東京都知事選はイメージの世界だ。京大教授が「小池圧勝・石丸躍進・蓮舫敗北」に感じた絶望。政策不在の日本に希望はあるか?

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現職で“無所属”の小池氏が約29万票を獲得し3選を果たした東京都知事選について、メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』の著者で京都大学大学院教授の藤井聡氏が総括。「結局、都民は政策も人柄も殆ど気にせずイメージと党利党略で判断していることがよく分かる結果に終わった」と藤井氏が分析する理由とは?
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【総括・都知事選】結局,都民は政策も人柄も殆ど気にせずイメージと党利党略で判断していることがよく分かる結果に終わった.後はこの結果を受け止め,秋の自民総裁選・立民代表選に向けたまっとうな議論の加速が必要である.

東京都知事選“七夕決戦”を京大・藤井聡教授が総括

7日の東京都知事選は、二位に100万票以上の大差を付ける小池氏の圧勝に終わりました。一方で、今回大きな旋風を巻き起こしたのが石丸氏。ほぼほぼ泡沫候補と見なしていた当初のあらかたの予想を覆し、160万票以上を獲得する次点となったのです。

そして、当初は大きく話題に上りながら、石丸旋風の影で大きく割を食い、石丸氏に約40万票の差を付けられて3位に「転落」してしまったのが蓮舫氏でした。

一方、主要四候補の一角とも言われていた田母神氏は、得票数約30万票と、三位の蓮舫氏から100万票以上の大差を付けられる恰好の四位に終わりました。

こうした結果に終わった「理由」でありますが、コチラの「政党支持別の得票数」を見るとハッキリと見えてきます。


なぜ、小池氏が圧勝したのか?

第一の論点。「なぜ、小池が圧勝したのか?」ですが、その最大の勝因は「自民との微妙な距離感」です。ご覧の様に自公支持者の大半と、有権者の約半数を占める「最大派閥」とも言える「無党派層」に強烈に支持されました。

今、自民党は岸田総理に対する国民的批判の拡大とあいまで激しく支持を下げています。したがって、小池氏が自民党の候補ということであれば、さらに大きく得票を減らした筈ですが、小池氏は「自民党の候補」ではありません。自民党はあくまでも「自主的に支援する」という曖昧な距離を保つ恰好での小池支持だったのです。

その結果、一般の都民の目から見れば、小池氏は自民とは一線を画す候補だったわけで、その結果、無党派層からの支持率を大きく落とすことはなかったのです。

一方で、自公支持者からみれば、与党擁立候補がいない中、一応支持しているのは小池氏しかいなかったわけで、その大半が小池に投票したという次第。

つまり小池氏は「自民との微妙な距離感」が故に、自公票を固めつつ、無党派層を大きく取り込むことに成功し、圧勝したというわけです。

石丸氏が躍進、蓮舫氏が敗北した理由とは?

次に蓮舫氏ですが、その「敗因」は、蓮舫氏が訴えた「既存の政治からの脱却」のお株が石丸氏に奪われてしまった点にあります。

蓮舫氏を支持した立憲民主党と共産党それ自身が、今国民が「ウンザリ」しはじめている「古い政治を繰り返している既存政党」だと見なされたわけです。その結果、無党派層の一部しか取り込めず、結果的に石丸氏に大きく敗北してしまったのです。そもそも、立民・共産の支持者数自体が少ない中、無党派層の取り込みが勝利に向けての絶対条件だったのに、それができなかったわけです。

一方でその逆に石丸氏は、無党派層から小池氏に匹敵する巨大な支持を受けました。石丸氏は、政策の中身については何もアピールもしないで、ただただ「新しいことをやるぞ!」「既存の政治からの脱却を果たすぞ!」というイメージ戦略だけに終始したわけですが、それが今回、大成功したわけです。

最後に、(当方ならこの人くらいしか入れる人はいないなぁと思っていた)保守を標榜する田母神さんは、最終的に小池さんの得票数の1割にも満たない得票しか得られなかったのですが、要するに、東京都民には「保守」を支持する有権者等、ごくごく一握りしかいない、というのが、この田母神惨敗の基本的原因でしょう。

つまり、

  • 小池は自民との微妙な距離が功奏し勝利
  • 石丸は既存政治に嫌気がさした無党派層を取り込み二位
  • 蓮舫はそれができず三位
  • 田母神は世間の保守層の少なさ故に惨敗

というのが、今回の選挙結果の基本的な理由だったわけです。

したがって、この結果は、結局は東京都民は政策内容や人格等、都民は殆ど気にしちゃいない事がよく分かる結果だったのです。

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