『週刊文春』が報じた女優・永野芽郁(25)の“二股不倫”疑惑。相手とされるのは田中圭(40)とキム・ムジュン(26)で、3者とも不倫の事実を否定したものの世間はまったく信じていない。それもこれも「事後の写真」を押さえられてしまったからに他ならないだろう。人気漫画家の小林よしのり氏は「永野芽郁を責めてはいけない、だが事後の写真を撮ってはならない」と指摘。本来、週刊誌を含めて第三者には絶対に撮影できないはずの「事後写真」を、なぜ私たちはわざわざ自分で撮りたがるのだろうか?(メルマガ『小林よしのりライジング』2025年4月30日号より)
※本記事のタイトル、見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ゴーマニズム宣言・第565回「事後の写真を撮ってはならない」
永野芽郁ちゃん不倫騒動、ハートの目がスペードに…
スマホの普及で、いつでもどこでもどんな状況でも写真を撮れて、それを誰にでも送れるということが当たり前になって、ずいぶん経つ。
だが、それをただ便利だと思っていたら、一生を左右するような落とし穴にはまるということもあり得るから、要注意である。
先週発売の週刊文春(2025.5.1/8)が『永野芽郁(25)が田中圭(40)と二股不倫!』のタイトルで報じたスキャンダル記事の波紋が広がっている。
永野芽郁ちゃん好きだったのに、15歳年上で妻子持ちの先輩俳優と不倫というだけでも落胆が禁じ得ないところを、さらに今月スタートしたドラマ『キャスター』で共演している同年代の韓国人俳優とも同時につきあい、自宅にお泊りさせていた「二股不倫」だったというのだから、清純のイメージがビッチに激変してしまった。
わしは『キャスター』に出ている永野芽郁が目が離せないほど萌え萌えだったのだけれども、もうハートの目がスペードになってしまった。 ネット内でもドラマの役柄と現実のギャップにかなり拒否反応が出ているらしいが、それも無理はないというものだ。
永野芽郁は「清純派女優」として「透明感あふれる」雰囲気で好感度抜群だったから、一度スキャンダルが出ると大変なイメージダウンになる。わしもAKBヲタをやっていた頃に、この子は純粋に違いないとあえて幻想を抱いていっては、裏切られていた頃の感覚を久々に思い出した。
江頭2:50の「謝罪」とは何だったのか
先月放送されたTBS『オールスター感謝祭』では、江頭2:50が「俺の女になれ~!」などと叫びながら永野芽衣を追い回し、恐怖におびえて逃げ回った永野が最後には涙ぐみ、番組を一時退席するという場面があった。
江頭にしてみればこれがいつもの芸風で、もはや誰もが了解している「お約束」の行動だったはずなのに、そんなことで泣き出しちゃうなんて、芽郁ちゃんって、なんて純粋な子なんだろう! …ということで永野の好感度はさらに爆上がり、逆に江頭は「やりすぎ」「時代錯誤」などと猛バッシングに晒され、江頭をキャスティングしたTBSの責任を問う声も殺到。 ネットの見逃し配信サービスからはそのシーンがカットされ、江頭は謝罪に追い込まれた。
ところがこうなると、江頭に追いかけられて涙ぐんでいたのも、全部自分を清純に見せようとする「演技」だったということになってくる。
これが女優の恐ろしさというものだ。 本当は二股不倫をしているようなガッツリ肉食系であっても、とっさにヌケヌケと、か弱く純真な女の演技ができるのだ。
こっちも薄々そんなものだろうと思いながらも、それでもこの子は本当に純粋なのかもしれないと騙されに行っているのだから、できれば最後まで騙し通してほしかったというものなのだが。
「事後の写真」を残すという致命的ミス
問題の週刊文春記事では、永野芽郁と田中圭の「二人の関係を示す二枚の写真」と銘打った写真を掲載している。
1枚は昨年10月28日に撮影されたという、永野が田中と手をつなぎ、スマホで鏡に映るツーショットを自撮りした写真。
そしてもう1枚は昨年10月31日、ハロウィンの夜に永野の自宅で撮影されたというもので、田中は頬にカボチャのシール、永野は頬にカボチャと「Happy Halloween」の文字を貼り、顔を寄せ合っておどけている写真だ。
決定的な「証拠写真」となったのは、2枚目の写真である。
紙媒体の誌面だと白黒の不鮮明な画像になっているのでわかりにくいが、「週刊文春DIGITAL」が配信したカラー写真を見ると、しかも特にこれを女性が見たら、もう一目瞭然だ。
永野の化粧が完全に崩れていて、アイシャドウなんかは流れ落ちたような状態になっている。 リップも落ちていて、そのリップが隣の田中の口にべったりついている。 髪も乱れている……これは、どう見ても「事後の写真」以外にはありえない!
