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英国「砂糖に20%の税金かけます。なぜならお前ら太りすぎだから」

イギリスが不健康な国民の生活を改善させるため、20%の砂糖税の導入を検討しています。意外にも深刻な健康問題を抱えているというイギリス国民。その実態はどうなっているのでしょうか?

2017年4月から砂糖税の導入へ

イギリス人といえば、スラっとした体系でスーツやドレスを着こなした、昔ながらの紳士や淑女の姿が目に浮かぶ方も多いのではないでしょうか?

肥満が問題になっている国といえば、メキシコやアメリカというイメージが強いですが、意外にも現代のイギリスは、肥満を含め深刻な健康問題を抱えているようです。

今月5日、英ガーディアン誌はイギリスの国営医療機関が、20%の砂糖税の導入を2017年4月に開始する方向で検討を進めていると報じました。

また来月からは、砂糖を多く含んだ製品の広告低価格プロモーションの停止や、医療施設での不健康食材の掲示などを始めるようです。

これらの政策に対するイギリス国民の反応はというと、多くは賛成派のように見えますが、反対の声もチラホラ。

「私の母は糖尿病患者だったのに、病院のベッドは甘いものとビスケットで一杯だった。飲み物まで砂糖入り。この国で私たちが買うものが、いかに砂糖まみれかがよく分かった。私は自宅で砂糖の入っていない食べ物を作って食べさせてあげるだけの時間があったから良かったものの、ほとんどの人にはそんな時間はないと思う」
「1900年代と比べると明らかに砂糖の消費量は拡大している。売られている製品のパッケージには、どれだけの砂糖がはいっているか明記されるべきだと思う。そうすれば買う人は自分で買うか買わないかの判断ができる。砂糖税が導入されたら次は豚肉、チップス・・・いろいろ考えられるよね」

 

「税金をかけるアイディアに賛成。お酒やタバコにも高い税金がかけられているし。砂糖税の導入の一番の目的は、普段の食事から砂糖を減らすことだよね」

 

「砂糖は50年前のタバコと同じ立ち位置にあると思う。税金をかけるのは効果があるはず」

 

「俺は一生懸命働いて、週3回ジムにも通って、定期検診もちゃんと受けている。だから安いチョコレートを手に入れる権利があるはずだ。税金導入に反対!」

 

「税金導入を決定する前に、あの大量の不健康食品の広告をなんとかできなかったわけ?!」

 

イギリス人の健康の実態はわりと深刻

そもそも、今回の砂糖税の導入決定や、砂糖製品の広告の削減には一体どのような背景があったのでしょうか。

イギリス人たちの健康状態を数字で見てみましょう。

なかなか深刻な状況のようですね。

中年層の健康問題や、子どもの肥満への懸念は特に大きいようで、イギリス政府は喫煙や、飲酒、肥満による死亡を40%削減させるためのキャンペーンを実施するにあたり、年間110億ユーロを投資

インターネット、テレビ、ソーシャルメディアに自分の健康状態を把握するためのクイズを掲載し、その結果によって、ジョギングクラブや、ダイエット支援団体を推奨したりしています。

子どもの肥満対策キャンペーンについても長いこと議論を重ねてきたものの、今回の砂糖税導入が優先され、実施の遅れが生じている様子

一方で、小学校6年生の男子20%女子17%が肥満であるとされる実態を、国民の8割が問題視しており、政府に何らかのアクションを取るように望んでいるという調査結果も出ているようです。

不健康な生活を送ることによって病気にかかる人も多く出て来ています。

例えば、ガンの原因のうちの半分は、不摂生な生活によるものだとか。

イギリスは先進国の中でも医療費が少ない国とされ、日本の保険制度のお手本にもされていますが、このような背景もあり、今では国から医療機関への投資が足りない状況に追い込まれているようです。

いかがでしょうか。

イギリスの健康問題、思ったよりも深刻な状況に見えますね。

日本の場合は、女性はダイエットへの関心が高いため肥満の懸念は他国に比べて低いようですが、男性の肥満率は増加傾向にあるようです。

イギリスの二の舞にならないよう、食べ物や運動量については日頃から気にかけるようにしてくださいね。

image by: shutterstock

source by ガーディアン, BBC , ガーディアン

文/MAG2 NEWS編集部

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