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イランが「防衛から攻撃」へ。米トランプとの停戦協定「期限切れ」を前に動き出した“最強硬派”と武装部隊

アメリカとの停戦協定が期限を迎える中、一歩も引かない姿勢を見せ続けるイラン。「ホルムズ海峡の米国領化」まで口にし始めたトランプ大統領ですが、残された選択肢はあまりに少ないのが現実のようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、攻守が入れ替わりつつあると見るイラン戦争の現状と米国が抱える問題を分析。さらにウクライナ戦争にも目を向け、戦争拡大への備えと対話の重要性を訴えています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:イランの攻撃開始か?

イランの攻撃開始か?「最強硬派」を国防トップに任命したモジタバ師の見据える先

イラン戦争で、米国がイランを攻撃しないし、イランとの交渉もできないし、イランの要求も拒否していることで、イランが攻撃する方向である。攻守が入れ替わることになる。今後を検討しよう。

先週、株価は300ドル下落。イラン戦争で、トランプ氏は攻撃中止を指示した。しかし、石油備蓄は減り続け、6月雇用統計でも2.3万人減となり、7月米消費者物価指数も3.4%と低く、米小売売上高が7月は0.6%減になり、かつ米7月企業物価指数も前年比4.7%上昇で伸び鈍化なったことで、FRBの利上げ観測は後退したが、夏休みで市場は夏枯れの状態で、値動きも低調になっている。ドル円は159円台まで戻している。

米財務省は過去最大の7月予算で4,320億ドルの赤字になり、米国債の2026会計年度の総利払い費は、1兆1,700億ドルに上る見込みだという。この結果、利払い費は国防費とメディケア支出の両方を公式に上回った。

このため、10年国債金利を下げる必要になっている。ウォーシュFRB議長にトランプ氏は利下げを要請している。米国債金利は、現時点4.683%で入札を掛けているが、入札は低調であったようである。しかし、金利が6%を越えると利払い費が危機的な状態になるという。

米国債入札は、2月、5月、8月、11月であり、この時期に金利を下げようと、ベッセント財務長官は考え、このため、日米協調介入となったようであるが、どうも介入額は非常に少なかったようである。宣言効果を最大にして、実際の介入は少なく、そのため、ユーロドルに目立った影響がなかった。

しかし、米戦略石油備蓄の原油在庫が、1983年以来初めて公式に3億バレルを下回り、在庫は先週、さらに610万バレル減少して、2億9,870万バレルとなった。米石油備蓄は40年以上ぶりの低水準だ。このため、石油価格の高騰が年後半に起きる可能性がある。現時点は、中国の景気後退で消費量が減り、これが石油高騰を防いでいる。

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具体的に「核兵器使用の検討」を開始したアメリカ

最高指導者モジタバ・ハメネイ師は9日、国防・外交を統括する最高安全保障委員会の事務局長に強硬派のモフセン・レザイ氏を任命。比較的穏健派に理解のあったゾルカドルガ最高国家安保会議書記を交代させた。なお、レザイ氏は精鋭軍事組織「革命防衛隊」の元司令官であり、最強硬派である。

このレザイ事務局長は11日、米国が行動を改め、戦闘終結に向けたイランの6条件を受け入れない限り、ホルムズ海峡の封鎖は解除されないとした。レザイ氏は「米国は戦闘を終結させ、凍結されたイラン資産を返還しなければならない」という。

米国がミサイルと迎撃装置を使い果たしつつある一方で、イランはミサイルとドローンの生産は「無尽蔵で加速している」と述べた。これは、イスラエル情報当局も、イランが軍事能力を2027年半ばまでに戦前レベルまで再建可能と評価しているという。

この上で、イランは軍を積極的に再編し、海外での攻撃態勢に移行し、トランプ氏が2029年1月20日に退任するまで戦争を長引かせると脅迫し、防衛から攻撃へ転換するという。

ハメネイ師は大規模な再編を承認、強硬派を革命防衛隊(IRGC)および治安部門のトップに任命した。

その上、イランの要求が満たされない場合、武装部隊に攻撃作戦の実行を命じるという。イランは、経済的な世界の苦境を実現し、かつ、これまで深刻な攻撃をしなった米軍艦船を攻撃するようである。

