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動画編集の勉強方法は?独学かつ無料で何から始めるべきか解説

現代のデジマやエンタメ産業において、動画コンテンツの重要性はかつてないほどに高まっています。

YouTube市場の拡大、TikTokやInstagram Reelsといったショート動画の台頭、そして企業の広告戦略がテキストから動画へとシフトしている昨今。こういった背景から動画編集へ興味を持つ人、そのスキルを持つ人材への需要は急速に拡大しています。

とはいえ、多くの未経験者が「動画編集を副業にしたい」「フリーランスとして独立したい」「プロの現場で活躍したい」と考え、動画編集の勉強を始めようとする一方、入り口で「何から始めればよいのか」「そもそも独学で通用するのか」といった疑問に直面し、足踏みしてしまうケースも少なくありません。

この記事では、動画編集の勉強をこれから始める初心者の方に向け、学習を進める上で押さえておきたい考え方や準備、取り組み方をわかりやすく整理していきます。趣味として楽しみたい人はもちろん、将来的に副業や転職に繋げたい人も参考にしていただければ幸いです。

動画編集は独学でも十分?

結論から言うと、基本的な動画編集スキルは独学でも身につけられます。

現在は初心者向けの解説動画や学習サイトが充実しているとおり、インターネット上には無料の教材が豊富にあります。実際、現場で活躍している映像クリエイターやYouTuberの専属編集者の中には、自力でスキルを身につけた経歴を持っている方がいることも事実です。

ただし、目指しているゴールによって独学での学習難易度と効率は異なります。

例えば、副業としてYouTube動画の編集(カット編集・テロップ入れ・BGM挿入など)を請け負う場合、求められるのは基礎知識の組み合わせと編集スピードです。これらの技術は無料の解説動画や市販の技術書で網羅されており、学んだことを即座に活かすことができます。

一方、大手企業のCM制作や映画並みのVFX、3DCGを駆使した高度な映像など、プロの現場に身を置くことを目指す場合は事情が異なります。これらには基礎技術に加え、色彩理論、合成技術、物理演算などの高度な応用知識が必要となります。

こうした高度なスキルに関する情報は、特に日本語では体系的にまとまった無料コンテンツが少なく、独学では断片的な情報を自力で繋ぎ合わせる必要があるため、膨大な時間と労力がかかります。そのため、独学よりも後述する専門学校などを利用した方が効率的な場合があります。

動画編集の勉強に必要なものは?

まず動画編集の勉強を始めるにあたり、揃えておきたいものを確認しましょう。効率よく学ぶための環境を整えることで、習得スピードの向上にも寄与します。

(1)動画編集に適したスペックのパソコン

言うまでもありませんが、動画編集に適したスペックのパソコンが必要です。

動画編集ソフトは総じて処理負荷が高いため、快適に動作するPC環境は編集スピードにも直結します。最低でもIntel第6世代以降のCore iシリーズや同等クラスのCPU、そして8GB以上のメモリが必要とされています。具体的にはフルHD動画の編集には16GB以上、4K動画では32GB以上のRAMが推奨されます。

また、GPU(グラフィックボード)も重要です。統合グラフィックス(CPU内にグラフィック機能が統合されたもの)でも動作自体はしますが、スムーズな編集のためにはVRAMが多い専用GPUが望ましく、HD編集には少なくとも4GB、4K編集なら6GB以上を目安にすると良いでしょう。

ストレージも動画編集に適した構成にするのが理想です。具体的には、動画編集ソフトや編集中の素材を扱うSSD(スピード重視)、編集済みのデータ群などを保存しておくHDD(容量重視)という2つの構成がおすすめです。

なお、3DCGアニメーションを制作したい場合、さらに要求スペックが引き上げられます。例えば、業界標準のMayaを用いる場合、高クロックかつマルチコアのCPU(最新のCore i7/i9やRyzen 7/9クラス)や32GB以上の大容量メモリが推奨の他、快適にモデリング・レンダリングを行うにはRTX 3060以上のGPUや16GB級のVRAMなど、プロ仕様のハードウェアが望ましいとされています。

(2)動画編集ソフト

動画編集を仕事としたい場合、どのソフトを学ぶか、動画編集ソフトの選択が非常に重要です。

一般的な動画編集であれば、業界標準とも言えるAdobe系ソフトを強くおすすめします。代表的なのがPremiere Proで、プロの現場でも広く使われる編集ツールです。さらに凝った映像表現をしたい場合には、After Effectsも併せて習得すると良いでしょう。

