仕事が忙しくなると、多くの人は「早く終わらせること」を優先しがちです。しかし、急ぐあまり確認不足や判断ミスが増え、かえって手戻りやトラブルに追われてしまうケースは少なくありません。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さんは、「一つひとつを丁寧に行うこと」が仕事の精度を高め、結果として効率や成果の向上につながる理由について考えます。
一つひとつ心を込めて丁寧にすることで仕事の精度と効率が上がる
いろいろな人と話をしていて「日々、目の前の業務に追われている」という人は少なくない。
真面目な人ほど、多くのタスクをこなそうとする。
そして、知らず知らずのうちにいろいろと詰め込む。
詰め込めばスピードを上げて処理するしかない。
しかし効率を上げようとして急げば急ぐほど「自分の時間」が無くなってしまう。
この状況にはたくさんの罠が潜んでいる。
先日、知人のAさんと久しぶりに話をした。
Aさんは営業マネジャーとして活躍している。
自ら契約を取りながら、部下の育成もこなす。
しかし、ある時期からAさんの様子が落ちていく。
仕事量が増えていくにつれ、「一つひとつの仕事が雑になる」といった感じに。
・メールをしっかり確認せずに送る
・提案書の数字をサラッとチェックしただけで提出する
・部下の報告の表面上だけ聞いてアドバイスする
まあ、忙しいので仕方がない部分はある。
その結果、小さなミスが目に見えて増えていった。
ミスが増えればトラブルに発展する。
すると今度は、トラブルの対応をしなくてはならない。
そこに膨大な時間をとられることに。
精神的にもダメージを食う。
そして、さらに時間がなくなり、目の前の仕事がもっと雑になる。まさに悪循環。どんどん状況は悪化していった。
以前のAさんには、ちょっとした楽しみがあった。それはランチの時間。いい息抜きになる。
今まではAさんに会うと「この前、美味しい店を見つけましてね。今度行ってみてくださいよ」という話をよくしてくれた。コスパのいいお店から名店まで詳しかった。
しかし、仕事に追われる中でそんな時間が失われていった。
気づけばデスクにしがみつき、パソコンの画面を睨みつけながら、コンビニで買ったものを口に詰め込む。本当に味気ない日々だ。
そんな生活は長続きするはずもない。Aさんは過労で体を壊してしまった。しばらく仕事もできない状態になった。
この体調不良をきっかけに、Aさんはいろいろ改善することに。
この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ
まずは食事の見直しから。医者からの忠告もあったから、ということもあるが。Aさんはオーガニックの健康弁当を取り寄せるようにした。
食べてみると、味付けは薄め。それまで食べていた濃い味の食事とはまるで違う。最初は正直、かなりの物足りなさを感じたそうだ。
しかし、じっくりと30回以上噛んで、ゆっくり食べてみることに。
するとそれまで気づかなかった「素材そのものの奥深い味」が分かってくる。
食事の量も減り、ダイエットに成功。
健康の数値も一気に改善していた。
これだけでかなりのメリットがあったという。
さらに驚いたのは、食べ終わった後。
頭と気持ちがすっきりとリセットされた感覚を覚えたという。
この「ランチの食べ方」をきっかけにAさんは仕事への向き合い方を変える。
ある日、突然「食事を丁寧に味わうように、仕事も丁寧にやってみよう」と思いついた。そう決意し徹底して目の前の業務に意識を向けるように。
・メールを送信する前に、もう一度読み返す
・提案書の数字を、細部まで確認する
・部下の話をじっくり聞き、指示をわかりやすい言葉で伝える
これを徹底した結果、ミスが激減。仕事の精度が格段に上がった。
そうなれば、精度が上がり無駄なやり直しが一切なくなる。仕事が驚くほどスムーズに回り始める。
結果として、彼の手元には新しい「自由な時間」が生まれた。
その時間を仕事につぎ込まずに「リラックスする時間」にあてた。しかも数字や成果は、以前よりもさらに上がっているという。
Aさんは、嬉しそうに「丁寧にやるようになってから、仕事全体のスピードが圧倒的に速くなったんです」と言っていた。
成績も上がり、ストレスも激減。
これこそが、目指すべき最高の好循環に他ならない。
私はコンサルタントとして、これまで多くの人を見てきた。
長く結果を出し続ける人ほど、一つひとつの行動が丁寧。細かい部分に絶対に手を抜かない。そういった特徴がある。
一方で、成果が伸び悩む人は、「ちょっとしたことが雑だな」と感じる。
慣れてくるにつれ「まあ、これくらいでいいだろう」となってしまう。そうやって手を抜いた瞬間から、仕事の歯車が狂い始める。
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「一つひとつ丁寧にやる」というのは、決して「ダラダラと時間をかける」という意味ではない。
丁寧さとは、時間の長さではない。
向ける意識の深さで決まる。
たとえば、提案書を作る際「相手は何を求めているか」とじっくりと客観的に考えてみる。それだけで内容がガラッと変わってくる。
時間にすれば、ほんのわずか。
しかし、そのわずかな「立ち止まって考える」という意識が、仕事全体の精度を劇的に引き上げる。
多くの人が「丁寧にやっていたら、時間がかかってしまう」と思っている。
しかし、実際は全くの逆。
雑にやるからこそ、ミスが生まれ、そしてその穴埋めに余計な時間を奪われる。
心を込めて丁寧にやれば、仕事にムダが無くなる。
一度で終われば、すぐに次のステップへ進める。
結果として、そちらの方が圧倒的に速くゴールにたどり着ける。
ここで一度、胸に手を当てて振り返ってみてほしい。
あなたは最近、目の前のことに心を込めて丁寧にやっているだろうか?
・人の話をキチンと聞いているか
・お客様への対応を、ただの「流れ作業」にしていないか
・「まあいいか」で済ませてしまっていないか
どれか一つでいい。
まずは一つだけ心を込めて丁寧にやる。
それだけで、仕事の精度と効率は確実に上がっていく。
そして必ずや好循環に入っていくだろう。
【本日のポイント】
・仕事は時間の長さではなく、向ける「意識の深さ」で決まる
・一つひとつ丁寧にすることで結果としてスピードが上がる
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