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普段の食事で「がん予防」は可能なのか?糖尿病専門医が説く「糖質制限食」の意義とは

私たちが摂取している毎日の食事のメニューを工夫することで、がんを予防することはできるのでしょうか? 今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』で著者の糖尿病専門医の江部康二先生は、ある記事を参考に、食事での予防策と糖質制限食の意義について語っています。

食事でがんは予防できるのか?糖質制限食の意義

2021.01.06、時事メディカルのサイトに「食事でがんを予防できるか 特定の食品の過剰摂取で弊害も(国立がん研究センター社会と健康研究センター 津金昌一郎センター長)」という記事が掲載されました。

国立がん研究センター社会と健康研究センター

(1)野菜と果物が食道がんのリスクをほぼ確実に下げる

(2)食塩・塩蔵食品が胃がんのリスクをほぼ確実に上げる

(3)食道の粘膜を傷つける熱い飲食物が食道がんのリスクをほぼ確実に上げる

一般的な納得できる内容です。

ただ、近年の果物は、糖度が高く大きさも増していて、血糖値を上昇させやすいことと、果糖がAGEsをブドウ糖の数十倍生じやすいことを考慮すれば、私は摂取しないことを奨めます。

「加工肉や赤肉は大腸がんのリスクを上げる可能性が高いが、赤肉には鉄や亜鉛、ビタミンB12など必要な栄養素も多い。日本人は欧米人に比べて肉の摂取量が少ないため、「国際的な基準である週に500グラム(調理済み摂取量。生肉では1日約100グラム)を超えない範囲で積極的に取ることが望ましい」と津金センター長は話す」

加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)には、発色剤(亜硝酸塩)、リン酸塩などの添加物が使われていることが多いので、少量に止めるのが良いですが、一般的な日本人の摂取量なら問題ないです。

赤身肉も同様で、欧米人に比し日本人の摂取量はかなり少ないので、私も普通に食べて大丈夫と思います。

「津金センター長は「がん予防にこだわり、特定の食品を過剰に摂取したり避けたりすると、予防効果がないばかりか何かしらの弊害が生じることが多いのです」と指摘する」

これは、仰る通りで、いろんなものを満遍なく摂取するのが良いと思います。

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糖質制限食の意義

糖化ストレスや酸化ストレスの蓄積により慢性炎症を生じます。

慢性炎症とは、一過性に治まるはずの炎症反応が完全に治まり切らずに弱い状態でだらだらと長引き、炎症反応にブレーキをかける機能も十分に効かなくなってしまう状態ですが、症状が軽いため見つかりにくいのです。

そして、その慢性炎症の延長上にその延長上に老化やがんを始めとして、様々な生活習慣病(糖尿病、動脈硬化、高血圧、パーキンソン病、アルツハイマー病など)の発症があります。

糖質を摂取すると血糖値が上昇し、血糖値が高いほどAGEsがたくさん蓄積していき糖化ストレスとなっていきます。

すなわち、三大栄養素のうち、糖化ストレスを生じるのは糖質だけであり、脂質・タンパク質では生じません。

糖質制限食を実践すれば、糖化ストレスを大幅に減らすことができるので老化やがんや慢性炎症を予防することが可能となります。

また、『食後高血糖』『血糖変動幅増大』『インスリン過剰分泌』は活性酸素を発生させて、酸化ストレスの元となります。

糖質制限食なら、食後高血糖、血糖変動幅増大、インスリン過剰分泌を防ぐことが可能です。

このように、糖質制限食なら、糖化ストレスも酸化ストレスも最小限ですみますので、がん、老化、生活習慣病を予防できる可能性が高いのです。

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image by: Shutterstock.com

江部康二この著者の記事一覧

(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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【著者】 江部康二 【月額】 ¥660/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火・金曜日

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