家電やスマホで有名な中国のシャオミが販売開始したEV車「SU7」。発売直後からの人気はいまだに続き、4か月連続で月販1万台を超えています。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は、シャオミの生産能力を懸念しながらも、これからの自動車業界をどう動かすかを語っています。
シャオミ、「SU7」の10月の月販は2万台到達?生産能力も拡張
小米(シャオミ)ファウンダーの雷軍董事長は2024年10月7日、公式Weiboで、1週間ほどの国慶節大型連休期間の初弾「SU7」の予約件数が6000件を超えたと発表した。
それによれば、今まで月販1万台を超えるあたりで推移していたものを、10月には生産2万台、販売2万台を目標にする、とした。
引き続き「SU7」の人気は続いており、懸案だった生産能力の拡張に関しても動きがあった。
最長納期は25年2月
シャオミが公式に発表した2024年9月の販売台数でも1万台を超えており、これで4ヶ月連続で月販1万台越えを達成している。
また、雷董事長は2024年10月1日、2024年9月後半の2週間、毎週4000台以上の予約が続いており、納期は最も遅くて2025年2月までになっている、とした。
数ヶ月の納期は日本では全く珍しくないが、中国では異例であり、遅すぎて予約を解除するケースも多い。
完全な生産能力不足
そのリスクを背負いたくないから中国勢は生産能力を多めに設定する傾向があり、それが往々にして余剰生産力になってしまう。
しかしシャオミに関しては、完全に生産能力不足であり、北京の第一工場だけではもはややり繰りできない状態。
第一工場でも引き続き生産の最適化を行い、生産能力のより一層の向上を目指しているが、第二工場の動きもある。
第二工場が年内完工
シャオミは2024年7月、8.42億元(約177億円)を投じて、新たに北京市亦庄の土地使用権を購入していたが、その工場の整備が進んでおり、2024年末にも完工する見込み。
半年で工場が完成する、というのも、日本ではあまり考えられないが、中国スピード、特にシャオミのようなテックであると常識なのかもしれない。
もしこの第二工場が操業を開始すれば、シャオミの年間生産能力は30万台に達する。
この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ
年間販売30万台クラスに?
2025年以降、この生産能力がフル稼働して、年間販売30万台規模になるとすると、中国新興メーカー理想(Lixiang)が急成長して2023年に実現した37万台が見えてくる。
Lixiangは現在、中国自動車業界で大きな影響力を有しているOEMになっており、シャオミもそれに近づくことになる。
2025年にはSUVと想定される第二弾の発表も予定されており、本当の意味でシャオミが自動車会社になってきた感がある。
まだまだ少ないリアル店舗
シャオミは2024年9月、リアル店舗を新たに17店舗オープンさせ、これで中国全土38都市、128店舗を展開していることになった。
10月にはさらに11店舗開店予定で、その他にも直営及びフランチャイズのサービスセンター17店舗もオープンさせる。
この規模は中国新興の中でもまだまだ少ないが、逆に言えば、これだけの店舗数で月販1万台以上を維持できる余力を示した形。
シャオミは2024年販売目標を10万台から12万台に引き上げており、当初目標の10万台は11月にも達成する見込みだという。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202410/8I70406905C501.shtml
この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ
※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。
image by: Andrea Aimar / Shutterstock.com