一方、3DCG分野を志向する場合は、映像編集ソフトに加えて3DCGソフトも必要です。

日本の映像業界ではAutodesk社のMayaが業界標準ソフトとして広く使われており、アニメーション制作やゲーム開発など幅広い分野で採用されています。近年はオープンソースで無料のBlenderも徐々に採用が増えていますが、国内制作会社でのシェア率はMayaが圧倒的で事実上の業界標準と言えます。

総じて、動画編集にはAdobe系ツールを中心に、自分の目標に応じて適切なソフトウェアを選択・習熟することが重要です。

(3)画像編集ソフト+音声編集ソフト

動画編集では画像加工や音声処理のスキルも欠かせません。

映像作品には静止画素材を用いることが大半で、その素材加工には画像編集ソフトを使用します。特にPhotoshopのスキルは必須レベルであり、プロの映像制作の現場では、写真の色味調整やテロップ用の透過画像作成、ロゴデータの編集などを行う際にPhotoshopが標準ツールとして使用されています。

また、音声編集ソフトも使えるようになると一歩リードできます。動画は映像だけでなく音のクオリティも作品の出来を左右しますが、初心者が制作した動画では音周りが軽視されがちで、音割れやBGMとセリフ間の音量差などの問題が散見されがちです。

音声編集ソフトによるノイズ除去や音量正規化といった音声処理ができるようになると、作品の完成度が格段に上がります。実際、映像業界では「良い動画になるかどうかは音にかかっている」とまで言われており、映像編集の現場では音声の質に細心の注意が払われます。

このように画像/音声編集ソフトも用意し、それぞれのスキルを磨くことができれば、最終的には動画全体の完成度にも寄与します。

(4)生成AIツール

近年話題の生成AIツールは、動画編集の学習においても非常に有用です。

編集作業を進める中で「こういう演出をしたいが、ネット検索では求めている情報に行きつかない」「そもそもエフェクト名が分からず検索しようがない」といった壁にぶつかることが非常によくあります。そこで強力な助っ人となるのが生成AIツールです。

例えば、自分の置かれた状況や知りたい内容を具体的に伝えれば、海外のフォーラムや英語情報を含む膨大な知見の中から有益なアドバイスを引き出すことができます。生成AIに編集上の疑問点を質問したり、エラーの原因を尋ねたりすることで、検索に何時間も費やしていた問題が解決できる可能性があります。

中でもChatGPTの有料版は回答の精度が高く、より信頼性のある情報を得やすいのが利点です。もちろん無料版でも利用自体は可能ですが、動画編集のような高度で複雑な質問では回答の正確性に差が出るため、余裕があれば有料版の導入を検討すると良いでしょう。

(5)英語スキル

英語力は動画編集において必須ではありませんが、習得しておくと大きな武器になります。

日本語で得られる映像編集の情報は基礎的なものが中心で、専門的・高度な内容になるほど国内で公開されている教材や解説が少なくなる傾向があります。これに対し、英語が理解できれば利用できる教材・情報源が飛躍的に広がり、独学でも高度なスキルを身に付けやすくなります。

例えば、ある特殊な視覚効果の実装方法について日本語では資料が見当たらなくても、英語で検索すれば海外のフォーラムやチュートリアル動画が見つかることも珍しくありません。英語が分かればこうした情報格差を埋め、結果的に習得スピードやスキルの深まり方が向上します。

また、将来的に仕事として映像制作を手掛ける場合にも英語力は強みになります。海外クライアントとのやり取りや、英語圏向けの動画制作にも対応できるため受注できる案件の幅が広がる可能性があります。

このように英語スキルは動画編集において必須ではないものの、“あるとかなり強いスキル”として重宝することは言うまでもありません。

何から始めるべき?動画編集の独学ロードマップ

では、実際に動画編集の勉強を始めるにあたり、何から手を付ければよいのか?

