あの北朝鮮が「ビットコイン保有量で世界第3位」であることをご存知でしょうか? 今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、國學院大学栃木短期大学の兼任講師である宮塚寿美子さんが、北朝鮮はミサイル発射実験など軍事だけでなく暗号資産でも世界を挑発しているという事実を紹介しています。
北朝鮮のビットコイン保有量は世界第3位
北朝鮮による脅威は軍事挑発だけではない。
世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンスが運営する「バイナンスニュース」などによると、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」は現在、約1万3562ビットコイン(BTC)を保有していると推定される。これは約11億4000万ドルに相当する額であり、19万8109ビットコインを保有するアメリカ、6万1245ビットコインを保有するイギリスに次いで世界第3位になるという。
北朝鮮のビットコイン保有量が増加した背景には、先月、世界3位の暗号資産取引所「バイビット」がハッキングされた事件があると推測されている。北朝鮮のハッカーはこの際、約15億ドル相当のイーサリアム(ETH)を奪取したとされる。自由アジア放送(RFA)は今月13日、アメリカのサイバーセキュリティ専門家の見解として、北朝鮮がこのイーサリアムをビットコインに換金することには成功したが、まだ現金化には至っていない可能性が高いと報じた。
この数字を基準にすると、北朝鮮のビットコイン保有量は、ビットコインを法定通貨として採用したエルサルバドルや、豊富な水力発電資源を活用してビットコインを採掘してきたブータンを上回る。
北朝鮮はここ数年、ラザルスなどのハッカー組織を動員し、暗号資産取引所を標的としたハッキングを繰り返してきたとされる。2024年の初めに、DMMビットコインが3億800万米ドル(約462億円)以上が、この北朝鮮のラザルスによってハッキングされたことは記憶に新しい。
北朝鮮はこうして得た暗号資産をマネーロンダリング(資金洗浄)し、核兵器開発などに利用しているとの疑惑が持たれている。
ちなみに、東アジア地域は、世界で暗号通過を最も多く採用している草の根的な50ヵ国のうち5ヵ国が含まれる。韓国が19位、中国20位、日本23位、香港29位、台湾40位である。(國學院大学栃木短期大学 兼任講師 宮塚寿美子)
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