「アメリカンジョークってよくわからない」。欧米のドラマや映画を見て、笑いのツボが日本とは違う人も多いのではないでしょうか? 一方で、日本の笑いは北米で通用しないのか?と疑問に思う人も多いかもしれません。著者Joeyさんは、無料メルマガ「Joeyの日々雑考」の中で、15年のカナダ生活の経験の中で感じた「北米における笑い」について解説。実は大うけの日本のジョークもあるみたいです。
仕事やプレゼンではジョークが重要
「アメリカ人のジョークは分かりにくいよ」ってよく聞きますね。
日本語に訳してあるジョークを見ても、「どこが面白いの?」っていうこと、よくありますね。
カナダで15年生活して英語に問題ない僕でもよくわからないジョークはたくさんあります。
でも、北米で「ジョークが言える」のは仕事の場においてもパーティの席でも一目置かれる存在になるために非常に重要な位置づけにあります。
実際に仕事のスピーチやプレゼンの最初に「ジョーク」から始めるという現場によく出くわしたくらいです。
僕がカナダにいてよく聞いたジョークの一例として一つあげてみますね。
【例】
愛人スキャンダルが発覚した政治家がリポーターに追い詰められていた。(リポーターをR、政治家をSとします)
R:「現在、3人の愛人がいるとの噂ですが、事実ですか?」
S:「何を言っているんだ!!そんな事実はない!!」
R:「実際に3人の女性からの証言もあるんですよ!」
S:「失礼なことを言うな!いったい何をどう調べているんだ!」
「3人じゃない、4人だっ!!」
普通、愛人スキャンダル報道がでた政治家は「事実じゃない」もしくは「事実だけど隠し通したい」と、「失礼なことを言うな!」と怒った口調での発言になるのですが、このジョークで政治家が怒っていたのは「根も葉もない愛人スキャンダル」という大方の予想を裏切り、「愛人の数」が間違っていたから怒っていたというところが笑いの落としどころになります。
このように「聞き手(読み手)が期待・予想している答えとポイントをずらした回答をする」というところが大切ですね。
日本の笑いが北米に通用しないかというとそうでもありません。
僕がカナダで披露してうけたジョークに以下のようなものがありました。
これは「笑いの巨匠 志村けん」さんの「婆さんのラーメン屋」というコントを英語で言ったのですが、結構受けました。
内容はこうです。
【例 】
とあるラーメン屋で注文して待っていたラーメンをおばあちゃん店員が運んできた。
(ばあちゃんをB、お客さんをKとします)
B:「は~い、ラーメン、お待ちどうさま~」
K:「ちょっと、ばあちゃん。親指が汁に入ってるよ。何やってんだよ!」
B:「大丈夫、大丈夫。わたしゃ熱くないからね~」
有名なコントですね。
ラーメンの汁に親指が入っているのを見て「汚いじゃないか、食べ物なのに」と内心憤慨しているお客に対して「わたしゃ熱くないからね」とポイントをずらした回答。
ここがカナダ人にウケたみたいです。
「北米のジョーク」は話の最中、ずっと笑いを誘っているものではなく、話を聞いた最後の「落としどころのポイントのズレ」を笑うものですね。
日本のコントネタ、小話には「北米で笑いをとれる」ものがたくさんあるはずです。
ジョークのひとつやふたつ準備しておくと海外との取引先とももっと打ち砕けていい商談ができるかもしれませんね。
image by: Shutterstock
『Joeyの日々雑考』
著者/Joey
メルマガではカナダ生活15年の経験をいかした現地事情に関するコラムを発信中。スキーのインストラクターやた仏・伊レストランのシェフを経験。その後2009年に日本に帰国し、現在では五感を活かしたボディムーブメントアドバイザーとして活躍中。
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