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高市内閣の支持率「62.6%」という世論調査の非現実。この国は「パラレルワールド」か「夢の国」か?

同時期に実施された世論調査でありながら、報道機関によって大きな開きが生じている高市内閣の支持率。閣僚の不祥事や政権の物価高対策に厳しい評価が下される一方で、高支持率を維持する結果も発表されています。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、報道各社の世論調査を比較しつつ、内閣支持率と個別の政策や閣僚人事に対する評価の食い違いを指摘。さらに年代別の支持率にも目を向け、自身の実感とあまりにかけ離れた調査結果に率直な疑問を投げかけています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:別世界の世論調査

どこの次元で出た結果?別世界の世論調査

このメルマガが配信される10月21日で、ちょうど発足から1年を迎える高市政権ですが、そんなタイミングで実施された報道各社の全国世論調査は、毎度のことながら各社バラバラの結果となりました。あたしはラジオっ子なので、最初に聞いたのは文化放送がニュースで流した共同通信社の全国世論調査の結果でした。

共同通信社は10月17、18両日、全国電話世論調査を実施した。高市内閣の支持率は49.1%で、政権発足以来初めて50%を割り込み最低となった。

このニュースを聞いて、あたしは既視感を覚えました。それは、その媒体の世論調査で初めて高市内閣の支持率が過半数を割った時の「政権発足以来初めて50%を割り込み最低となった」というお約束のフレーズです。高市内閣の異常で不思議な支持率については、以前、このコーナーでも取り上げましたが、毎日新聞や時事通信社の世論調査では、すでに何カ月も前から50%を割り込んで40%台が続いているからです。

その一方で、高市首相や閣僚たちがどんなにしくじっても、高止まりしたままの内閣支持率を発表し続けている媒体もあるのです。たとえば、共同通信社が「49.1%」と発表した今回の内閣支持率ですが、産経新聞とFNNが17、18両日に実施した合同世論調査では、前回より1ポイント増の「62.6%」なのです。

他の設問を見てみると「簗和生農水大臣の辞任」については85.0%が「妥当だ」と回答し、「妥当ではない」と回答したのはわずか9.8%です。つまり、大半の回答者が簗大臣の言動や行動を「大臣として不適格」と見ているのです。そうであれば、その簗大臣を更迭せずに強引に続投させようとし、新たな疑惑まで発覚してかばい切れなくなり、世論の声も大きくなり事実上の更迭を余儀なくされた高市首相も、任命責任と併せて初期対応のまずさが指摘されて当然でしょう。

それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…と、さっそく五七五の俳句調で嘆いてしまいますが、高市内閣の支持率は前回より1ポイント増の「62.6%」、下がるどころか前回より上がっているのです。同じ媒体の同じ世論調査の同じ回答者たちが、簗大臣の不祥事には「NO!」を突き付けながら、こんな人物を大臣に任命し、問題発覚後も庇い続けた高市首相には「な~んも責任ありましぇ~ん」と言っているのです。これほどおかしなことこそ「ありえましぇ~ん!」と言いたいです。

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5カ月連続で下落し続ける時事通信の支持率は42.4%

また、読売新聞とNNNが16~18日に実施した合同世論調査でも、内閣支持率は「ほぼ横ばい」の「57%」でした。「ほぼ横ばい」と言っても、こちらは前回の59%から2ポイント下落と、微妙に下がっています。こちらの調査でも「簗大臣の辞任」について「当然だ」との回答が8割を超えています。その上、高市政権の「物価高対策」については「評価する」が29%、「評価しない」が61%、悪いほうへのダブルスコアでした。

しかし、これほどのマイナス要因があっても、高市内閣の支持率は「ほぼ横ばい」の「57%」なのです。つまり「簗大臣の辞任」を「当然だ」と回答した8割超の人たちの半数以上、高市政権の「物価高対策」を「評価しない」と回答した6割超の人たちの半数近くが、それでも高市内閣を「支持する」と回答しているわけです。

正直、あたしには意味が分かりません。自分に不利益を与えた人物のことを激しく批判しながら、その原因を作った人物のことを支持し続けるなんて、こんなトンチンカンな人たちが本当に日本に存在しているなら、1人ずつ順番に頭蓋骨をカパッと開けて、ちゃんと脳みそが入ってるかどうか確認したくなっちゃいます。