ということで、ネット内では大炎上となったのだった。
確かにあんな写真が出てしまっては、どんなに関係を本人が否定しようが、所属事務所が否定しようが、説得力は全くゼロである。(次ページに続く)
人気芸能人の「事後写真」が持つ強烈な破壊力
「事後の写真」がバレたら、もうどうしようもなくなってしまう。
古くは「ニャンニャン写真」事件というスキャンダルがあった。
昭和58年(1983)、当時人気絶頂だった女性アイドルタレントが、ベッドで裸体に布団をかけて煙草をくわえている写真を、写真週刊誌「FOCUS」が掲載したのだ。
何しろ当時15歳、萩本欽一のお茶の間向けバラエティ番組でブレイクして、とにかく健全・清純なよい子というイメージで売っていたタレントだっただけに、まさに驚天動地のインパクトがあった。
記事では露骨な言葉を使うのを避けて「ベッドで二人仲良くニャンニャンしちゃった後の、一服である」という表現で写真を紹介したため、この写真は「ニャンニャン写真」と呼ばれ、「ニャンニャン」は流行語になった。
女性タレントは出演していたテレビ・ラジオ番組、および既に撮影に入っていた主演映画からも降板、CMも全て打ち切られ、通学していた高校からは無期停学、所属事務所からは謹慎の処分を受けた。
さらにその後も芸能誌や女性週刊誌が後追い記事を競って掲載。 そして騒動の最中、写真を「FOCUS」に持ち込んだ元交際相手で当時18歳の少年が自殺するという事態まで起きたのだった。
女性タレントは騒動から1年4か月後に謹慎を解かれて芸能活動を再開したものの、当然人気回復には至らないまま、数年後に芸能界を引退。 2度結婚して2度離婚、一時期は芸能界に復帰してヌード写真集を出すなど紆余曲折を重ね、今は精神保健福祉士になっているそうだが、騒動から42年経っても、今でもその名を覚えている人にとっては「ニャンニャン写真」のイメージが最も強いだろう。
迂闊に「事後の写真」なんか撮らせたら、それを一生背負わざるを得ないことにもなりかねない。
いや、「一生」だけでは済まないことだってある。 八代亜紀なんか、本人が死んでも影響が続いている。 事後のヌード写真なんか撮らせちゃったら、死後でもそれを商売にしようとする「人でなし」が現れるのである。
とにかく、「事後の写真」を撮った男が常に悪いのだ。
永野芽郁を責めてはいけない、だが「事後の写真」を撮ってはならない
永野芽郁の場合は、写真を撮ったのは永野自身のようだが、どこから流出したのかといえば、田中圭のところからとしか考えられない。
おそらく永野が二人のラブラブ写真を浮かれ気分のままに田中に送ったら、田中が奥さんにスマホを見られてしまい、それでばらされてしまったのだろう。
でも、永野芽郁は仕方がない。 女を責めちゃいけない。 あんなに可愛い女はいないんだから仕方がない。
いくら「清純派」といったって、「透明感」があるといったって、「ノースキャンダル」だったといったって、あんなに可愛かったらいろんな男が寄って来るようになる。 そんな状態で25歳にもなって処女のはずがないんだから、これはもう仕方がないのだ。
ただ、責めてはいないけれども、事後に自撮りのツーショット写真を撮ったことだけは良くなかった。
「事後の写真」を撮ってはならないということこそが、最も重大なテーマなのである。(次ページに続く)
「ゲス不倫」のベッキーは復活した。なら永野芽郁だって復活できる
それにしたって、いくら「不倫疑惑」なんて言っても、10年も経てばみんな忘れるものだし、たとえ何があったかは覚えていても、それをどうとも思わなくなるものだ。
