東京都知事選はイメージの世界だ。京大教授が「小池圧勝・石丸躍進・蓮舫敗北」に感じた絶望。政策不在の日本に希望はあるか?

 

都知事選の勝敗を決した、東京都民の曖昧なイメージ

学歴詐称をするような嘘つきで詐欺師である疑義が超濃厚な小池氏に300万票近い人が投票し、政策内容なんて何も具体的なものをアピールしていない石丸氏が、ただ単に既存の政党政治じゃないというイメージだけで単なる泡沫候補に過ぎなかったにも関わらず160万票も獲得する一方、明確な保守政治を打ち出した田母神氏が有権者のごくごく一握りの支持しか得られなかったのですから。

いずれにしてもこれで、小池氏はこれまで通りの自分自身のための政治活動を安心して続けられるでしょうし、石丸氏は、今回の結果を自分自身の政治活動にとって「メチャクチャ美味しい結果」だったとほくそえんでおられることでしょうし、蓮舫氏も、惨敗したとは言え、今回の結果をずっと注目され続けたので結局「トータル美味しい結果」だったと、やはりある程度よろこんでおられることでしょう。

ホント、日本でまっとうな選挙というものは絶望的に難しいですね…。

自民党総裁選、立憲民主党代表選にむけて

これを考えると、権力の中枢となる総理を、なんとか政策論のできる人物にやってもらうという作戦をこれからも考え続けることが、日本を再生する最善の近道であるようにも…思えてきます。

その意味でまさに都知事選が終わった「本日」から9月に向けて、自民党総裁選、立憲民主党の代表選の戦いの火蓋が切って落とされることになるわけですが、その選挙の行方を、世論で徹底的に論じていく必要がありますね。

自民党員も立民党院も結局は、「国民世論の動向」に配慮しながら、総裁選・代表選の投票対象を決定するのですから。是非、希望を持って、日々の議論を続けましょう。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論』2024年7月8日号を抜粋・再構成したものです。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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  • 【総括・都知事選】結局,都民は政策も人柄も殆ど気にせずイメージと党利党略で判断していることがよく分かる結果に終わった.後はこの結果を受け止め,秋の自民総裁選・立民代表選に向けたまっとうな議論の加速が必要である.(7/8)
  • このままなら「日本が滅び去る」ことは確定している…その流れを変えるには国家百年の計を見据えた「社会基盤(インフラ)の構築」が絶対的に求められている.(7/6)
  • 【東京都知事選・雑感】考えれば考える程東京都民が「気の毒」になるような酷い選挙…ですが,有権者の方には是非投票に行って頂きたいと思います.(7/6)

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image by: 都民ファーストの会 Facebook, dodotone / Shutterstock.com

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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【著者】 藤井聡 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 土曜日

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