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【要注意】実は相手を深く傷つけているかもしれないフレーズ5選

どんなに気をつけていているつもりでも、知らぬ間に相手を傷つけてしまっていることもありうるのが言葉の怖いところ。無料メルマガ『仕事美人のメール作法』では、著者の神垣あゆみさんが「感じの悪い言い回し」とその言い換え方について教えて下さっています。

感じの悪い言い回し1 「みんなが言っている」

みんながそう言っています(いました)」

いかにも大勢の人が賛同しているかのような体で、反対意見や少数意見の相手を負かそうとするときに使われるのがこのフレーズです。

自分が相手を受け入れたくないことを「自分の意見」として言うのではなく「みんなの意見」にすり替えています

「会社のみんなが反対しているので」
「同業のみんながおかしいと言っています」

この「みんな」という言葉に要注意。複数の人を指しながらもこれほど曖昧な言葉もありません。反論や説得をしたいのであれば、ほかの人もこう言っているからと人に責任転嫁するような言い回しではなく

「私はこの方法では実現が難しいと考えます。なぜなら、~~」
「おっしゃる通りですが、この点に関しては当社としても了承しかねます。
 理由は~~」

のように「できる・できない」「反対・賛成」の意思表示と「その理由」 を筋道を立てて伝える必要があります。「みんなが言っているから」といった曖昧で根拠のない表現では相手を説得することはできません

「逃げ」の姿勢ではなく、きちんと相手と向き合い、解決策や妥協点を見出していく姿勢が求められます。

感じの悪い言い回し2 「~ません」

「できません」
「聞いてません」
「分かりません」

こうした否定の言葉で言いきってしまうと、会話もやりとりもそこで終わってしまい「がありません。「できません」は、自分のところで物事が止まってしまうこと、途中で放棄することと同じです。「できる」のはいつなのか、「なぜ」できないのかを相手に伝えなければ先に物事が進まなくなります。

例えば

「明日までお時間いただければ対応できますので、お待ちいただけますか」
「急ぎの案件で手がいっぱいなので、佐藤さんに頼んでみます」

のように、「できません」で片づける前にどうすればできるか」を考え、行動することが先決。自分だけでは対処・解決できないのであれば人に尋ねたり相談したりすることも必要です。

「聞いてません」の代わりに「確かめます」
「分かりません」の代わりに「調べます」

と、止まった状況を次に進めるためのアクションを言葉にする努力を忘れずにいましょう。

感じの悪い言い回し3 見た目の表現

褒め言葉のつもりが結果的に相手にうまく伝わらず、却って不愉快にしてしまったということがあります。

年齢より若く見えることを、「お若く見えますね」とその通りに言ったり書いたりしても相手は喜びません。若く見える=若作り、という捉え方もあるからです。

余計な言葉は添えずに「お若いですね」「若々しいですね」とストレートに表現する、あるいは「いつもはつらつとされていますね」のように表現を変える方が喜ばれるでしょう。

見た目を表現するうえで、「太った」「太っている」という表現も注意が必要。本人に直接、言ったり書いたりすることはなくても、人のことを「あの太った方の男性」とか「○○さんは以前より太ったみたい」などと表現するのは、失礼な気がします。「ふくよかな」とか、男性には「恰幅がよい」「貫禄がある」といった別の表現を使う方が感じはよいものです。

人を形容する言葉はそのまま表現したのでは角が立つ場合もあるので

「痩せている」は「細身の」「ほっそりとした」
「優柔不断な」は「慎重な」
「うるさい」は「にぎやかな」

といった具合に別の表現に言い換える術を知っておくことも必要です。

感じの悪い言い回し4 安易な「大丈夫」

「大丈夫です」

相手を元気づけようという気遣いから、「問題ありません」「心配には及びません」という意味で使われることの多いこの言葉。でも、根拠や確証もなく安易に使わぬほうがよい場合もあります。

例えば、病気で治療や入院を余儀なくされている人、その家族に対して、自分や自分の家族も同じような状況で一時はどうなることかと思ったけれど、今は回復してほっとしている。だから、あなたもあなたの家族もきっと大丈夫。

このように、結果的に良くなったという自分の例を引き合いに出し相手を気遣ったとしても、病状や回復の可能性は人によってさまざま。自分のケースが相手にそのまま当てはまるとは限りません。体の疾患や健康に関することは個人差があるうえにデリケートな問題でもあるので、自分の成功事例を伝えたところで相手にとっては、はた迷惑余計なお世話になることも。

メールに限らず電話でも、こうした成功事例を一方的に語るのは、自己満足や善意の押し売りにはなっても相手への慰めにはなりません。必要以上に立ち入ったり根拠のない「大丈夫」という元気づけの言葉は控え、そっとしておくことも思いやりではないでしょうか。

経験談や成功事例は相手に聞かれたり、相談されたときにはじめて伝えればよいわけで、聞かれもしないのに自ら語り始める必要はないと思います。

感じの悪い言い回し5 「ない」より「ある」

「言っても仕方ないことだけど」という前置きで始まる過去の失敗やトラブルの蒸し返し。「今さら言うのもなんだけど」「終わったことではあるけれど」なども同様です。

こういうフレーズを使う人は、済んだことを引っ張り出してまた文句をつけたり、批判したりしたいのです。問題が発生したときには「いいから」「大丈夫だから」と流しておいて、後でぐずぐず言う姿は感じの良いものではありません。

「知らないと思うけど」と、確認もせずに始まる断定。「言っても無駄だと思うけど」「ご存じないでしょうが」といった言い回しも同様で、相手は知らない、分からないだろうという前提で話を進めようとするのも嫌な感じがします。

否定で始めるのではなく「○○についてはご存じですか?(知っていますか?)」と事前に尋ねるか、「すでにご存じかも(知っているかも)しれませんが」と、知っているかもしれないという前提で話を進める方が好感が持てます。

相手を最初から見下したものいいでは、信頼や協力を得ることはできません。

「ない」から始めるのではなく「ある」から始める言い回しを意識したいですね。

image by: Shutterstock

 

仕事美人のメール作法
著者/神垣あゆみ
広島を拠点に活動するフリーランスのライター。若手ビジネスマン向けにメールマナーの基本を解説した『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など著作多数。
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