そこで、冒頭で揚げた共同通信社の世論調査の「簗大臣の辞任」についての設問を見てみると、これは「81.5%」と、産経新聞とも読売新聞ともほぼ同じなのです。しかし、共同通信社の世論調査はこれに留まらず「辞任の時期」についても問うています。そして「遅過ぎた」が57%と過半数を占めているのです。

つまり、共同通信社の世論調査では、簗大臣を問題視する回答者が8割超だっただけでなく、問題発覚後の高市首相の対応の遅さを指摘する回答者も6割近くいたのです。そして、その結果が、前回の53.4%から4.3ポイントも下落して「49.1%」と過半数割れした内閣支持率だったのです。これなら、実体と調査結果が合致してますから、あたしは納得できます。

他の媒体の内閣支持率を見てみると、朝日新聞が17、18両日に実施した全国世論調査では、前回の51%から1ポイント下落の50%と、わずかに下がっても何とか土俵際で踏ん張って過半数を維持していました。一方、8月は41%、9月は45%と、以前から辛口の内閣支持率が続いて来た毎日新聞は、今月の世論調査はまだのようで、現時点では報じられていません。

その代わり、やはり辛口の時事通信社が9~12日に実施した全国世論調査を見てみると、内閣支持率は前回の44.1%から1.7ポイント下落して42.4%と過去最低を更新しました。ちなみに、時事通信社の世論調査では、6月から5カ月連続で内閣支持率が下落し続けていて、高市首相自身のネガキャン疑惑やサナエトークン問題などもちゃんと支持率に反映されて来ました。

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これまで会ったこともない「高市早苗が好きだ」という人

今回も簗大臣を問題視する声が8割弱と、共同通信、産経新聞、読売新聞らと足並みを揃えているだけでなく、もう1人の「裏金議員」である関芳弘文科大臣の人事についても、65.9%が問題視しています。その結果、今回の高市首相による内閣改造について、「評価する」28.0%。「評価しない」が50.6%と、政治の実態に即した回答が得られているのです。

「裏金議員」を2人も入閣させただけでなく、その2人の不祥事が揃って発覚し、1人は事実上の更迭に追い込まれ、もう1人も絶賛炎上中なのですから、こんな人事に「NO!」を突き付ける回答者が5割を超えるのは当然です。しかし、これまた不思議なことに、前回より1ポイント増の「62.6%」という高い内閣支持率を報じたFNNが、9月の内閣改造の前に実施した世論調査を見てみると、「裏金議員の入閣」に「反対」と回答した人が71.6%と7割を超え、「賛成」の20.9%のトリプルスコアを叩き出していたのです。

7割超の人が反対した人事をシレッと実行し、その「裏金議員」が2人揃って問題を起こしたのに、内閣支持率は下がるどころか1ポイント増の「62.6%」って、一体どんな魔法を使ったのでしょうか?もちろん今回と前回、まったく同じ人たちに聞いたわけじゃないので、回答に一貫性がなくても多少は許容範囲です。

でも、ここまで真逆なのは天変地異レベルの異常事態です。それに、そもそもの話として「裏金議員を大臣にするなんてとんでもない!」と思っている国民が7割以上いると推測するのは、普通に考えて極めて現実的なのです。

それなのに、そんな人事を強行した高市内閣の支持率が1ポイントと言えどもアップするなんて、こんなの前後左右ついでに斜め上からも、どこからどう見ても現実的にありえません。事実、共同通信や時事通信のように、ちゃんと実態に即した内閣支持率を報じている媒体もあるのですから、この期に及んで「62.6%」だなんて、盛るにしても程度をわきまえてほしいです。

ちなみに、この「62.6%」という考えられない内閣支持率を報じた産経新聞とFNNの合同世論調査では、高市内閣を「支持する」と回答した人の年代別の割合を次のように発表しています。

18~29歳:70.7%
30代:70.2%
40代:63.6%
50代:68.3%
60代:65.3%
70歳以上:50.0%

これが事実だとすると、18歳から39歳までは10人に7人が高市支持者ということになりますよね?でも、あたしは今まで、高市内閣を支持するという人にも、高市早苗を好きだという人にも、1人も会ったことがありません。あたしの知り合いにも自民党の支持者は一定数いますが、そういう人たちの大半は石破茂前首相の支持者であって、現在の高市首相には否定的な人ばかりです。

一体、どこの別世界で世論調査を実施すれば、ここまで現実とかけ離れた結果が出るのでしょうか?夢の国でしょうか?それともパラレルワールドでしょうか?まさに異次元な今日この頃です。

(『きっこのメルマガ』2026年10月21日号より一部抜粋・文中敬称略)

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