8月19日のNHKラジオの国際放送などで、ニュースを伝えていた中国人スタッフが「尖閣は中国の領土」と発言した問題。海外メディアでも大きく報じられていますが、件の中国人スタッフは不適切どころか日本の名誉を貶める発言も行っていたようです。今回、台湾出身の評論家・黄文雄さんが主宰するメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、該当放送を偶然聴いていたメルマガ配信スタッフの知り合いの証言を掲載。その上で、公共放送がジャックされる危うさについて考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【日本】中国人スタッフによるNHK放送ジャック、「尖閣」以外にもあった危険な発言
「尖閣は中国の領土」発言だけでない。日本メディアが伝えぬ中国人スタッフ「NHK放送ジャック」危険な発言
● NHK国際放送で「尖閣諸島は中国の領土」 中国人外部スタッフが不適切発言、NHK抗議
NHKは、毎日午後1時過ぎからラジオ第2放送や短波ラジオの国際放送などで、中国語によるニュースを放送していますが、同局は8月19日、靖国神社に中国語で落書きがあったことを伝えるニュースを読み上げていた中国人男性のスタッフが、突然、「尖閣諸島は中国の伝統的な領土だ」と述べるなど、原稿にない「不適切な発言」を約20秒にわたって行ったと発表しました。
産経新聞の報道では、NHKは尖閣諸島以外の発言内容を明らかにしていないそうですが、たまたま当時の放送を聞いていた、本メルマガスタッフの知り合いの話によれば、さらに英語で「南京大虐殺、強制された慰安婦・性奴隷、731部隊を忘れるな」などとも述べていたそうです(「Remember Nanjin massacre,Remember forced comfort women,sex slave,Remember Unit731」などと言っていたとのこと)。
もともとの中国語ニュースの内容は、NHK WORLDのホームページにも掲載されています。以下のリンクに中国人男性が読み上げていた本来の原稿文章がありますが、途中から逸脱して、尖閣や上記の英語での内容を言いだしたとのことです。なお、現在はこのページの下部に、次のような「お詫び文」が書かれています。
在8月19日下午1時1分開始播送的華語新聞广播中,一名負責新聞翻訳及播音的中国籍工作人員,在播音時,発表了新聞稿件中没有的有関沖縄県尖閣諸島等的不当言論。我們対此深表歉意。
(8月19日午後1時1分に開始した中国語ニュースの放送中、ニュースの翻訳・アナウンスを担当していた中国国籍のスタッフが、放送中、ニュース原稿にない沖縄県尖閣諸島などについて不適切な発言がありました。私たちはこれについて深くお詫びいたします。
尖閣諸島に対する問題発言のみならず、日本の名誉を貶める発言も行われていたということが事実であれば、「不適切発言」どころではないでしょう。また、突発的に出た不規則発言ではなく、あらかじめ用意されていた発言である可能性も高くなります。NHKは、より詳細な発言内容を明らかにすべきでしょう。
この発言を行った中国人は、NHKの関連団体が業務委託契約を結んでいる40代男性で2002年から日本語のニュースを中国語で伝える業務に携わっていたといいます。
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「個人の暴走ではなく背後に組織的な指示」との見方も
すでに多くの識者が指摘していますが、公共放送がジャックされるということはあってはならないことであり、もしもこれが有事の際に起こり、デマが放送によって拡散されたならば、大パニックになるはずです。
しかも、中国には「国防動員法」と「国家情報法」という非常に危険な法律があります。前者は、有事に中国人を軍事動員するもので、後者は有事や平時にかかわらず、中国人に中国政府の情報工作活動への協力を義務付けるものです。そして、これらの法律は、海外の中国人にも適用されるのです。
そのため、台湾や尖閣有事などの際に、放送局をジャックして日本在住の中国人に蜂起や日本政府の妨害工作を号令する、という事態すら考えられるわけです。
今回、南京大虐殺や慰安婦、731部隊を持ち出して、日本への批判と憎悪を煽るような発言をしたというのが事実ならば、そのための予行演習だとも考えられます。
静岡大学の楊海英教授も、今回の中国人スタッフの発言は、「個人の暴走ではなく、背後に組織的な指示があっての行為とみるべきだ」「国防動員法が発動された場合、在日中国人の動き方が分かる実例になる」とも述べています。
● 「尖閣は中国領土」NHK国際放送 識者「浸透工作有無、国会追及を」「トップの責任は」
NHKは関連団体を通じて中国人男性に厳重に抗議し、関連団体は男性との契約を解除する方針だといいます。しかし、それで済ませていいはずはなく、国会で取り上げるのはもちろん、この中国人男性の背景をさらに調査すべきでしょう。
NHKのホームページによると、NHKの国際放送には、受信料以外に国から、ラジオ国際放送に9.6億円、テレビ国際放送には26.3億円、合計35.9億円の交付金が拠出されているとのこと(2023年度)。
NHKは国際放送に国から交付金が出ている理由について、「時事問題や国の重要な政策、国際問題に関する政府の見解、日本の文化などについて正しく外国に伝えることや、海外に住む日本人や日本人旅行者に大規模な事件・事故・災害に関して迅速に伝える役割があり、これらは国益にもなるものです」としています。
国益のために、受信料に加えて国民の税金を投入しているというのです。であるならば、今回の放送で拡散された「誤った事実」について、きちんと再放送で繰り返し訂正すべきでしょう。「不適切な発言があった」とアナウンスするだけでは、失われた国益が回復されるはずもありません。
放送法では、「総務大臣がNHKに対して、放送事項や放送区域などを指定して国際放送を行うよう要請できる」と定められていますから、これは政治の責任でもあります。
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放送局以外にも中国人スパイが入り込んでいる可能性が
このニュースはすでにイギリスなど諸外国でも報じられており、イギリスのガーディアン紙などは、慰安婦について「数万人の少女や女性――ほとんどが韓国人で、中国人や東南アジア人、少しの日本人やヨーロッパ人――が日本軍が経営する売春宿で強制的に働かされた」などと事実に反したかたちで引き合いに出して論じています。
● Japan broadcaster apologises after disputed Senkaku Islands called ‘Chinese territory’ on air
台湾の「自由時報」は、国民民主党の玉木雄一郎代表が、NHKに対して実態調査と、過去に同様の事態がなかったかの調査、そして国会と国民に対する報告書の提出を要求したことが報じています。
他の政党も、もっと声を上げるべきですし、岸田首相はもとより自民党から同様の声が出ないのであれば、政権政党として危機感があまりにもなさすぎです。間もなく自民党総裁選挙ですが、これは国の安全保障の問題でもあるはずです。候補者の態度も注目すべきでしょう。
数年前から、オーストラリアでは中国スパイによる政治への浸透工作が大きな問題になっていました。最近ではフィリピンの市長が中国人スパイ疑惑が持ち上がっていました。
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他国でこのような状況であるのに、日本で何もないはずがありません。今回のことは氷山の一角であり、放送局はもちろん、その他の公的機関にも中国人スパイが入り込んでいる可能性は、非常に高いといえるでしょう。
国際的にも台湾有事が近づきつつあるという認識が強まりつつあるなか、日本の平和ボケは、外国人に自国の放送局を乗っ取られ、日本人の受信料と税金を使って、内外に日本を貶めるプロパガンダを拡散されるという事態にまで達してしまいました。
日本の甘さと危うさが露呈した事件であり、NHKのみならず、日本全体で真剣にこの深刻さを考えるべき事案でしょう。
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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2024年8月21日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。
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