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リベラルに返ってきた大ブーメラン。カーク氏暗殺を嘲り笑った人物への処分を猛批判する人々が今まで繰り返してきた「キャンセルカルチャー」

トランプ大統領の返り咲きに一方ならぬ役割を果たしたとも言われる、保守派の若手論客チャーリー・カーク氏。そんな人物が凶弾に倒れた事件は世界中に衝撃を与えましたが、その「思わぬ余波」が全米中に広がっているようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、カーク氏の死を冒涜した人物が次々と「処罰」を受けている米国の現状を紹介。さらにこれら一連の動きを「言論弾圧」と批判するリベラルサイドの人々に対して、懐疑的な視線を向けています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【米国】キャンセル・カルチャーの逆襲に狼狽するリベラルの「自業自得」

死者を冒涜した面々への処罰に猛批判。キャンセル・カルチャーの逆襲に狼狽するリベラルの「自業自得」

「チャーリー・カーク氏暗殺」を嘲笑した者たちが相次ぎ解雇…深まる米国の分断

9月10日、ドナルド・トランプ大統領の熱烈な支持者で、保守派の若手論客として知られるチャーリー・カーク氏(31)が、ユタ州のユタ・ヴァレー大学のイベントで銃撃され、死亡しました。

カーク氏は、18歳だった2012年から「ターニング・ポイントUSA(TPUSA)」という団体を創設し、リベラル寄りの大学で保守的な思想を学生に広めることを目指す運動を続けてきました。

昨年の大統領選挙では、トランプ氏の大統領返り咲きのために若者の支持を広げたとして、その貢献度がトランプ大統領からも絶賛されており、「将来の大統領候補」だとも目されていました。

若手の保守派にとってカリスマ的な人物が、大学のキャンパス内で、しかも多くの聴衆の前で暗殺されたということで、日本でも非常に大きなショックをもって報じられていました。

一方、カーク氏のこれまでの保守的な言動から、一部のリベラル勢は彼を「差別主義者」と断じ、その死を喜び、遺族までも侮辱するような発言がSNSで繰り広げられました。

冒頭の記事では、「カーク氏の死は神の贈り物」「カーク氏の訃報が私の人生を輝かせた」「自業自得」といった発言があったと書かれていますが、さらには「彼の妻や子どもは差別主義者と離別できたのだから、むしろ良かった」などといった、遺族感情をまったく無視した非人間的な書き込みもあったようです。

こうした死者に対する冒涜に対し、トランプ大統領や共和党の政治家は、「処罰する」と表明。その動きに呼応するように、SNSでカーク氏の死を嘲笑した人々が、解雇されるケースが相次いでいるとのことです。

教師や公務員、消防士だけでなく、大統領の警護を担当する大統領警護隊(シークレットサービス)の職員も、カーク氏の死を嘲笑する投稿をした後に解雇され、さらには民間企業でも、アメリカン航空とデルタ航空は、カーク氏の死を嘲笑したパイロット乗務員に停職処分を下しました。

また、SNSにカーク氏の写真と共に「なぜ悲しむのか。(銃器所持を擁護した)あなたにはその価値がある」と投稿した米プロフットボールリーグ(NFL)のカロライナ・パンサーズの広報担当が職を失ったそうです。

メディア内でも、MSNBC首席政治アナリストのマシュー・ダウド氏は、番組内でカーク氏について、「あのような恐ろしい考えをやめず、恐ろしい言葉を吐き続ければ、恐ろしい行動に結びつかないはずがない」と語ったことで、強い非難を受け、放送局から解雇されました。

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誹謗中傷への処分を批判するリベラルはこれまで何をしてきたか

日本のメディアでは、こうした死者への誹謗中傷に対する取り締まりや解雇について、「言論の自由を阻害する」とする論者も少なくありません。あるワイドショーでは、コメンテイターの大学教授が「リベラルのキャンセルカルチャーを批判していた保守派が、言論統制を行い、言論の自由を犯している」などと批判的に論じていました。

