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高市総理は知っていたのか?統一教会「TM報告書」に見る“政界工作”の実態を元信者が解説

年末年始に韓国で報じられた旧統一教会の「TM特別報告書」。そこには、自民党議員290人の選挙応援や、教団と政治の根深い関係が記されていました。解散命令の司法判断や山上徹也被告の判決が迫る中、浮上する早期解散と高市総理への疑念。元信者でもあるメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』の著者・多田文明さんが、報告書から読み取れる教団の裏事情と、自民党の長島昭久議員の報道について独自の視点で解説します。

高市総理は旧統一教会による選挙の動きを知らなかった?

年末年始にかけて、韓国の報道で、旧統一教会の「TM特別報告書」の衝撃的な内容が明らかにされました。 ご存じのように「TM」とは「トゥルーマザー(韓鶴子総裁)」のことで、そこに報告されたものです。

このニュースが続き、ゆっくりとお餅を食べられない年始を迎えましたが、旧統一教会が「(2021年の衆院選で)自民党の国会議員だけで290人を応援した」とされており、国会で追及されていくべきことだと思います。

この問題が起きて間もなく、衆議院解散総選挙の動きが報じられています。 21日には安倍晋三元首相の銃撃事件を起こした、山上徹也被告の判決が奈良地裁であります。 さらに、3月までには、旧統一教会への解散命令の司法判断が出されるといわれています。

旧統一教会の問題が目白押しのなかで、野党からの厳しい追及がなされて窮地に立たされて、高市早苗総理の人気が急落する前に、選挙をしようとする姿勢がみてとれます。 しかし本来なら、しっかりとこの問題に向き合って答えを出してから、選挙を行うのが筋ではないかと思います。 「急(せ)いては事を仕損じる」ことになる気もしますが、どうなるのでしょうか。

高市総理は教団の動きを知っていたか

本当に高市総理は旧統一教会による選挙の動きを知らなかったのでしょうか? 日本のトップ幹部の一人である徳野英治元会長の韓鶴子総裁への特別報告書により、18~22年に行われてきた、旧統一教会による政治活動や選挙応援の実態が明らかになるなか、疑問が出てきています。安倍晋三元総理も6回も面談をしており、教団との関係の深さもみえています。

今回、暴かれた報告書では「高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願い」との記述もあるとしており、自分の親分である安倍元首相のもとにいた高市総理は教団の動きはよくご存じのはずだったのではないでしょうか。

しかし「2022年8月19日の読売テレビの番組で、『統一教会イコール世界平和家庭連合であるとか、イコール勝共連合であるということを、8月になって報道がなされるまで分からなかった』と述べた」との記事が報じられています。こうした発言との整合性について、改めて問われることになります。

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「メシヤへの報告」に嘘はない

TM特別報告書は、神様の立場であるメシヤへの報告ですので、嘘偽りなく話をしなければなりませんので、かなり信憑性が高いと思っています。 そうしたなかで徳野英治元会長は朝日新聞の取材に対して「誇張があった」としながら、そうした報告をしたこと自体を否定していません。それはそうでしょう。これを否定すれば、メシヤに嘘をついた大罪を犯したことになるのですから。

私が信者時代、徳野氏が会長になる前に何度か話を聞いていますが、「裏話」を伝えるのが好きな方という印象です。 私の頃は、当時ブッシュ前大統領が旧統一教会の関連団体が主催で行った講演を、1995年9月14日の東京ドームを含めて何度か行っていますが、この時に、どのような顛末があったのかを信者らに話してくれました。長年の教団の政治における裏事情に通じている方です。

政治家と教団の「ギブアンドテイク」

報告書のなかで、徳野元会長が日本の政治家と教団をつなげるための「ギブアンドテイク」を幹部に説明したとしています。教義における「授受作用」(与えて、受ける)という教団の教え「ために生きる」は布教の上で、もっとも重要な要素でしたので、それが政治の世界でも使われていたことがわかります。

元会長としては「良かれ」と思い、政治への布教方法を伝えたつもりでしょうが、それが逆にあだとなり、韓総裁が政治資金規正法違反などの容疑で逮捕・起訴につながったというから、何とも皮肉な話です。

1990年代、爆発的に信者を増やして、霊感商法、高額献金を通じて多額のお金を得て、2021年には自民党の議員だけで260人を応援したとされるほど、旧統一教会は日本国内で隆盛を極めました。 しかし今は凋落の一途をたどっています。「盛者必衰の理を表す」とはよくいったものです。

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合同結婚式を挙げていた長島昭久議員への複雑な思い

驚いたのは、自民党・長島昭久前首相補佐官が(統一教会の)マッチングを受けていたことです。つまり、文鮮明夫妻の合同結婚式を受けていたということになり、自分と同じ元信者だったということです。

2022年の銃撃事件以降、宗教2世問題が浮上しましたが、「力を貸してくれるかもしれない」と直感して、真っ先に秘書を通じて連絡をして直接お会いした議員が長島さんでした。そして「この問題に真剣に取り組んでほしい」と議員会館で話をしました。 その時のお話や、街頭などで受け答えの感じでは、旧統一教会員にありがちな思考の癖などの影響は微塵にもみられなかったので、すでに教団から離れての立場なのではないかと思います。

これまで公にできなかったのも、元信者として気持ちもよくわかります。 それなりに地位のある方だと、元信者であるかどうかを公にするかは、もしかすると、すべてのキャリアを捨てることにもなりかねず、非常に悩むところだからです。

私が元信者であることをテレビ番組で公表した際も、事務所のマネージャーは「詐欺や悪徳商法のコメンテーターとしての仕事がなくなるのではないか」と心配していたといいます。しかし長年、関係をもっているスタッフや番組出演者が多いので、それは「ない」と私は思っていましたが、本人以上に周りが心配するものです。

そうした意味において、長島議員本人だけでなく、家族や周りのスタッフの心配もあって「告白」までに至らなかった事情もあるのではないかと推察しています。 しかしこうして、元信者としての公表をしたわけですから、旧統一教会問題にしっかり向き合ってくださればと思います。合同結婚式は何双だったのかなど、機会があれば、ぜひともじっくり話を聞きたいと思います。

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image by: Unification Church Hungary, CC0 1.0, via Wikimedia Commons

多田文明この著者の記事一覧

悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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【著者】 多田文明 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 14日・28日

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