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マスコミは戦争を続けたいのか?クリミア半島の「ロシア実行支配」を追認しない限りプーチンは停戦などしない

停戦合意が進まないウクライナ戦争ですが、ポイントは「クリミア半島」にあるようです。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、米国トランプ大統領が仲介に入り「和平交渉」を進めている中で、どうしてもウクライナのゼレンスキー大統領が首を縦に振らない「クリミア半島」問題について解説。ウ国側につくマスコミの無自覚な「戦争継続への加担」を鋭く批判しています。

ウクライナ、クリミア半島

ロシア・ウクライナの和平交渉が大詰めを迎えています。

仲介役のトランプ大統領は、ウクライナ、ロシアの双方への苛立ちを隠していません。双方に「本当に和平を求めているのか?」と疑問を呈しています。

プーチン大統領にはキーフへの攻撃を止めるように要請し更なる制裁にも言及しています。

ゼレンスキー大統領との和平条件の相違はクリミア半島の所属です。

NYタイムズの4月24日の記事をみましょう。

記事抜粋

トランプ政権がクリミア半島のロシア支配を承認する和平計画を提案した際、ウクライナのゼレンスキー大統領はその解決は同国の憲法に違反すると述べた。

米国が仲介する和平交渉でウクライナはクリミアを議論の対象外に置くことを希望していた。

しかしトランプ政権の提案には、クリミアにおけるロシアの支配の承認と、ウクライナの NATO 加盟禁止が含まれていた。

その見返りに、現在の前線での戦闘が停止されることになっていた。

解説

トランプ政権の出した和平提案にはクリミアにおけるロシアの実行支配を認める文言が入っているそうです。

それに対して、ゼレンスキー大統領が「クリミアのロシア支配は認められない」と反発しているのです。

主要マスコミも「武力による国境変更を認めるのか?将来に禍根を残すぞ」とゼレンスキー大統領に同調する論調です。

しかし、私はここでもトランプ大統領の考え方に同意してしまいます。

ロシアのクリミア支配は2014年、オバマ政権時からです。徹底的に反対するならその時にすべきでしょう。

そしてロシアの立場から見れば、クリミア半島は絶対に譲れないものです。

クリミア半島があってこそ、ロシアは黒海を通じて地中海へのアクセスを持てるのです。

そして黒海はエネルギー資源の輸送ルートとして不可欠であり、ロシアの天然ガスや石油をヨーロッパに供給するための主要な経路となっています。

ロシアにとって天然ガスや石油の輸出は食い扶持です。陸上パイプラインがありますが、とても脆弱です。テロリストのドローンの攻撃ですぐに寸断されてしまいます。

その場合、黒海の制海権がロシアの生死を左右します。クリミア半島は絶対に譲れないでしょう。

もっと言えば、このクリミア半島の支配を盤石にするために、今回のウクライナ東南部4州への侵攻をしたようにも見えます。

このクリミアのロシアの実行支配を追認ないとロシアは停戦しません。

仮にクリミアを取り戻しても、ロシアは何度でも攻撃してくるでしょう。

もし戦争を続けたいなら、それでもよいでしょう。

マスコミもトランプ大統領を批判するばかりでなく「じゃあ、どうすればよいのか?」という代替案を精査するような報道が欲しいものです。

PS
私には、軍需産業と左派の平和勢力(主要マスコミ等)は、協力しているように見えます。

戦争を続けることを支持している点においてです。

その協力関係、前者には自覚があり、後者は自覚がないでしょう。

社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために

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大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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【著者】 大澤 裕 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 日曜日

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