原材料費や人件費の上昇に加え、出店コストの高騰も続くなか、飲食業界では新規出店の成功確率をいかに高めるかが大きな課題となっています。外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、、約100店舗を展開する企業が実践している、売上を安定的に生み出すための具体的な取り組みを紹介します。
約100店舗展開する企業の売上再現性作りの手法
飲食経営の場合、大手企業でも中小企業でも変わらないことがあります。それは、あくまでも1店舗ずつの積み重ねでしかないということです。
1店舗でも赤字店ができてしまうと、黒字店舗の複数店舗分の利益を吹き飛ばすことになります。もちろん、赤字店ができてしまうと、次なる展開すらもできなくなります。
特に昨今では初期投資額が上がっています。
初期投資が上がっている分、利益率や利益額が向上していればいいのですが、決してそのインフレ分の客単価を上げられているわけではありません。そのため、基本的には投資回収期間が長くなっている企業が多いと思います。
そうなると、財務戦略に強くない企業、あるいは財務基盤の強くない企業以外は、やはりこれからの展開力が落ちてしまうことは必至です。
だからこそ、既存店の売上をしっかり伸ばし、既存店の収益性を最大にしていく。それを愚直にすることができるかが、大切になってきます。
しかし、昨今は「節約疲れ」という言葉もある通り、飲食店に対する来店頻度は落ちている傾向にあります。
来店頻度が落ちても、商圏人口がしっかりあるエリアであればそこまで気にしなくてもいいのですが、来店頻度の問題は郊外型店舗になればなるほど顕著だなと感じています。
リピート率が高く、QSCもしっかり高いにもかかわらず、来店頻度が落ちてリピーターの売上が減っている。このようなケースも多々あります。
このような状況の中で、どのように売上を安定的に得ていくのか。今回は、広く展開しているご支援先の中での取り組みをまとめてみました。
■戦略のミスは取り戻せない
どれだけ店舗力が良かったとしても、戦略のミスは取り戻せない。これが原則です。
戦略とは基本的に、立地と「そこで何をやるか」という業態の掛け合わせになります。
そのため、多店舗展開する上で大事にしていることは、王道展開です。言い換えれば、しっかりと市場規模が大きな業種・業態を選ぶということです。
その上で大事になるのが、どの立地に出すかになります。
こちらのご支援先では、出店立地商圏での常住人口と昼間人口を把握しています。
そして、それぞれの人口に対して同業種の店舗数を割ることで、1店舗あたりの昼間人口・常住人口を出しています。
そこに閾値を設け、「それ以上の人口であれば出店する」「それ未満の人口であれば出店しない」という明確な線引きを作られています。
新規出展する際の再現性が増したのは、この明確な線引きを作ったことも大きなきっかけでした。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■QSCに定義を
QSCを上げていく。それは当たり前のことですが、そもそも自分たちの業種業態にとってQSCの向上とは何かが言語化できていないお店もたくさんあると思います。
こちらはQSC各々において自社の基準が明確にあり、それをマネージャークラスの臨店や店舗カメラで逐一チェックできる環境が整っています。
では、なぜこのQSCのチェックを行っていくのか。
最重視しているのは、リピーター様関連の数字だからです。
主にチェックしているのは、以下の2点です。
1. 新規のお客様から2回目へのリピート率が15%以上達成されているか
2. リピーター様の売上が前年対比でしっかり伸びているか
この2つを重点的にチェックしています。
■ 新規のお客様から2回目へのリピート率が15%
この数値を達成していない場合は、基本的には本部側で新規集客の強化などには取り組みません。基本的にはQSCの向上です。
やはり初回の満足度が低ければ、そこにお金をかけて集客しても意味がありません。そのため、以下のポイントをしっかりチェックすることがマネージャーの仕事になってきます。
1. そもそもの商品力が高いか
2. 名物を提供できているのか
3. 提供時間は適切なのか
などなど、当たり前力の見直しです。
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■リピート売上が上がっているか
初回から2回目のリピート率が15%を超えているのに、リピート売上が上がってこない。その一番の理由は、来店頻度の低下が挙げられます。
