かつて独創的なサービスで市場を驚かせてきたLINEは、いまどこへ向かっているのでしょうか? 2月2日から提供が始まるNetflixとのセットプランは、動画配信需要を取り込む狙いが見える一方で、通信各社がすでに展開してきた施策と大きな違いは見受けられないとメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは語ります。石川さんは今回のNetflixセットプランを手がかりに、LINEの現在地と課題を考察しています。
LINEがNetflixをセットにしたLYPプレミアムを提供―-かつての「やんちゃなLINE」はどこにいったのか
LINEはNetflixとのセットプランを2月2日より提供する。LYPプレミアムとNetflixの広告付きスタンダードがセットで890円になるという。つまり、LYPプレミアムの650円分が実質無料になるというものだ。
Netflixに関してはNTTドコモも最大3か月分のポイント還元が受けられるキャンペーンを展開する。
NetflixのキャンペーンはすでにKDDI、ソフトバンクも手がけている。まさに3月に開催され、Netflix独占配信のワールドベースボールクラシックをにらんだものだろう。
LINEが発表会を行い、しかも舛田淳さんが登壇するなんて、本当に久々であった。
LINEがソフトバンクに買収され、LINEヤフーとなって以降、LINEはすっかり元気がなくなったように感じる。
ヤフーとのシナジー効果が発揮されたわけでもなく、一方でLINEのやんちゃぶりはなりを潜めてしまった感があって、面白みの欠けるサービスになった。
今回のNetflixとのセットプランも、ソフトバンクユーザーには魅力のない内容となっている。ソフトバンクユーザーであれば、すでにLYPプレミアムは無料であり、Netflixを新たに見ようと思ったら、ソフトバンクが提供するキャンペーンの適用を受けたほうがお得だ(広告付きスタンダードプラン相当額である890円が加入翌月から最大3か月まで割り引かれる)。
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LYPプレミアムはグループ会員数が2466万人、直接会員数が551万人となっている。
LYPプレミアムはソフトバンクのユーザーが圧倒的に多い。そんななか、ソフトバンクのユーザーにとって、LINEが仕掛けたNetflixセットプランは選択する意味のない内容となっている。
単なるセットプランであれば、すでにKDDIやソフトバンク、NTTドコモも提供している。わざわざLINEである必要はない。
本来であれば「LINEからNetflixに入れば、ソフトバンクよりもお得」ぐらいな立て付けにもできそうだが、親会社への忖度が見え隠れしている。
LINEという日本最大のコミュニケーションプラットフォームなのだから、友人と一緒にNetflixが視聴できる「ウォッチパーティ機能」みたいなものを最初から提供して欲しかった。
ここでLINEから、Netflixを契約していない友人を誘う際には、友人と本人、両方が割引を受けられるみたいな特典があれば、喜んで使うし、LINEならではの機能といえるはずだ。
Netflixの担当者も「Netflixは口コミで会員数が増えている」と語っているぐらいなのだから、もっとコンテンツの面白さをLINEで語れる仕組みが必要なのではないか。
今回の施策は、親会社であるソフトバンクにも配慮しつつ、他社でもできる内容になっているだけに「LINEはソフトバンクに買収される前のほうが面白かった」と思わずにはいられないのだ。
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