「言論の自由」という観点からすると、たしかに、たとえ非人間的な言葉であっても、そのために逮捕されたりや職を奪われるということは、問題があるかもしれません。あくまでも法を犯しているかどうかによって、判断されるべきでしょう。

ただ、これまで「キャンセルカルチャー」によって、LGBTや「多様性」に疑問を呈したり、保守的な発言をする者を「差別主義者」と批判し、解雇や社会的な抹殺へと追い込んできたのは、むしろリベラルのほうです。

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先のワイドショーで大学教授は、「カーク氏の死亡を揶揄する発言への取り締まりは、リベラルのキャンセルカルチャーを批判する保守派が、言論の自由を犯している」と述べていましたが、そもそもキャンセルカルチャー自体が、保守派からすると自分たちの言論の自由を阻害するものであったのですから、それまであったのは「リベラルの言論の自由」だけであって、「保守の言論の自由」はなかったわけです。

このあたり、リベラルは「あくまで自分たちだけが正しく、自分たちと異なる意見は間違いであり、キャンセルされるのは当然」「反LGBTや反移民など、保守派の意見は差別的ですべて間違いだからそれをキャンセルしても言論の自由にはあたらない」「リベラルの意見は死者への罵詈雑言であっても正しく、それを封じるのは言論の自由に反する」という自分ルールが透けて見えていて、実に香ばしい感じがします。

以前のメルマガでも取り上げましたが、一部の日本のリベラルは、「日本では女性の政治家が少ない、女性の社会進出が遅れている」と主張しながら、「高市早苗氏が初の女性総理になるのは喜べない」「日本の歴史に残る最初の女性の首相がこの人だったら恥ずかしい」「安倍(晋三)さんが女装して現れた」「中は男でしょ。安倍さんでしょ」などと、かなり差別的な言葉で罵っていましたが、それに近い意識を感じます。

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「女性に多様性は必要ない」と言ったに等しいリベラル

高市氏の政策に批判するのは別に構いませんし、言論の自由として当然のことですが、これをジェンダー問題と絡めると、かなり問題です。リベラル勢からすると、保守的な思想を持つ女性は「女性ではない」ということになるからです。

これはつまり、女性には「多様性は必要ない」ということでもあります。言うまでもなく、保守的な考え方を持つ女性もいますし、そのような人がいてもいいはずですが、リベラル勢はそのような人を女性として認めたくないし、認めない。

しかし、それこそリベラル勢が嫌う「女性」の役割や性質の固定化であり、大きな矛盾です。

結局、リベラル勢は「女性がガラスの天井を破る」ことが重要なのではなく、あくまでイデオロギーが重要であり、だからこそ自分と主張が違う女性は女性認定しないという「女性差別」を展開してしまうのではないかと思います。

イデオロギーや主張によって敵味方を判別するのは別にいいですし、本来は「女性だから」ではなく、能力のある、ふさわしい人が要職につくべきでしょうが、普段は「女性活躍」をうたいながら、いざ自身のイデオロギーに合わない人に対して「非女性認定」するのは、あまりにもご都合主義です。

こうした態度は、「リベラルのキャンセル・カルチャーや言論弾圧は正しく、保守派のキャンセル・カルチャーや言論弾圧は不正」といった傲慢さと表裏一体であり、そもそも自分たちが始めた物語を、今度は敵対側が同じように使ってきただけという点で、あまり同情できる状況にはありません。

とはいえ、やはり自分たちの感情や好悪の気持ちで相手の言葉を封じ、さらには職を奪うといったキャンセル・カルチャーは決して言論の自由にとっていいことではありません。今回は保守サイドからのキャンセルですが、リベラル側も安易なキャンセルは自分に跳ね返ってくることをよく心に刻んでおくべきではないでしょうか。

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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2025年9月17日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

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