日常での何気ない「うっかりミス」……実は心に大きなストレスを受けていることを示す危険信号だった! 『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者・しんコロさんは、最近ドジが多くて、と嘆く読者からの投稿に対し、決してドジだけでは済まされない問題であると警鐘を鳴らしています。
しんコロさんはこんなドジなことしないですよね?
Question
トースターについてはいろいろあって、そもそもコンセントをさしていなかったとか、パンを乗せたままフタを閉じていなかったとか、パンを入れ忘れてチン!と鳴ったとか……etc.
しんコロさんはこんなドジをしないイメージですが、実際はどうですか? それとも、こんなこともあるけどそれは隠しているのですか?(笑) もしくは、こんなこともあるけどそれってみんなに話すこととか考えたことがなかった! のですか? 私は明日、無事に朝食の支度ができるでしょうか?
しんコロさんの回答
この質問を読んだ皆さんの多くが「ドジだなぁ、私ならそんなことないよ」くらいに思ったかもしれません。コンセントを間違えてしまったり、トースターでパンを焼くような簡単な作業の順序を誤ってしまったり。
でも、これらのミスは、本人としても望まずしてしまっていることなのです。これらは「ドジ」と片付けてしまうよりも、その裏にある自分の状態を見つめなおすことが大切だと思います。
実は、ストレスが多い時には人間は集中力がなくなって、このようなうっかりミスをするようになります。そんなミスが多発している時は「自分のドジを治そう」と、自分を責めるのではなくて、自分がストレスを受けている状態にいないかを確かめることが必要です。そしてもちろん、そのようなストレスをうまく回避したり、軽減する方法がないかを考えることが大切です。
さて、頭や心の機能を測定する目安として「知能指数」があるのは周知のことと思いますが、心にも「心の知能指数」というものがあります。IQ(知能指数)に対してEQ(Emotional Intelligence Quotient)という指標があり、この指標によってEI(Emotional Intelligence)が測定されます。
このEI(心の知能)とは、自分や他人の感情を知覚したり、自分の感情をコントロールしたりする知能のことをいいます。IQとEIが両方機能して初めて、脳はそのパフォーマンスを発揮することができますが、ストレス状態ではEIが影響を受けて、たとえIQがあってもうっかりミスをするようになります。
EIに関して研究や評価を行っているMHSという企業のCEOであるスティーブン・スタイン博士が、Time誌にインタビューされた中で、ストレスは様々な形で仕事や作業に影響を及ぼすことを述べています。例えば、こんな悪影響があります。
・判断能力が欠けてきて、思いつきになってしまう。
・うっかりミスが増える
・物事の順序がわからなくなる
・人間関係がうまくできなくなる
・成果があがりにくくなる
このように、うっかりミスは単なる「ドジ」というよりも、脳がストレスを受けている状態のせいであることがあります。質問者さんは、もしかしたら現在大きなストレス下にあるかもしれません。なので、自分のことを「ドジ」だと責めることはせずに、まずは心の状態を再確認して下さい。
さてさて、僕はドジで間違いを多くするかどうかですが、もちろん人間ですから間違いはします。しんコロchではガチでワインの栓を抜かずにグラスに注ごうとしたりしたこともありましたね。
基本的には、研究者という頭を使う仕事をしているので、あまり間違いばかりしていたら仕事になりません。ですから、比較的注意深い方だとは思いますよ。でも、どんなに複雑な計算や研究ができても、ストレスを受けると人間は間違いをしてしまうものです。心の健康は大切ですね。
image by: Shutterstock
著者:しんコロ
ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。
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