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会社の方針でChatGPTを使え使えと言われます。ただ、営業でChatGPTをどう使ったらいいかイメージが湧きません

会社の方針でChatGPTを使えと言われているけれど、営業でどう使えばいいのかわからない。そんなお悩みが世界的なコンサルティング会社マッキンゼーに勤めていた赤羽雄二さんのもとに届きました。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』の中で、先陣を切れるChatGPTの使いこなし方について紹介しています。

元マッキンゼー社員が教える「ChatGPTを使いこなす5つの方法」

Question

ネットワーク系の法人営業を10年やっています。3社目です。部下が7人いて、関東地域を担当しています。会社がChatGPTの活用を重視していて、使え使えと言われています。ただ、かけ声だけはあっても実際どうやるべきかは全く指示がありません。どこからどう使えばいいでしょうか。ChatGPT Proも使えるので、Deep Researchとかはやってみようと思うのですが。

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。これは素晴らしい機会です。法人営業の担当で、ChatGPT Proが使えるなら、どんどんDeep Researchを実施して、重点顧客の分析、市場分析などを徹底的にやってください。

ものすごくできる部下に指示するように「この分野の市場・顧客・競合調査をして」という一言で数十ページのレポートを出してくれます。私なら、

・現在の主要顧客について

・ねらうべき顧客候補について

・顧客企業の置かれた市場環境について

・顧客企業が直面する経営課題、技術的課題、市場的課題について

どんどん調べてアプローチを洗練させていきます。顧客開拓時にも、素手で訪問していたものが、効果的な営業ツールを持って訪問できるようなもので、はるかに成果を出しやすくなります。

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上記に加えて、他にもいろいろな使い方があります。

1. ご自身の業務内容を10~15行で書いて、「生産性を上げられる領域とその理由を10個教えて」、その回答に「どうやったら生産性を2倍にできるかそれぞれ教えて」、その回答に「小さくてもいいからすぐできること、中くらいの効果があり次に実施すべきこと、少し準備してしっかりやるべきことに分けて説明して」と深掘りしていきます。人にこういう言い方をすると「甘えるな」「自分で考えろ」と言われるようなレベルで、べったり頼り切るのがポイントです。ChatGPTは全く嫌な顔をせず、すべて数秒で答えてくれます。自分で何かしないといけないと思う必要が全くないのが価値観の大転換です。

2. 作成したメール、資料などを読み込ませて「日本語を直して」「もっとわかりやすくして」「英語を完璧なビジネス英語にして」と言うと、瞬時に直してくれます。

3. 長いYouTubeでも簡単にサマリーを読めます。Chromeの拡張機能でYouTube Summary with ChatGPTを入れます。画面の下に星マークのようなものがありますので、それをクリックするとChatGPT画面に飛んでサマリーを出してくれます。

4. 部下マネジメントなどで悩むことがあると思います。「部下がこういうことを言って困るんだけど、相談してもいいですか」とそれだけ聞いてください。そうすると「どうしましたか。もう少し詳しく教えてください」と返してきますので、どんどんチャットを続けると、かなりできるカウンセラー以上の助言をしてくれます。他の人にも言えないことを全部話せますので、ずいぶん楽になります。

上記で毎日1時間は使うといいです。十分投資効果があります。

本当はそれに加えて、毎日もう1時間、ご自身や部署の仕事の生産性を大幅に上げるツール、例えば、ターゲット顧客管理とか、顧客対応プロセスとか、受発注管理とか必要なのにまだ手作業でやっているものがあれば、それをChatGPTの力を借りて作ってしまうといいです。

ChatGPTに「オセロゲームを作って」とだけ言うと、オセロゲームのプログラミングをやってくれる時代です。うまく動かなかったら「バグが出て動かないんだけど」と言うと、じゃあこうしてみたら、ああしてみたらと助言してくれます。

そうやって非エンジニアがChatGPTとのやりとりでアプリを作れる時代になりましたので、これをやらない手はありません。

来年になると、いろいろなアプリ・システムが出回り、もっと簡単になるでしょうから、今年は自分で開発することを通じ基本を学ぶ最後のチャンスです。何個か自分で作ることでものすごく理解が進むとともに、自信がつきます。AI時代をリードする自信は大変貴重です。

ご自身が使いこなし始めたら、部下全員に教え、彼らにもやってもらいます。AI活用にはゲーム性があるので、皆に伝えてわいわいやるようにすると、ものすごくはまる人が出てきて、「こんなのできました」「こうやったらすごいことがわかりました」とどんどん共有してくれます。

それをすぐ部下全員に共有することで、急速に皆が使いこなせるようになります。

一度こうやって先頭に立つと、他の部署には簡単には負けなくなります。

大変楽に生成AI活用の先陣を走り続けることができます。

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image by:Selman GEDIK / Shutterstock.com

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ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター 東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー共同創業・経営支援、大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。 著書に 『ゼロ秒思考』 『速さは全てを解決する』 『瞬時に切り返す会話術』 『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』 など、国内26冊、海外28冊。合計131万部超。 内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。

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【著者】 赤羽雄二 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月曜日

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