来店頻度の低下に対して、今すぐできることとしては、メルマガやLINEの配信。
これの反響が良いのであれば、店舗側で頑張るべきなのはLINEの獲得率などになります。
このあたりを対策しても、なかなか売上が上がってこない場合は、商品開発の話になります。
リピーター様の来店につながる商品開発は何なのか。
とりあえず作ろうではなく、出数や売上構成比に対して「これ以上を超えたら成功」「これ以下だったら失敗」というような明確な線引きを持って商品開発を続けていくことが大切になります。
このあたりを対策しても、売上が伸びきらない。そうなると、そもそも入り口としての新規様の集客をどこまで最大化できるかが、次のステップになってきます。
■食べログについて
最近改めて、食べログに注力するご支援先が増えています。
数年前に店探しのツールとしてGoogleに順位を抜かされた同社ですが、足元の業績自体は好調。では、同社の業績を何が底上げしているかとなると、ネット予約になります。
かつ、このネット予約は今後はさらにインバウンド対策にも乗り出してくるので、「日本でのネット予約なら食べログ」というポジションを確実に狙っていきます。
しかも同社は欧州のファンドへ売却。どちらに転んだとしてもネット予約の従量課金をさらに伸ばしていく方向に舵を切るのは間違いありません。
また、Googleのレビューや評点の強化をすることによって、ここが本当に満足度の高いお店なのか、それとも単なる観光特化のお店なのかが分かりづらくなってきました。
このセカンドオピニオン的な部分としても食べログの評点が大切になってくる。このことから、改めて食べログの強化に価値を置いている店が増えているという印象です。
そのため、こちらのご支援先でも、基本的には3.5を基準値として、それを超えるように一つ一つの積み重ねを進めていらっしゃいます。
あとは「予約数 = アクセス数 × 来店率」という公式は以前から現在も全く変わらない為、その立地において、それぞれの評点で3.5を超えた場合にアクセス数や来店率がどう変化するかを正確に把握し、集客の再現性を達成されています。
月間でのアクセス数で見ると、やはりGoogleが圧倒的です。そのため、Googleの対策は進められています。
もちろん、最新情報の投稿、写真投稿、レビュー返信など最低限なことはやりつつ、本丸は評点とレビュー数に尽きます。
ここで大事なのは、Googleのレビュー評点に関しては、絶対評価ではなく相対評価ということです。
今までレビューを獲得していなかったお店が、月間で30件獲得できた。これは非常に嬉しいことですが、もし競合店が100件のレビューを増やしていたとしたら、逆に差が広まったということになります。
冒頭の通り、今は一番手に人が集まる時代です。そうなると、相対的な差が広がるというのは、結果的に集客ダウンにつながることになります。
そのため、新規プロジェクトの時から圧倒的に一番を達成するにはというところに力点を置いて、対策を加速されています。
まず、評点に関しては、やはり4.5以上が前提です。
Googleマップの検索において「4.5以上」というフィルターがある以上、そこをクリアしておかないとアクセス数が減ってしまうため、そこは必至です。
そしてレビュー数に関しては、基本的には月間300件以上の獲得を行い、3ヶ月目には累計で1,000件を超えるところまで最低限持っていきます。
その後は競合とのバランスです。この1,000件という数字で圧倒的に勝てるのであれば、ある程度獲得のペースを落としてもいいですし、もし競合がすでに4,000件や5,000件を達成しているような状況であれば、引き続き一気に力を注いでレビュー数を増やしていく必要があります。
やはりそのエリアにおいて、その立地の業種では最低限トップ3に入っているかどうか。これはアクセス率の視点でも来店率の視点でも大きな差になるなというのは、データを見ていても感じるので、ここは達成したいところです。
■広告の強化
Googleにおいても、集客の売上方程式は食べログと同じです。
来店数 = アクセス数 × 来店率
つまり、評価が4.5を超えーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2026年6月1日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
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