例えば、ベッキーの「ゲス不倫」が騒動になったのは9年前だ。 ベッキーも「清純派」で「透明感」で「ノースキャンダル」が売りのタレントだったから、あの時にはバッシングの嵐が吹き荒れた。 そうして最盛期にはCM14本、レギュラー番組10本を抱える超売れっ子だったものが、一気に全ての仕事を失ったのである。
しかし今ではコンスタントに映画やドラマに出演し、その演技も高評価を受けている。 バラエティ番組へのゲスト出演も増えているし、サイドビジネスも堅調らしい。
もちろん全盛期の仕事量にははるかに及ばないものの、41歳のタレントとしては、たとえスキャンダルがなくてもこのあたりに着地したのではないかという、ちょうどいいところに落ち着いたようにも思える。
今のベッキーに対して、「こいつは不倫をした奴なんだぞ! こんな人間は、テレビに出る資格はない!」なんて抗議をする奴がいたら、そいつの方が狂ってるとしか言いようがない。
そもそも不倫なんてものはあくまでも当事者だけの問題であって、それを全く関係のない野次馬が許せないとか言って騒ぐこと自体がおかしいのだ。
評価すべきなのは、不倫しているか否かなんてことではなく、その人物の能力と魅力だけである。 それとも、魅力も能力も一切評価の対象とはせず、とにかく不倫をしない者、ただ品行方正であるだけの者しか表舞台には出られないような、つまらない世の中になれば満足だとでも言うのだろうか?
週刊誌は商売のためだったら何でもやるから、今は「不倫」をあたかも誰もが怒るべき問題であるかのように焚きつけるのだが、かつてテレビや映画で「不倫ブーム」なんてものが起きていたのは、そんなに昔の時代でもない。
話題は常に移り変わるのだから、10年近くも前の「不倫」にこだわる者なんかいないし、週刊誌だってもっと「旬」のネタはないかと嗅ぎまわっているだろう。
もしも10年前の不倫をネタにバッシングをする者がいたら、よっぽど頭のおかしい者だし、そのバッシングの真の動機は「不倫」ではなく、もっと別のところにあると言って間違いない。(次ページに続く)
永野芽郁とベッキーの違いは「事後写真」の有無だけ。影響は?
そんなわけだから永野芽郁もスキャンダルを乗り越えて、女優としてさらに成長してもらいたいものである。
ただ、やっぱりここで最も問題になるのは、ベッキーの場合にはなかった「事後の写真」がネット内にずっと残ってしまい、もう決して消せないということなのだが。
SNS時代に最も重要なルールは、「事後の写真を撮ってはならない」である。
撮りたい気持ちは分かる。
スマホさえ見れば、ラブラブの二人の様子が、たちまち蘇る。 それを日常でもずっと見ていたい。 非日常の二人を日常でも鮮明に思い出したい。
それが可能になる道具が出てきたのだ。 だがスマホに「事後の写真」を残すのは危険極まりない。 みなさんはよ~~~く気をつけてほしい。
「まるで自分を戒めてるようだな、よしりん」なんてことを絶対言わないように!(メルマガ『小林よしのりライジング』2025年4月30日号より一部抜粋・敬称略。最新号はメルマガ登録の上お楽しみください)
4月30日号ではこのほかにも、【泉美木蘭のトンデモ見聞録・第360回「アメリカ型の不倫糾弾に乱痴気騒ぎする野蛮なクズども」】や【読者Q&Aコーナー】を掲載。ご興味をお持ちの方はこの機会にご登録のうえバックナンバーをお求めください。
image by: 永野芽郁(@mei_nagano0924official) 公式Instagram