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なぜ、私たちは「自分にとっての当たり前」が全員同じだと思い込むのか

自分は当たり前にやっているけれど、不慣れな人はその解決策を思いつきもしない。そんな悩みってありますよね。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、接客でも活きるポイントについて語っています。

困るけどすぐに解決できること

メンズファッションで、この数年はタックインをして服を着ることがかなり増えました。

レディースも同様ではありますが、メンズの場合は特に増えたなという印象がありますよね。

タックインというのは、パンツ(ボトムス)の中にトップスを入れる着方のことです。

ドレスシャツがまさにそうですが、今はカジュアルな格好をする時でもTシャツをパンツの中に入れて着る人はかなり多くなっています。

このタックインについて(何で見たか忘れましたが)こういう質問を見かけたことがあります。

「タックインをして着たいけれど、ベルトでパンツを絞って履いていると座った時や食事の時にきつい。どうすれば良いのか?」

というような質問です。

正確な内容は忘れたものの、おおよそこんな感じだったと思います。

それに対しての答えとして、

「座る時や食事の時はベルトを緩める」

という回答がありました。

多分多くの読者の方が、「ベルトを緩めればいいじゃん」と思ったことでしょう。

そりゃそうです。

ベルトがきついのですから、緩めるだけで解決する話。

でも、この話がものすごく重要なポイントになっているなと感じた人もきっといるはずです。

タックインする時だけではなく、今はハイウエストのパンツやウエストが緩めのパンツをベルトで絞って履くという履き方はスタンダートになっています。

古着などでもジャストサイズでなく、大きめのサイズをあえて絞って履くわけです。

そういうトレンドがまだ残っていることもあり、普段からよくやっている人も多いでしょう。

そうした着こなしに慣れていたり、ある程度ファッションリテラシーが高い人は「ベルトを緩める」という行動はごくごく自然な行動になっています。

でも、わかっている人からするとこんなにシンプルな解決法でも、そもそも発想に無い人は一定数いるということなのです。

・ベルトがきつい→緩めればいい

ではなく、

・ベルトがきつい→履けない

になるということですね。

実際僕自身も店頭で接客を受けていて、「ベルトで絞れば良い」という提案をされることはめちゃくちゃあります。

でも一方で、「きつい時はベルトを緩めて…」と教えてもらったことはただの一度もありません。

要はお客様が困る瞬間についての言及はなされていないのです。

意外とこういうところにお客様の満足度が左右されるポイントがあり、提案の段階で一言でもカバーできているかどうかで差が生まれるという話なのだと思います。

販売員ってこういう部分に関して、『自分の中で当たり前になっている』からこそ言及しないことは多いです。

そういうものを探して、一言だけでもお客様に伝えてみるということはやっていけると良いかもですね。

今日の質問&トレーニングです。

1)自店の商品やサービスを利用する際、”ほんのちょっと困るけどすぐに解決できること”にはどんなことがありますか?

2)その困るけど解決できることを提案や説明の段階でカバーするとしたら、お客様にどんな風に伝えていきますか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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