中国の空港で韓国人ビジネスマンがいきなり抑留。その原因はトランクの中にたまたまあった「地図」でした。台湾出身の評論家・黄文雄さんは、「もし台湾が中国に統一されてしまえば、アジアの書店や図書館には中国共産党礼賛本ばかりが並ぶことになる」と危惧。私たち日本人が当たり前のように享受している表現と言論の自由、それを守る砦としての台湾の奮闘ぶりを詳しく紹介しています。(メルマガ 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」より)
中国が韓国人実業家を抑留、理由は「台湾」の二文字
1月25日に聯合ニュースが報じたところによると、中国遼寧省の瀋陽桃仙国際空港に到着した韓国人実業家が、税関検査の際、トランクに入っていた手帳の地図に、台湾が独立した国であるかのように書かれていたということで、税関に抑留されるということが起こりました。
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その地図は縦20センチ、横30センチで、台湾はハングルで「タイワン」と書かれ、台北は「タイペイ」と書かれていたとのこと。これが問題視されたわけです。
また、チベットの国境表示も曖昧だということで、税関職員がこの実業家を事務所に連れてゆき、抑留したとことです。
韓国人は大声で抗議し、瀋陽の韓国系住民に支援を要請すると、約1時間後に解放されたそうですが、地図は没収され、帰国の際に返還すると言われたそうです。
男性にとって、このようなことは初めてで、「中国語が話せるので抗議できたが、初めて中国を訪れる外国人なら、すごく怖かっただろう」と語りました。
日本人も中国で身柄を拘束される恐れ
台湾、台北という表記でNGであれば、同様の表記の日本の地図でも引っかかりそうです。また、尖閣諸島を日本領として扱っている日本地図を持っていたら、やはり抑留されてしまう可能性があるでしょう。
たとえば子供が勉強に使う地図帳を持ち込もうとしたら、大きな問題になるかもしれないのです。
言論の自由がない中国では、中国当局の言うことが絶対です。それ以外は取り締まりの対象となり、「さまざまな意見」などは許されません。
中国はすでに地図で尖閣諸島を「釣魚島」として中国領であることを明示することを義務化しています。
そのため、日本人が中国へ入国時に、尖閣諸島を日本領として地図を持っていれば、下手をすれば拘束されてしまう可能性があるのです。
また、先の韓国人が持っていた地図は、チベットの国境表示が曖昧だったということですが、中国とインドが国境問題で争っていることは周知のことで、そのため国境線をあえて書かない地図もあります。これも問題になってしまうわけです。
つまり、すべてが中国当局の主張通りの地図でなくては、税関を通ることができないというわけです。
もちろんこれは地図だけにとどまりません。たとえば習近平批判を展開する著書などを持っていれば、即刻逮捕される可能性もあります。雑誌や新聞にその類の記事があっても、危険です。知らずに持ち込めば大変なことになってしまいます。