あなたの会社の接待交際費は、バランスがとれていますか? メルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』著者の吉田さんは、接待交際費が高いか、安いかのバランスについて、とある企業の例を挙げて説明しています。
接待交際費は「バランス」が大事
その会社が1年間に使う接待交際費が高いか低いかは、「バランス」次第です。当たり前ですね。
年間2000万円の接待交際費を使っている会社であっても、年商30億、営業利益2億を叩き出している会社であれば少ないと言えますし、年商1億にも満たない会社が接待交際費を2000万円も使っていたら、これは明らかにおかしいですよね(そんな会社はないと思いますが……)。
では、バランスとは何と何のバランスなのでしょうか?
わかりやすいのは、売上高や利益とのバランスです。前述の年商30億円、営業利益2億の会社であれば、2000万円の交際費を使ってもたかだか年商の0.6%未満にすぎませんからまったく問題になりませんが、 これが年商3億円、赤字の会社だとしたら、2000万円も使ったら年商の6%を超えますので、明らかにアンバランスと言えるでしょう。
尚、売上高や利益との比較だけでは一概に評価できない、わかりにくい接待交際費もあるので、とりわけ専門家の方々は、一般論ばかりふりかざして「交際費が高い!」と断じるのは、ちょっと待ったほうがいいかもしれません。
一例をあげましょう。
住宅リフォーム会社A社は、近年めざましい業績をあげていますが、先代から事業承継する前(5年前)までは、何年も赤字続きで悲惨な状況でした。A社には営業マンがいません。先代は地域密着型で、地元の口コミだけで仕事を取っていました。しかし過疎化しつつある町でしたので、じわじわと売上が減少していました。事業承継した息子さんは、このままではいけないと思い、必死に考えました。
「営業マンを雇用しても、売上高が上がるとは限らない……」
「いちど雇用したら、その人がどんな無能でも、容易に解雇できないリスクがある……」
「うちは住宅リフォームしかできない。この道で拡大できないものか……」
などなど。
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考え抜いた結果、彼はこう決めました。
「リフォーム業に特化する!」
「客層も、地元だけでいい!」
「ただ、BtoCだけでなく、BtoBにも視野を広げたい!」
そのための手段として、彼は、2つの中小企業団体に加入しました。この手の団体に加入することは賛否両論あるかもしれませんが、彼は検討に検討を重ね、自分にとって価値ある団体を2つ見出し、そこに加入したのです。2団体あわせて、年会費は24万円ほどになります。
また、イベントや研修会、セミナー、賀詞交歓会など、毎週のようにお付き合いがあり、その額は、年間で360万円を超えました。月額平均30万円ということになります。
若い社長ひとりで月30万円の交際費を使うとあって、事務方の従業員やメインバンクなどから厳しい指摘もありました。ですが彼は、「僕がこの会社の営業マンなんだ」「僕が新たな販路を拡大する!」「この交際費は、そのための必要経費なんだ!」「営業マンを1人雇うだけの基本給や社会保険料などと較べたら、まだ安いほうだ」「現場は任せられる人物がいる。彼らを信頼している」という信念があり、それを実行しました。
2年後、A社の売上高は1.5倍に伸長しました。営業利益も、税引後当期純利益も大きく上昇しました。赤字体質からの完全脱却です。
要するに、A社は営業マンを雇う代わりにーーー(『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』2024年11月10日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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