桜の季節も過ぎ、爽やかな風が吹き始め、運動にも意識が向く季節になってきましたね。さて、あなたが最後に全力疾走したのはいつだったでしょうか? 覚えていないくらい昔、という人も少なくないかもしれません。そして、いきなり力一杯走ってくださいと言われたら、どれくらいの距離を走る自信があるでしょうか。イギリスでは、5人に1人が100m以上を走れないという衝撃的な結果が発表されたようです。
イギリス人の半分が息切れ。5人に1人は100m以上を走れない
英紙デイリー・ミラーによると、British Heart Foundation(イギリス心臓病支援基金/BHF)がおこなったアンケートでは、イギリス国民のほぼ半数がバスに乗り遅れないように走った場合に息切れがおこるということがわかりました。
女性48%、男性42%が、「自分たちは健康的ではないため、公共の交通機関に急いで乗り込むときに走ったら、息切れを感じる」と答えたというアンケート結果が出たとのこと。
時間に比較的律儀な私たち日本人も、通勤電車に乗り遅れないようホーム内をダッシュすることは珍しくありませんよね。
あなたは息切れしないで走れますか?
また、47%はたった半マイル(約804m)までなら走ることができると回答しています。
衝撃的だったのは、5人に1人は100m以上走ることは不可能と思っているということです。
さあ、これを聞いてドキッとした方も多いのではないでしょうか?
ただ、半数以上の成人が1kmも走ることができないというのは少し驚きますよね。
しかも、半マイルは走ることができると答えた1000人の内の29%は、実際に走ったことがあるのは10年以上も前であるとのことです。
アンケートはさらにこういった統計も示しています。
38%は「ジムに入会するに値しない体型」だと思っており、28%の人は、「ランニングはすでに健康的で元気な人がするもの」だと思っているようです。
さらに英デイリーメールによると、Public Health England(英イングランド公衆衛生サービス)は、61.7%(男性 65.3%、女性 58.1%)の成人が肥満とみなされていると公表しています。
驚いたことに、過去25年間でこの肥満の率が倍になり、このままいくと、2050年までには大半の国民が肥満となる可能性があると、政府が発表していることです。
マラソンで“国民不健康偏差値”を下げよう
BHFは、こういった統計結果も含め、国民の健康について懸念を抱いています。
心臓に関する疾患や、循環器系疾患はイギリスにいる700万人もの国民の健康を脅かしているからです。
さらに、毎年15万5千人もの死者を生み出してしまうというのですから、もはや他人事ではありません。
この人数がどれだけ多いかというと、平均で3分に1人がこれらの病気が原因で亡くなっているそうですから恐ろしい事実です。
そこで、この機関はこういった状況を打開するために、あるキャンペーン活動を始めました。
それが「MyMarathon」というチャリティ事業。
image by: MyMarathon
26.2マイル(約42キロ)を国民に走らせようという計画です。
心臓病担当のシニア看護士であるChristopher Allenは、「この統計結果は非常に不安です。国家の健康レベルが非常に危ういという実態をよく表していると思います」と、その心境を漏らしています。
さらに、「心臓病は年齢に関係なく、誰にでも起こりえる病気です。ただ、身体を継続的に動かすことが、身体を強く健康的に保つ方法として最も効果的なのです。ですから、この利点を決して軽視するべきではありません」と話し、MyMarathonに参加することを強く国民に推薦しています。
「マラソンに参加する」となると、たいそうなイベントになるので、なかなか重い腰をあげるのが大変かと思います。
しかし、このMyMarathonは、自分で走りたい場所を決め、自分のペースで走ることができるので、確かにハードルは低そうにみえますよね。
ただ、走ることに苦手意識がある人や、継続することが苦手な人には、依然ハードルが見えているかもしれません。
ちなみにこのチャリティは5月からイギリスでスタートします。
日本でも、ランニングブームが起こってから、各地でマラソンイベントや、Fun Runイベントなどをよくみかけますよね。
苦手意識を克服するにはFun Runなどはいいアイディアかもしれません。
「この春こそは!」と意気込んでいる方には、まず歩くことから始めてみるのもいいかもしれません。
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文/臼井史佳