ここでは動画編集における独学ロードマップを解説します。いきなり闇雲に取り組むのではなく、段階的にステップを踏むことで効率よくスキルアップできます。

(1)基礎技術の習得

まずは動画編集の基礎技術を身につけることから始めましょう。

主にカット編集、クリップの繋ぎ合わせ、テロップ(字幕)の挿入、簡単なエフェクト(フェードイン・アウト)やBGM挿入などは、どの映像でも共通する基本作業です。幸い、これら基本については良質な教材が数多く存在します。

YouTube上には初心者向けの解説動画が無料かつ豊富にあり、手順を追いながらソフトの操作方法を学ぶことができます。「動画編集+初心者」「ソフト名+エフェクト名+使い方」などで検索すれば、画面キャプチャ付きでソフトや機能の使い方をゼロから教えてくれる動画がたくさん見つかるはずです。

なお、基本操作については「実際に手を動かして慣れる」のが一番です。最初のうちは見慣れない編集画面や専門用語に戸惑う場面も多いと思いますが、完成までの手順を一通り経験することで基本的な流れが掴めてきます。

(2)既存作品の模倣練習

基礎を一通り学んだら、次はお手本となる映像作品を模倣してみる練習がおすすめです。

自分が「こんな動画を作りたい」と感じる作品を一つ選び、それと似たテイストの動画を自分で再現してみましょう。この際、既存作品を単にコピーするのではなく、「なぜこの場面でこの演出を入れているのか」「どんなエフェクトが使われているのか」など制作者の意図を探りながら真似るのがポイントです。

なお、「人の作品を真似るのは面白くない」「初めからオリジナル作品を自由に作りたい」と感じる方もいるかと思います、この模倣練習には2つの大きな利点があります。

まず編集ソフトの様々な機能を体系的に覚えられること。これまで使わなかった機能も「お手本通りに作るには必要だ」となれば調べて使うようになります。その結果、表現方法の引き出しも増えます。

特にプロの演出は訴求力のあるものが非常に多く、それらを模倣・習得することで最終的には自分の作品レベルも上げることができます。

(3)自主制作の実践

基本と応用をある程度習得したら、オリジナルの映像作品を自主制作してみましょう。

なお、これはポートフォリオに掲載する作品として取り組むのがおすすめです。目的なしに動画を作っても何かと行き詰りやすい他、将来的に動画編集を仕事にしたい場合、入りたい業界に合わせた作品を用意しておくと大きなアピールになります。

例えば、テレビ番組の編集者を目指すなら、ニュース風やバラエティ番組風の動画を自主制作作品として作ってみると良いでしょう。あるいはミュージックビデオを手掛けたいなら、フリー音源に合わせたショートMVを制作してみるのも一案です。

繰り返しますが、大切なのは将来関わりたい分野に即した内容にすることです。自分の入りたい業界・分野を念頭に置き、その世界観やフォーマットに近いオリジナル作品に仕上げましょう。面接や営業の場でも「この人はうちの求めるテイストを理解している」と好印象を与えられます。

(4)案件動画への挑戦

いよいよ実際の案件に挑戦してみるフェーズです。お金をいただいてクライアントの動画を編集することで、趣味の延長では得られない経験を得ることができます。

クラウドソーシングサイトを活用すれば、未経験者歓迎の簡単な編集案件も多く見つかります。国内最大手のCrowdWorksやLancersなど、まずはこれらに登録して自分にできそうな案件に提案してみましょう。報酬よりも経験優先と割り切って、小さな案件から着実に実績を積むことが大切です。

特に案件動画は編集スキル以外の能力も求められるため、特有の気付きも多いはずです。具体的には、クライアントの意図を正確に汲み取る傾聴力、企画意図に沿うための構成力や演出力、納期を守るスケジュール管理などです。

これらは映像制作の分野に身を置く以上、極めて重要な能力であり、間接的に動画自体の完成度や品質にも影響するものです。独学の方ほど対人折衝に戸惑うこともあるかもしれませんが、場数を踏めば慣れてきますし、コミュニケーションを重ねることで編集者としても視野が広がり成長できるはずです。

(5)業界転職・デビュー

十分なスキルと実績が身についたら、映像業界への転職やプロとしてのデビューを目指しましょう。未経験から独学で努力を重ねてきた人にとって、ここが一つのゴールであり新たなスタート地点でもあります。

映像制作会社への就職やフリーランスとして本格的に営業活動を開始する際には、これまでに作り上げたポートフォリオが何より重要な自己PRの材料となります。採用担当者やクライアントは作品を通じてあなたの力量を判断しますので、胸を張れる映像作品を数点用意しておきましょう。

また、映像業界への転職活動では人脈も大切な要素です。独学の場合、どうしても業界内の繋がりが乏しいことが多いので、作品を武器に積極的に門戸を叩く姿勢が必要になります。求人サイトやエージェント経由での応募はもちろん、映像系の勉強会やコミュニティに参加して人脈形成を図るのも重要です。

なお、最近では未経験から動画編集者に転身する人も増えているため、そうした転職希望者向けの採用枠を設ける制作会社もあります。必要に応じてこれまで身につけた資格(映像編集に関連するAdobe認定資格など)や実績数値(YouTube動画の再生回数や高評価数など)もアピール材料に加えましょう。

そして、晴れて業界デビューが叶った後も学びは続きます。むしろプロの世界は日進月歩で、新しいソフトや技術トレンドが次々と登場します。独学時代に培った「自ら調べ、学ぶ習慣」は、プロとして長く活躍する上でも大きな強みです。初志を忘れず、常に最新技術をキャッチアップしながら映像クリエイターの道を歩んでください。

独学が難しい人はどうすればいい?

