はデジタル時代のデザイナーに使いやすいアナログメディア」と言えます。
さて、さらっと頭に浮かんだアイディアを書き出してみるだけで、こんなに色々な使い方が出来そうです。
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そしてこれら色々な使い方で何かを書き留めたり貼ったりしてもほぼ日手帳一冊のカバーの中に出来るだけまとめるようにし、この一冊開けば、デザイナーとしての様々な課題点が整理されて明日を生きていくのが楽しくなれば良いと思います。
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ここ迄書いてみてやはり「ほぼ日手帳はストライクゾーンがやけに広いな…「どう投げたら良いか迷ってるなら何処でもストライクだから投げてみなよ!」と言ってくれてるような大らかさを感じます。
コチラで使いやすいようにどんなアレンジをしても許されるどころか「その使い方面白いね」と面白がってくれる気さえします。
なので皆さんも色々試して自分のスタイルを決めたり決めなかったりしながら使ってみる事をお勧めします。
それでは、長くなりすいません。
最後まで読んで頂きまして有難うございました。
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image by: Sleepy Mandy / Shutterstock.com