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迫りくる南海トラフ地震と首都直下地震、そして富士山大噴火。地震予測のプロが警告する「3つ連動の可能性」

先の日向灘での大地震では、史上初となる「南海トラフ地震臨時情報」が出されるなど、かねてから危惧されていた巨大地震の発生が現実味を帯び始めている昨今。さらについ先日には、広範囲・長時間の降灰を予測する「広域降灰予報」を、気象庁が数年内に導入する方針を固めたと報じられるなど、富士山の大規模噴火にも警戒が強まっている。そんな状況のなか、これらの大地震や富士山噴火が短期間に連動して起きることも想定すべしと警鐘を鳴らすのが、地震予測メルマガ『週刊MEGA地震予測』を10年以上にわたり発行している地震科学探査機構JESEAジェシア)。日々刻々と日本各地において現れているという異変を示すデータをもとに、その可能性に迫った。

日向灘M7.1地震、『MEGA地震予測』が捉えていた複数の前兆

先日8月8日の夕方に発生した、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の大地震。

最大震度6弱の宮崎県をはじめ九州地方などの各地で大きな揺れを観測し、津波注意報も各地で発表されたこの地震は、幸いなことに大きな人的被害などは出なかったものの、気象庁は新たな大規模地震発生の可能性が相対的に高まったとして、「南海トラフ地震臨時情報」を発表。巨大地震の襲来もいよいよ間近かと、列島に緊張が走ることとなった。

そんななか、2013年2月に第一号が配信されて以来、10年以上の長きにわたり日本各地で起こるとされる地震の予測情報を、毎週欠かさず発信し続けているのが、地震科学探査機構JESEA)が発行するメルマガ『週刊MEGA地震予測』。

実は今回起きた日向灘での地震を、事前に配信していたメルマガにおいて予測していたのだ。

「日本列島は近年、全国的に地盤が沈んでいる傾向ですが、日向灘で地震が起きた直前には“週間高さ変動”において大きな沈降を示す地点が、九州地方に集中していたのです」(株式会社地震科学探査機構 代表取締役/CEO 橘田寿宏さん・以下同)

日本全国に約1300箇所ある電子基準点から寄せられる地表の位置変化のデータを、総合的に分析し地震予測を行っている『週刊MEGA地震予測』。地表は上下左右に動くため、水平移動にくわえて高低差の変化も現れるわけだが、今回のケースでは、わずか1週間の間で高低差4㎝以上といった大きな“沈降”が現れる地点が、宮崎県をはじめとした九州南部エリアで続出したとのこと。

日向灘の大地震発生の前日である8月7日のメルマガ『週刊MEGA地震予測』に掲載された九州地方の隆起沈降図。全体が真っ青(沈降)になっていることがわかる

長年の分析による経験則から、地盤の沈降と大地震の発生には相関関係があることを身をもって知っているだけに、この変化を大地震発生の前兆だとして、メルマガを通じて広く注意・警戒を呼びかけることに躊躇はなかったというのだ。

いっぽうで今回の日向灘での地震においては、上記のような地殻変動以外にも前兆とみられる異変が数々起きていたという。

「地震発生時の前兆現象のひとつとして、白金抵抗体の電気抵抗を利用して気温を測定する電気式温度計数値が、地震前に発生する異常な電磁波の影響なのか、疑似的に変動する現象が起こることがあるのですが、今回の地震発生前にも九州地方においてそういった異常が。またそれとは別に、衛星データの解析によって、九州の複数箇所で火山性ガスが出ていることも、事前に捉えていました」

近年のJESEAでは、先述のような電子基準点から得られる地殻変動のデータだけではなく、インフラサウンド太陽活動の異変、さらに地震の前に現われる異常な衛星データの解析などといった、約10種類の地震予測方法組み合わせることで、より精度の高い地震予測が実現

同社ではこれを「ピンポイント予測」と名付け、メルマガ『週刊MEGA地震予測』にて実用化しているのだが、今回日向灘で起きた地震の予測的中は、まさにそういった複数の予測手段を活用することによって、もたらされたものと言えるのだ。

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過去に多く起きている南海トラフ地震と首都直下地震の連動

8月8日に発生した地震の震源となった日向灘といえば、南海トラフ地震における想定震源域の、もっとも西の端に位置するエリア。

「東海地震・東南海地震・南海地震を総称した呼び名である南海トラフ地震ですが、東南海地震に関しては1944年に「昭和東南海地震」が、また南海地震は1946年の「昭和南海地震」が直近では起きており、いずれもそれから約80年が経過。さらに東海地震は1854年の「安政東海地震」から170年が経っているなど、南海トラフには相当なストレスが蓄積していると考えられます。今回の日向灘での地震が、それらのストレスに刺激を与えた可能性は高いでしょう」

いっぽうで、日向灘の地震が起きた翌日の8月9日には、神奈川県西部などで最大震度5弱の揺れが観測される地震が発生。この地震の震源だが、1923年に発生した「関東大震災の震源にほど近く、今後起こるであろう首都直下地震の想定震源の一つとされているエリアだ。

首都直下地震のほうは、前回が「関東大震災」で、その前が1703年の「元禄地震」ということで、およそ200年から300年に一度のペースでM8クラスの地震があるのですが、その合間にM7やM6クラスの地震はちょくちょく起きている。「関東大震災」からはすでに100年経過してますし、それだけにM7クラスの地震はいつ起きてもおかしくない状況にまでストレスをため込んでいると思われます」

