もともとは繁盛店だった店が落ち込みだしてしまった。それを回復させるために何ができるのか?外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは、今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』のなかで、支援先の店舗で生じた事案を紹介し、回復までにやったことをまとめています。
繁盛店で居続ける難しさ。坪45万円の人気店が不振→回復の為に行った事
繁盛店で居続ける。こんな大変な事はないですよね。
今日はご支援先の店舗で生じた事案から、
- なぜ落ち込み出したのか?
- 意味のなかった対策
- V字回復のために何をやっているのか
この辺りをまとめてみたので、同じようなケースが生じたときに参考になれば幸いです。
■元々の事業規模
坪数:20坪
売上:月商900万円
単価:4,500円
これを平日と週末で見ると下記です。
平日日販:22万円
週末日販:40万円
平日
22万円=4,500円×約49名(1.5回転程度)
週末
22万円=4,500円×約89名(3回転程度)
平日はそこそこでして、週末にしっかりと売り切れる! ここが大きなポイントでした。
■元々の主要コスト
原価率 :32.6%
人件費率:24.6%
家賃比率:3.3%
家賃比率が低いのは本当に大きいですよね。FLは57.2%とぼちぼちではありますが、FLRで見ると60.5%に。
ここが収益性の高さとして挙げられます。
■少し気になっていた事
売上は基本的にずっと伸びていました。ただ気になっていたのが、
- 伸びの中心は新規様
- リピーター様は徐々に減少
こんな感じでした。新規様が伸びていた要因は、主に食べログとGoogle。
食べログもエリア1位だった事もあり、アクセス数が激増していました。
Googleは評点自体はそこそこなのですが、アクセス対策の施策もやっていた事で、こちらもアクセス数が激増。
つまり、新規様来店=アクセス数×来店率
上記で考えたときにアクセス数が伸びた事で、新規様が増えていた訳です。
ここからまた新しいリピーター様が増えれば、今はリピーター様売上が微減だが、なんとかなるかな?と思っていた。
これが意思決定の失敗でした。
■売上がガクンと落ちたキッカケ
売上が伸びたのが食べログとGoogleのアクセス数の増加であった。
そして売上が落ちたのが食べログのアクセス数の減少であった。
悲しいかなこんな感じです。理由は評点ダウンによって、「20,000アクセス」が減りました。
来店率が1.5%なら、200組=20,000×1%
組単価は11,250円。2,250,000円=11,250円×200組
食べログだけで200万円くらいの影響。そう考えるとめちゃくちゃ大きいですよね。
色んな媒体は便利ではありますが、そこの比率が高いとリスクでもある。それを強く感じる影響です。
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■意味のなかった対策
新規様:大きく伸びていたのが急ブレーキ
リピーター様:微減を続けていた
このような状況になった中で、主要対策になったのが新規様。
ただこれが意味がなかったです。
何故なら、
「新規様が大きく伸びているのにリピーター様が微減しているのは、そもそもの基礎力が下がっているから」
だったからです。
週末3回転する店だったので、リピーター様が微減だったのは「満席で入れていないから」という判断でした。
ただこれが間違っていました。
一部正解ではありましたが、「それでも行きたい!」という店になっていない。
多くの新規様も
- 一回行ったらもういいや
- 来店前の期待値より微妙だった
このような状況になっていた。
これに尽きた訳なので、新規様対策で若干売上が改善したとしても、抜本的な解決にはならなかった訳です。
■お客様の声を聞く
ここからGoogleフォームや対話を通じ、お客様の声を徹底ヒアリング。
わかったことはその店の体験が「無味無臭」になっていたという事です。
元々のこちらの強みはこんな感じでした。
―
圧倒的な接客力によって、美味しいだけでなく元気になれる!
来店時よりも退店時に凄く活力に満ちて、その店に行くこと自体が楽しい!
―
しかし。
どんどん忙しくなった事でオペレーションありきの業務に。
そして店内でもオペレーションをうまく回せる人が賞賛され、手間暇かける人が評価されない形に。
もちろんオペレーションありきで接客なんて皆無ながら繁盛しているお店はいくらでもあります。
ただこちらの場合「元々の強さ」が決してそこではない訳です。
やはり「元々の強さ」が無くなった地点でお客様が離れていってしまう。
残酷ながら真実だなというところです。
■そこからの改善は壮絶!
そうなると改善方法はーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年10月14日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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