AIIB裏切り者の韓国を取り込み「中国孤立化」をはかる米国の本気度

 

アメリカ戦略の優先順位

「失った親米国家群」の中にも、「優先順位」があるのですね。これは、「地政学的要因」によります。アメリカの重要地域は、3つある。そして、3つの地域で問題が起こっている。

・欧州=ウクライナ―ロシア問題
・中東=シリア―IS問題
・アジア=中国問題

2015年3月まで、アメリカは、ウクライナ―ロシア問題、シリア―IS問題に取り組んできた。しかし、「AIIB事件」後は、2つの問題から距離をおきつつあります。

まず、ロシアとの和解に動き、ウクライナ問題は忘れ去られた。ロシアのシリア―IS空爆を(事実上)容認し、アメリカは中東から距離をおいている。サウジとイランがケンカしても、「問題の仲介はしない!」と宣言している。

そして、5月からアメリカは「中国問題だけ重点的にとりくむようになっています。2011年にオバマがオーストラリアでした、「アジアシフト宣言」がようやく実現の方向にむかいだした。

裏切り者韓国を捨てきれないアメリカ

アメリカは、どうやって中国を封じ込めるのか

地図を東から西にむかってみていきます。日本、韓国、台湾、フィリピン。もっと視野を広げると、ベトナム、インド、オーストラリア。日本、韓国、台湾、フィリピン、さらに、ベトナム、インド、オーストラリア。

これらの国々の中で、もっとも軍事費が多いのはインド(=2014年、1782億ドル、世界3位)。しかし、インドは日米ロ中とバランス外交をうまくやっていて、「アメリカについて中国と戦う」という感じではない。

「AIIB」に入ったオーストラリアは、軍事的には頼りになる味方。いざ戦争になったら、アメリカ側について戦ってくれるでしょう。しかし、距離が遠い。そして、軍事費は、183億円で世界23位に過ぎない。

アメリカと戦ったベトナム。中国と領土問題を抱えているため、アメリカに接近している。ベトナムは、陸戦でアメリカにも中国にも勝利した実績がある。しかし、海軍はあまりに弱い。

一度米軍を追い出したフィリピンも、中国の侵略に怯え、アメリカ帰りしている。しかし、この国の軍事力は、わずか80億ドルで、世界41位。

世界一の親日国・台湾は、最近中国に取り込まれつつある。

こう見ると、弱体化しているアメリカの頼りになる国はあまりないことに気がつきます。結局、軍事費460億ドルで、世界8位。同時にGDP世界3位の大国日本を、「頼りになる国」にかえていかなければならない。だから、「集団的自衛権行使」を容認させて、「米軍と共に戦える国」にかえていく。

もう1国、軍事費450億ドルで、世界9位の韓国。この国は、地政学的にも、非常に重要な場所に位置しています。

結局、アメリカが中国と戦う際、あてになりそうな国は日本と韓国ぐらいしかいないということなのです。しかし…。

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