アジアの先進都市を中心に、少子高齢化の進行が加速しています。台湾は2025年に「超高齢社会」へと突入し、年間出生数は過去最少を更新しました。一方、日本でも東京都をはじめとする自治体が、不妊治療支援や出産・育児への経済的補助を拡充するなど、危機感を背景にした対策を次々と打ち出しています。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、支援策の拡大と出生率の回復、社会科的課題が同時に存在しているこの問題について語っています。
アジア各国の少子高齢化問題
◎台湾、超高齢社会に 年間出生数は10年連続減少
https://japan.focustaiwan.tw/society/202601090003
台湾の出生率の低下が止まりません。その詳細については以下、報道を一部引用します。
『昨年12月末現在の台湾の総人口は2329万9132人で、65歳以上が占める割合は20.06%となり、台湾が定義する「超高齢社会」(65歳以上が総人口の20%以上)に突入したことが分かった。年間出生数は10万7812人で、10年連続の減少となり、過去最少を更新した。
総人口は前年同期比10万1088人減で、2年連続のマイナスとなった。0~14歳は268万1890人(総人口の11.51%)、15~64歳は1594万4087人(同68.43%)、65歳以上は467万3155人だった。
県市別では、65歳以上の割合が最も高かったのは台北市の24.18%、最も低かったのは北部・新竹県の15.08%。65歳以上が人口の20%を上回った直轄市は、台北市の他、南部の高雄市(20.79%)と台南市(20.48%)だった。
昨年12月の出生数は9027人で、前月比1081人増となったものの、前年同月比では3469人減となった。台湾では2016年以降、年間出生数の減少が続いている。
また昨年の年間死亡数は20万268人。前年比1839人減となった。』
https://japan.focustaiwan.tw/society/202601090003
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少子化問題は都市部のほうが深刻なのは先進国共通の問題です。東京都も分娩費用の無償化など様々な支援策を考えて少子化を食い止めようとしていますが、なかなか数字に結び付かないようです。
台湾も2018年には少子化対策に返還382億台湾元を拠出するなど、対策には力を入れていますが、なかなか成果が出せないのが現状です。
https://www.roc-taiwan.org/jp_ja/post/56680.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E4%B8%AD%E4%BD%8E%E6%89%80%E5%BE%97%E4%B8%96%E5%B8%AF,1%2C000%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E5%85%83%E8%BB%BD%E6%B8%9B%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82
そこで東京都が新に出した秘策は、不妊治療の支援です。これまで不妊は高額な上に保険外診察であるため、長期的に続けるにはまとまった費用が必要でした。晩婚の影響があるかどうかは定かではありませんが、不妊治療を望む人が一定数いることに目を付けた東京都は、男性も助成の対象として不妊治療への支援を拡大すると発表しました。
『出産に関しては、令和4年度から実施されている特定不妊治療への助成を拡大。これまで保険対象外の先進医療の一部のみだった支給対象を自己負担額全体とする。支給額は1回の治療につき15万円が上限。女性だけでなく、不妊の原因が男性側にある場合は男性も対象に含まれる。所得制限はない。予算額は7年度が12億円だったのに対し、8年度は56億円を計上する。』
https://www.sankei.com/article/20260111-HZKGUHGOBRPVJLGOOCQIDNHCEM/
不妊治療助は12億円から56億円に増額して助成するというのです。これがどこまで少子化に好影響を及ぼすかはまだ分かりませんが、一定の効果があることを望みます。
しかし、現実は子供が欲しくてもできない夫婦がいる一方で、思いがけない妊娠で実母が生後24時間以内に子どもを虐待死させるケースや、ネグレクト、身体的虐待などで死亡させるケースも増えています。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025091100562&g=soc
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また、経済的な問題などで子供は一人しか設けない夫婦も多く、子供への愛情過多となった両親がモンスターペアレントとなるケースもあります。綾野剛主演映画「でっちあげ」では、親からの過度な期待に耐えかねた子供のウソに翻弄される小学校教師が描かれています。(ネットフリックスで配信中)
子供の養育には確かにお金がかかりますが、小学校の給食を無償化したり、18歳までの子どもに助成金を支払ったりと様々な工夫をしている自治体は多くありますし、民間企業も様々な子育て支援を工夫しています。
大和ハウスグループのダイワロイネットホテルズ株式会社は、正社員の出産費用養育費を補助するために、子供が生まれた正社員に対して、一人につき最大100万円を支給する人事制度「次世代育成一時金」を2023年からスタートしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001971.000002296.html
また、少子化社会となった都市部では、公共交通機関でのベビーカー問題や子供の泣き声問題など様々なマイナス要素が話題となったりしますが、台北も東京も実際は思ったよりも子供に親切だと思います。それは、台湾も日本もしっかりと義務教育の中で道徳教育を行っているからだし、困った人がいたら助けるべきという道徳観念があるからです。まさん、案ずるより産むがやすし、という側面もあるでしょう。
その点、中国でも少子化は非常に深刻な状況になっていますが、人間不信の中国では、「幸災楽禍」(人の不幸を喜ぶ)が当たり前であり、そのような社会では、子育てはさらに厳しい状況に陥ってしまうのではないかと思います。
家族が増えるということは、もしかしたら人生に予想外の展開をもたらしてくれるかもしれません。もし、子供を持ってもいいかなと思っているなら、未来を担う人材を自分の手で大切に育成するのもいいかもしれません。そうすることで、少子化問題が少しづつ解消していってくれれば、日本も台湾も明るい未来の光が射すでしょう。
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