反対に、バーレーンとUAEのフジャイラは、伝統的に米空母が休息し、再補給するための主要な港だったが、両方ともイランの中距離ミサイルの射程内にあるので、米海軍は主要な地域後方支援拠点をディエゴガルシアに移したが、米軍兵士たちは補給物資を十分に迅速に受け取っておらず、士気は急落している。

そして、ディエゴガルシアはイランからおよそ4,000km離れており、イランは依然としてこの島を攻撃できる長距離弾道ミサイルを持っている。

対して、トランプ氏は、経済的圧力という従来の戦略に戻っている。全面的な戦争の再開に消極的で、外交交渉にも慎重なトランプ氏は、金融制裁と米海軍によるイランの港湾封鎖が経済的打撃を与えるのを待つ様子見の姿勢だという。このため、スコット・ベッセント米財務長官は、来週から、イランに対して「これまでにない措置」を適用すると発表した。

ヘグセス米国防長官も13日、米軍にはイランに対する海上封鎖を必要な限り継続できる十分な戦力があるとした。

しかし、湾岸のエネルギー生産国はトランプ氏への信頼を完全に失い、イランのホルムズ海峡に対する恒久的な支配を静かに受け入れつつある。代替案である戦争への回帰は、それ以上に悪いからだという。

しかし、イエメンのフーシ派は、サウジアラビアのナジュランにあるサウジアラムコの石油施設を攻撃した。サウジとフーシ派の戦闘が起こっている。

この状況で、米イラン停戦協定が8月17日月曜日に期限切れを迎えることになる。トランプ氏は、ホルムズ海峡を「近く米国の領土だと宣言する」と語った。戦闘を中止して、どうやって、海峡を奪うのであろうか?

しかし、米国が攻撃用弾薬と防空ミサイルが枯渇したことで起こっているので、ペンタゴンの上級幹部コルビー氏は、米国が「核兵器の具体的かつ潜在的な使用に関する戦略を現在見直している」と述べ、米戦略軍司令官のリチャード・コレル海軍大将は、国防総省がトランプ氏に利用可能な「選択肢の拡大」を検討し、「あらゆる想定可能なエスカレーションシナリオのための意思決定の余地」を提供していると付け加えた。

コレル氏は、これが「通常戦力から、もし想定するなら、ある種の限定的な核使用の最高レベルのエスカレーションまで」を含み、「エスカレーション・マヌーバ」として機能すると述べた。

というように、米国は、徐々に具体的に核兵器使用の検討を開始している。このコラムで当初から心配していた状況になっている。

イランに米国は負けた状態であり、米国の逆転は核兵器しかない事になっている。そして、イランに米国が負けた状況は、世界に多大な影響を与えている。

8月16日朝9時現在の状況であり、非常に早く事態が動くので、X等で事態の推移を追いかけてください。

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プーチンの「電撃的な北方領土訪問」が持つ意味

パトリオット防空ミサイルの枯渇で、ウクライナはロシアの弾道ミサイルの防御ができなくなっている。このため、ロシアの攻撃から守るため、エネルギーインフラを地下に移設している。

そして、ウ空軍は12日、ロシアの弾道ミサイル攻撃に関する詳細な数値の公表を停止すると発表した。

この対応策としては、ウ軍は、ロシアに対する深部攻撃を新たな段階して、攻撃の規模と強度が大幅に増加させるしかないようだ。

この状況で、独自防空ミサイルを持つ韓国は、ウクライナの防空ミサイルやその他の軍事支援の要請を検討する際、北朝鮮のロシアへの部隊派遣を考慮するという。韓国は提供する可能性が出てきたようだ。相当な米国の働き掛けがあったように思う。

もう1つ問題なのがジェット推進のシャヘド・ドローンであり、フェドロフ前国防相は、「ロシアのジェット推進式のシャヘド・ドローンへの対処の重要性」に言及し、この1年間、我々のチームは迎撃ドローンの開発に携わってきた。先日、時速600kmを超える速度で飛行できるドローンを製造しているという。

