「6つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」として知られる石川和男さんは、脳と脳を同時に使う仕事のやりかたを自分に禁じているそうです。石川さんは自身のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の中で、マルチタスクを禁じている理由と、推奨できるマルチタスクの方法を紹介しています。
あなたも気づかぬうちにやっている?「最悪な状態を引き起こすマルチタスク思考」!
企画書を作成しながら、部下の話を聞く。
電話応対をしながら、ファイリングをする。
仕事関連のYouTubeを聴きながら、メールを読み、書類をシュレッダーにかける。
仕事を一気にこなしたいと思って、無意識にやってしまっていませんか?
このような2つ以上の仕事を同時にするのは、基本的に避けるべきです。
人間はそもそもシングルタスクに適応しています。同時に複数の仕事をこなすと脳が疲れやすくなり、生産性は40%低下し、注意が散漫になり、ミスは50%増え、タスクを終える時間も50%増加するという研究結果もあります。
複数のことを同時にやるなら「脳を使うことと脳を使わないこと(身体のみ使うこと)を同時にするのがおすすめです。
脳と脳を同時に使うマルチタスクはダメですが、脳と身体は逆に記憶の定着につながるといわれています。
脳と脳を同時に使うマルチタスクは避けるべきです。
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
そして、それ以外にも避けるべき同時進行があります。それは、ネガティブ思考のまま仕事をすることです。
目の前の仕事をやりながら、「なんで、あんなこと言ってしまったんだろう」、「あのときのミスは防げたな」、「勇気を出して実行しておけばよかった」など、いつまでもネガティブなことを繰り返し考えていると「仕事→マイナス思考→仕事→マイナス思考→仕事」と脳が瞬時にスイッチを切り替え続け、これも一種のマルチタスクとなり、仕事に集中することができません。
ネガティブ思考が頭を占領してきたとき、どのように対処するといいのか。
それは、「行動しまくること」です。余裕があるから、ネガティブな気持ちが頭を支配するのです。
私のメンターのひとり、元吉本興業の伝説のマネージャーであり現在は講演家として活動されている大谷由里子先生は、「苦しいとき、悲しいとき、辛いときは、とにかく予定を詰め込んで、ぎゅ~ぎゅ~にして動き回るに限る」と言っています。
動き回っている間に、悩みも消し飛び、目の前のことだけに集中できるそうです。
もうひとりのメンターで「学びを結果に変えるアウトプット大全」(サンクチュアリ出版)などのベストセラー作家、樺沢紫苑先生はYouTube「精神科医 樺沢紫苑の樺チャンネル」にて、「すごく辛い時の過ごし方」というタイトルで、「まずあなたが、のんびりとソファで寝転がれる人なら大丈夫です。非常に健康です。自分の健康を喜んでください」といった前置きしてから、およそ以下のように対処法を伝えています。
「辛い状態の人は、ソファで寝転がってはいけません。何もしていないと、頭の中で不安を煽る部分の『偏桃体』が暴走して、嫌な考えが次々と浮かんできます。それは脳に危険を知らせる警報装置で、扁桃体が興奮している可能性があります。扁桃体が興奮すると不安が強くなり、さらに嫌なことを思い出す連鎖が起こってくるのです。では、扁桃体を鎮静化させるにはどうするか? 言い換えるとーーー(『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』2025年2月13日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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