このように、日本列島を襲う大地震としてかねてから懸念されている南海トラフ地震や首都直下地震は、周期的にみてもいつ起きてもおかしくない時期をいずれも迎えているわけだが、JESEAではこれらの地震が連動して発生する可能性も無きにしもあらずだと考えているようだ。

「過去の事例を紐解くと、869年に東北地方の太平洋岸で「貞観地震」が起きたのを皮切りに、その9年後の878年には首都直下地震である「相模・武蔵地震」が発生し、さらにその9年後の887年には南海トラフ地震の「仁和地震」が立て続けに起きたことがあります。

また時は移り、1854年に「安政東海地震」と「安政南海地震」が起こった際には、その翌年に首都直下地震の「安政江戸地震」が発生。そして1703年の首都直下地震「元禄地震」の4年後には、南海トラフ地震の「宝永地震」が発生と、南海トラフ地震と首都直下地震というのは昔から連動することが多いんです」

さらに過去の事例ということでいえば、これらの巨大地震に富士山の大噴火が連動してしまうといった、ある意味で最悪の展開となるケースもかなり多いという。

「先ほどの「貞観地震」の時には、その2年前に富士山の大噴火が発生しています。また「元禄地震」の際には噴火こそなかったものの、その35日後に鳴動を起こしていますし、その後の「宝永地震」の際には、49日後に宝永の大噴火」が起きているんです」

さらに直近だと「東日本大震災」の際にも、直後に富士山の周辺で震度6強の地震が発生しており、大地震と富士山の活動に何らかの関連性があることは、もはや疑いようがないといったところのようなのだ。

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大地震と富士山の噴火がセットで起きる可能性を想定した備えを

実際、富士山周辺における具体的な異変ということでいえば、このところ富士山エリアにある電子基準点において、その方向がてんでバラバラな水平変動が現れるといった現象が起きているとのこと。

こういった現象は、火山のマグマだまりが浅いところにある伊豆大島や三宅島、さらに桜島周辺などでは、普段からよく見られるというのだが、橘田さんによれば富士山周辺において、これだけ多くのバラバラな水平変動が現れたというのは、かれこれ10年以上地殻変動のデータを分析しているなかでも稀なことだという。

メルマガ『週刊MEGA地震予測』2024年8月21日号より、東海地方のピンポイント予測。伊豆半島や太平洋岸、富士山周辺および紀伊半島に方向がバラバラな水平変動が現れており不安定だと報告していた

さらに、大地震の前触れとされる地表の沈降が、このところは日本全国に広がっている状況なのだが、今年8月に入ってからは、静岡県の伊豆半島や太平洋伊沿岸、また富士山周辺において、前週比で1㎝以上沈降する地点が集中して現れるなど、その異常ぶりが特に顕著だということ。

先の日向灘地震の前にも、同じような現象が九州地方で現れていたということだが、静岡エリアでの異変となれば南海トラフや相模トラフはもとより、やはり富士山の活動にも影響を及ぼす可能性が大ということで、非常に気になるところだといえそうなのだ。

そんな富士山だが、過去の噴火に一定した周期性は認められないものの、前回の大噴火である「宝永の大噴火」からはすでに300年以上が経過しており、かなりの量のマグマが蓄積されていると考えられる状況。

仮に富士山が噴火し、大量の火山灰が首都圏に降り注ぐ事態となれば、火山灰はガラスの粉ですから喉や肺をやられる人が続出するでしょうし、火山灰が地表に積もれば農作物への被害も甚大なことに。また鉄道や道路などの交通網にも影響が出て、それらが数週間、あるいは数か月麻痺するようなこととなれば、日本経済が立ち行かなくなることも考えられるなど、大地震やそれに伴う津波などよりもさらに大きな実害が出る可能性があります。

それだけに皆さんには、南海トラフや首都直下地震といった大地震だけを警戒するのではなくて、それにくわえて富士山の噴火もセットで起こるかもしれないといった、いわゆる最悪のケースも想定したうえで、日頃の備えを行って欲しいと訴えたいですね」

文・取材/芳村篤志

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JESEA地震科学探査機構は2013年1月17日に設立した地震予測を行う民間会社。 村井俊治東京大学名誉教授と世界最高の研究機関と称される中国科学院出身の郭広猛博士がリモートセンシング技術を使って地殻変動、電磁波、インフラサウンド、地磁気、噴出ガスなどを捉え、5件の特許技術によって短期予測と中期予測を行なっています。 短期予測は「ピンポイント予測」として約1か月以内の予測、中期予測は地殻変動から3か月~6か月先の予測を行ないます。ピンポイント予測の的中率は*71.4%です。 *2022年に発出したピンポイント予測の的中率

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image by: ETOPO1, Global Relief Model / public domain

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東日本大震災以降、地震予知・予測の必要性が問われています。JESEAジェシア(地震科学探査機構)は、測量工学的アプローチで地震の前兆現象を捉え地震を予測します。東京大学名誉教授の村井俊治先生の研究技術により、国土地理院が設置した全国1300か所の電子基準点のデータを解析し、過去の地震の震源、震度、マグニチュード、被害の程度などとの相関分析を行い、地震の前兆現象を捉え地震予測を提供しています。

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