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身体疾患があると「自死のリスクは高まっていく」という研究結果

身体疾患のある場合、自死のリスクは高まるのか。それを調べた研究を、今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』で紹介しています。

身体疾患と自死のリスク

◎要約:『多くの身体疾患の負担の大きさが自死のリスクを高める可能性がある』

今回は、大きな規模で身体疾患と自死のリスクについて調べた研究をご紹介します。

医学的問題に関する自死のリスクと精神疾患の既往の影響

Risk of Suicide Across Medical Conditions and the Role of Prior Mental Disorder

デンマークにおける研究で、6,635,857人(3,337,613人が女性)が対象となりました。

身体疾患と自死のリスクの関連や、精神疾患の影響について調べています。

結果として、以下の内容が示されました。

・内分泌疾患を除いて、ほとんどの領域の身体疾患が自死のリスク増加と関連していました(例:消化器系疾患1.7倍、がん1.5倍、血液疾患1.5倍)。

・身体疾患と精神疾患の相互作用は、自死のリスクに影響を与えていませんでした。

・精神疾患のない場合には、身体疾患の負担と自死のリスクの間には量に依存した関係(身体疾患による負担が大きいほど自死のリスクが高まるという関係)が認められました。

精神疾患とは独立した要因として、身体疾患と自死のリスク(特に消化器疾患など)について注目すべき結果となっていました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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