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なぜ、できるリーダーは開始前に「さあ始めよう」と手を叩くのか?

ビジネスリーダーになると、人前で話す機会は増えますよね。しかしなかなかうまくいかなかったり、緊張してしまったり…そんな経験はないでしょうか?今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』著者・土井英司さんが紹介するのは、スピーチ指導の第一人者が教える、ビジネスリーダー向けのスピーチ実践ノウハウです。

【人前で話す人は必読。】⇒『世界のトップリーダーが話す1分前までに行っていること』

世界のトップリーダーが話す1分前までに行っていること

矢野香・著 PHP研究所

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、人前で話す人のためのスピーチ実践ノウハウ。

著者は、NHKでのキャスター歴17年、現在はスピーチコンサルタント、長崎大学准教授として活躍中の矢野香さんです。

大手上場企業役員の株主総会や記者会見、政治家の演説、著者のメディア出演などを助けてきた、スピーチ指導の第一人者です。

指導しているクライアントの一人は、TEDプレゼンへの登壇を果たし、人気テレビ番組「カンブリア宮殿」に出演したそうです。

本書は『世界のトップリーダーが話す1分前までに行っていること』というタイトルですが、実際にトップリーダーのプレゼン術を、プロである著者が解説し、使える技術をピックアップしています。

登場するトップリーダーは、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏、安倍晋三元首相、キング牧師、ハーバード大学の社会心理学者エイミー・カディ氏、ソフトバンク創業者の孫正義氏、トヨタ自動車の豊田章男氏など。

細かなテクニックもそうですが、何より大事な、リーダーとしての「ありたい姿」を実現し、聴衆に印象づける方法が書かれています。

トップリーダーには通常、スピーチライターやスピーチコンサルタントが付いているものですが、なかなか裏方である彼らから直接話を聞く機会はないと思います。

本書で書かれているノウハウは、まさに彼らプロフェッショナルが、トップリーダーに教えている内容。

ぜひ盗んで、リーダーとしての印象形成、日々のスピーチに生かしたいものです。

「自分はまだリーダーじゃないし」と言っている人も、今からやっておくことでオーラが出て、リーダーに抜擢されることは、きっとあるはず。

メディア出演もそうですが、いざ本番になってから練習しても遅いわけですから、ぜひ今から勉強しておきましょう。(ちなみに本書によると、トップリーダーは半年前から準備をするそうです)

本書の冒頭に、「本番までのカウントダウンToDoリスト」があるのですが、時系列でやるべきことをまとめたこの表を見れば、スピーチで成功するためにやるべきことが一目瞭然です。

この表だけでも、買う価値があると思います。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

第99代内閣総理大臣の菅氏の原稿を見ると、原稿のセリフ以外に、「拍手」「水を飲む」という言葉も記されています

人前で話すことが決まったら最初に考える「3つの問い」

(1)目的は何か

(2)メインメッセージは何か

(3)あなたは誰か

日本語は「13文字」で一息に話す

名詞のみの組み合わせのほうが記憶に残る

文字数3~6と少ない名詞のみのキーワードが記憶に残る

なりたいリーダー像を「セルフ・パペット」に設定する

「緊張しないように」と過度に思わなくても大丈夫。「緊張したら○○をする」と対応策を決めておきさえすればいい

会議やプレゼンで資料を配布する場合は、あえて重めのバインダーに挟んでおきます

うまくいっていないことを報告しなければならないときも柔らかい椅子に座らせましょう

話し手自らが起こしてしまう視覚ノイズは、身に付けているものが原因です。例えば、ブランドロゴが大きく入った衣装や高級ブランドの腕時計。ブランドのロゴのほうが目立ってしまうと、話し手の言葉よりもロゴのほうが印象に残ってしまいます

リーダーとしてふさわしい第一印象にするにはどうしたらよいでしょうか?答えは「重厚感」です。落ち着きのある堂々とした印象、軽すぎない信頼できる印象という「重厚感」を、言語スキルと非言語スキルの両方を使って第一印象として伝えるのです

重厚感の法則

1.歩き方 背筋を伸ばしゆっくりと

2.靴音 カツカツと靴音を響かせ自信をアピール

3.歩き回る あえて会場後方のドアから入る

4.疑問を持って人前に出る

5.高く、大きく見せる

6.「沈黙」を作る

7.アタック音を立てる

テレビやラジオの放送番組で、出だしの勢いをつけるための効果音を「アタック音」と呼びます(中略)同じ効果がある音を、話し始めに取り入れます。例えば、「さあ、始めましょう」といいながら手を叩く

トップリーダーがやっている5つの変化

1.話す速さを変える

2.声を変える

3.表情を変える

4.目線を変える

5.ジェスチャーを変える

モテたい人や人と仲良くしたい人のためのコミュニケーション本ではなく、極めて硬派な、ビジネスリーダー向けのスピーチ実践ノウハウです。

人を魅了する技術はもちろん、緊張して本番中、しくじった時のリカバリー方法なども書かれており、人前で話す人は重宝すると思います。

ビジネスパーソンはいつかリーダーになった時のため、著者はメディアに出る前に、読んでおくといいと思います。

ぜひ読んでみてください。

image by: Shutterstock.com

土井英司この著者の記事一覧

Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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