子供がテストで100点を取ってきた時、つい「すごいねー」なんて口にしてしまいがちですが、この言い方はNGなんだそう。なぜ? その理由と正しい褒め方が無料メルマガ『子どもが育つ“父親術”』に記されています。
100点テストの褒め方
小学校低学年くらいですと、比較的、テストで100点が取りやすかったりします。学校の勉強が得意なタイプの子だと、いつも良い点数を持ち帰ってくる──なんてこともあるでしょう。そんな時に、安易に「すごいねー!」「おっ、頭いいな☆」と言ってはいませんか?
今日は、テストの点数が良かった時の褒め方について、お伝えします。
まず最初に、心掛けるべきは「ちゃんと見たよ」とのメッセージを子どもに送ること。言葉に出して「さっき出してくれたテスト、見といたよ」でもいいですし、子どもがいる時に見るようにしてもOK。
特に、配布物やテストを出し忘れることのある子には、意識的に、
「出してくれて助かった」
「見られて良かった」
とのメッセージを投げかけてあげましょう。
次に、テストの結果についてコメントします。ここで注意すべきは「評価」「論評」はしない、という点です。子どもの成長に立会い、見守る人として、単純に「感心」してあげられれば、それで充分です。
もし「ずっとがんばってきて、ようやく取れた100点!」なら、一緒に「感動」すれば良いのです。
「いつも90点とか100点とかで、パパ、感心するなぁ」
「ついに100点取れたね!これまでがんばってきた甲斐があったね~!」
続けて、子どもを褒めてあげるのですが、ここが重要です。決して「才能」「能力」を褒めるのではなく、良い結果を生み出した「努力」を認め、褒めてあげるよう、意識してください。
×「頭がいい」
×「何でもすぐ覚えられる」
○「先生の話、よく集中して聞いていたんだね」
○「宿題もしっかりやっていたもんね」
この時に悩ましいのが、特に努力をしていないように見える場合。そんな時も、これまでの人生で積み重ねてきたものが、今の結果につながっていることは間違いありません。子どもの好きだったこと、よく集中して取り組んでいたことを思い出して、がんばりを褒める言葉をかけてあげましょう。
「キョウちゃんは小さい頃から、いっぱい本を読んでいるからね。自然と国語が得意になったんだね」
「ダイは昔から数字に興味あったよね~。スーパーで片っ端から値段を読み上げていた時もあったんだよ! 計算が得意なのは、その頃から興味を持っていたおかげかな」
「ミエって保育園の頃からお絵描きが大好きだったんだよ。理科の観察の絵も丁寧に描いていたね。それで植物に詳しくなれたのかもね」
このように「才能」ではなく「努力」を褒めるのは、以前にお伝えした勉強以外の「がんばったこと・成し遂げたこと」と同じです。
参考:努力体質の作り方
なぜそうするのが良いかについて、さらに詳しくお伝えしますね。
「才能」を褒められた子どもは、ますます才能を発揮することに気持ちが向かいます。
才能というのは、自分の中に(はじめから)持っているもの。となると、新たな努力を必要とせずに100点を取ることが、ゴールとなります。言い換えると、「努力をしないこと」が大切になってくるのです(余談ですが、私も中学生くらいまではこのタイプの考え方でした。勉強しないで100点が理想! と、本気で思っていました)。
次回は努力せずに100点が取れるかもしれません。ですが、それがいつまでも続くとは限りません。と言うよりも、絶対に近い将来には続かなくなります。そんな時に才能を褒められて育った子は「自分には才能がない」という恐ろしい現実に直面することになります。
それはテストの点が悪いというだけの問題ではありません。自己肯定感・自尊感情の危機と言っても過言ではない、そんな人生の大ピンチです。
大抵の子は、ここで苦しい言い訳やごまかしに走ることになります。
- 意欲のないふり・本気で取り組んでいない態度を取る
(点数が悪いのは、本気を出していないから。才能がないわけじゃない、という言い訳) - こっそりカンニングをする
(才能があるとの偽り) - 返されたテストをふざけて破る・捨てる、忘れたふりをして親に出さない
(発覚するのを防ぐごまかし)
いずれにしても、本人にとっても可哀想な方向に進んでしまう可能性が高く、とても心配です。
一方で、「努力」を褒められた子は、ますます努力することに気持ちが向かいます。努力というのは、今はできないことを、できるようになるためのプロセス。知らないこと・わからないこと・できないことに直面した時こそががんばり時! とのメンタリティが育ちます。
いつか将来、勉強がわからない・テストの点が悪いなどの試練に出遭っても、
- もっと努力してみよう
- やり方を変えてみようか?
- どうしたら良いか、訊いてみよう
など、前向きの発想が生まれやすくなります。
もちろん一時的に落ち込んだり、休憩を必要とすることもあるでしょう。それでも、努力を褒められて育った子なら、親に気持ちを受け止めてもらって心と体を休めることができれば、きっと前に進む元気と意欲が取り戻せるはず。
小学生だと、わりと頻繁にテストを持ち帰ってくることが多いと思います。そうした日常の機会を活かして、子どもの「努力」への意欲を育んであげていただけたら、私もうれしいです!
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