ここまで動画編集について、独学での学び方を説明してきましたが、中には「一人ではなかなか続かない」「自己流では限界を感じている」という方もいるでしょう。

その場合、独学に固執せず外部の力を借りる選択肢も検討してみてください。動画編集スキルを身につけるための専門的な教育機関やスクールも存在します。

専門学校

本格的に映像制作技術を学びたい人には、映像系の専門学校がおすすめです。

専門学校の最大の利点は、最新設備が整った環境で体系だった指導を受けられることです。プロを育成するカリキュラムの下、必要な知識・技術を基礎から順序立てて学べるため、独学では掴みにくい原理原則もしっかり理解できます。

特に映画並みのVFXや3DCG、アニメーションなど高度なスキルを要する映像制作に携わりたい人にとって、専門学校での集中的な講義は有効です。また学校には映像業界に繋がりのある先生、同じ夢を持つ仲間が集うため、人脈形成やチーム制作の経験が積める点もメリットになります。

ただし、専門学校に通うためには経済的・時間的投資が必要です。一般的に映像系専門学校の学費は、2年間で数百万円規模の出費になります。加えて、社会人は仕事との両立を考えると夜間部に限定されてしまうため、専門学校自体の選択肢も少なくなってしまいます。

したがって、専門学校は経済的・時間的に余裕があることを前提に、「お金と時間をかなり投資してでも最短距離でプロの技術を網羅したい」という強い意志がある方にマッチする選択肢と言えます。

動画編集スクール

副業や短期習得が目的であれば、民間の動画編集スクールを利用する方法もあります。

近年はオンラインを中心に、未経験者向けに動画編集の基礎スキルを教えるスクールが多数登場しています。特に「副業でYouTube動画の小口案件で小さく稼ぎたい」といった明確な目的がある人には、カリキュラムの内容が副業に直結するため動画編集スクールがおすすめです。

編集ソフトの基本操作はもちろん、中にはYouTube特有の編集テクニックまで網羅した講座がある場合もあり、未経験でも効率的に学べるのが利点です。独学でつまづきがちなポイントもその場で質問でき、正しい手順や業界標準のノウハウを教えてもらえるため、習得までの時間を大幅に短縮できます。

さらに、課題制作を通じて実践力を養えたり、同じ目標を持つ仲間との交流を持てたりするのもスクールならではの利点でしょう。モチベーション維持が苦手な人でも、カリキュラムに沿って進めるうちに動画を完成させる成功体験を積めるので、「三日坊主」で終わりにくい環境と言えます。

注意点としては、スクール選びを誤ると「高額な受講料に見合った成果が得られない」リスクもあることです。最近は動画編集ブームに乗じて様々なスクールが乱立しているため、口コミや実績をよく調べ、信頼できるスクールを選ぶことが大切です。

まとめ

動画編集の勉強方法について、必要なものや独学でのロードマップ、そして独学が難しい場合の選択肢まで一通り解説しました。

初心者であっても、正しい手順を踏めば動画編集スキルは十分に習得可能です。まずは身近な機材とソフトを用意し、無料教材などで基礎を学ぶことから始めましょう。

基礎を習得したら模倣練習や自主制作に取り組み、自分なりの作品づくりを通じて応用力を養ってください。そして少しずつ実案件にも挑戦し、技術だけでなくクライアント対応力や制作全般のスキルを高めていきましょう。

こうした段階を踏むことで、未経験からでも着実に映像クリエイターとしての実力を伸ばせます。独学は自分のペースで進められる反面、迷いや行き詰まりもあります。そんな時は思い切って専門学校やスクールの力を借りるのも一つの手です。

大切なのは、映像制作が「好き」という気持ちを持ち続け、学び続ける姿勢です。ぜひ今回紹介した方法やロードマップを参考に、楽しみながら動画編集のスキルアップに挑戦してみてください。

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