そして、ウ軍は、ノヴォロシースク海軍基地に対する大規模な攻撃で、黒海艦隊のロシア軍艦艇4隻に深刻な損傷を与えることに成功したという。それと、ウ軍は、クピャンシク地域のドヴォリチナ近郊で突破口を開き、ドヴォリチナの町に侵入し、さらに南の陣地を脅かしている。

一方、ロシアのプーチンは北方領土を訪問したが、これは、西側対東側の戦いになったことで、日本をけん制する目的になっている。

イランに米国が負けたことで、ロシア、中国、北朝鮮の軍事同盟を強固にして、中国の台湾侵攻を助けることを明示したことによる。

この他に、米国が負けたことで、インドネシアが中国と台湾沖で軍事合同演習を行うなど、世界の流れが米国から中国にシフトしたように見える。米国の負けは、今後も世界に大きな影響を与えるように見える。米国はキューバへの侵攻もできないことになった。東側優勢の状況にシフトした印象がある。

ということで、世界が繋がっているので、西対東の戦いになり、韓国もウクライナを助けないと、米国から切り離されることになり、西と東の戦いの中間にいることができなくなっている。

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片山財務相の「後任人事」次第で地獄を見る日本

先週、株価は2,900円の上昇。ドル円は159円まで戻している。企業決算で8割の企業が増益になっているし、5割弱が増配だ。

このため、総合PERは17.32倍まで低くなり、18倍で6万8,182円、19倍で7万1,970円までの上昇が可能である。そして、現時点で18倍に到達している。

6月企業物価は7.1%上昇で、上昇率は3年3ヶ月ぶりの高い伸びであり、企業は値上げで収益を確保している。このため、企業収益は増大する。

この状況で、日米協調介入で155円台になったが、介入では円安トレンドが変わらないので、円安方向に動いている。円安のトレンドを確実に変えるのは、日銀の連続利上げと高市政権での秩序ある財政政策しかないようである。

次の試練は、内閣改造で片山財務相の代わりに、積極財政の人が財務相になった時点、その次が来年度予算案が出た時点であろう。

城内実経済財政担当大臣は、「積極財政は円高圧力になる」という。投資家や経済理論とは、完全に違う意見を述べてるので、この人が財務相になったら、大変なことになる。円安が止まらない。ドル円が190円台になると野村証券は言う。

どちらでも、トラス・ショックのような円安と長期国債金利の急上昇になる可能性があるし、10年国債金利が3%を越えた時点で、利払い予算が急膨張する危険がある。

同時に、日本国債金利上昇で、日本の生損保、銀行が米国債を売り、日本国債を買うと、円キャリートレードの巻き戻しが起きて、一気に円高になる可能性もある。その意味では城内実氏の意見も一理あるが、そこになるまで地獄を味わうことになる。

この状況で、インフレが進み、NHKの世論調査によると、高市内閣支持率が、53%に5ポイント低下し、不支持率は33%に6ポイント増加し
た。

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米国がイランに負けた今、高市首相が持つべき覚悟

米国がイランに負けた状態になり、中東各国は米国離れになり、イランとの関係を正常化する方向で、その上、パトリオット防空ミサイルがなくなり、ウクライナも一時の優勢状況から苦戦状況になり、韓国も米国か中国かの選択を迫られ、インドネシアは中国と台湾沖で軍事合同演習を行うなど、西か東かの選択が世界的に求められている。

日本は日米同盟関係を維持して、その上でロシアとも付き合おうとしているが、それを許さなくなっている状況である。米国が負けた影響は大きい。中間地帯を米国も許すことができないし、中露も許さなくなっている。

その上、中国は最先端分野で、米国を追い上げているので、中国と友好関係を持つと、AIなどで優遇されることになり、中進国にとっては、中国の方が米国よりメリットが大きい。

この状況になると、イラン戦争、ウクライナ戦争から世界大戦に移行する可能性もあり、恐ろしい状況になる危険性が増している。

高市首相も、覚悟が必要であり、中国と敵対することは、東側諸国全体と敵対することになると思い、準備を進めないといけない。

その上で、戦争にならないように対話も行い、交渉もすることである。それと、安全保障は軍事、食糧、エネルギーの準備が重要だということを忘れずに行うことである。

もう、そのような状況になっていると思うしかない。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2026年8月10日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by: Robert V Schwemmer / Shutterstock.com

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【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

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