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抗うつ剤は、青少年の自殺衝動を逆に高めるーオックスフォード大

近年、うつ症状で悩む青少年が増加しています。ところが、その治療に一般的に使用される抗うつ剤のほとんどが彼らにとって効果がなく、薬の種類によっては自殺願望などのリスクを高めるという研究結果が報告されました。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』で詳しく紹介されています。

抗うつ剤:青少年に効果ないばかりか危険!

最近、うつ症で悩む子供や10代の若者が増えてきています。ところが、このような青少年には、通常使われる抗うつ剤が効かないことが明らかになったというニュースです。これは権威ある医学誌であるランセット誌に掲載されたものです。

研究は、市販の抗うつ薬の有効性をプラセボ偽薬と比較したもので、9~18歳までの5,260人を対象にした臨床試験成績34件をまとめたものです。その結果によりますと、プラセボ薬よりも高い抗うつ作用がみられたのはフルオキセチンだけしかないことが明らかになりました。

ちなみにこのフルオキセチン(Fluoxetine)は、うつ病、強迫性障害、摂食障害等に有効とされる選択的セロトニン再取り込み阻害(SSRI)抗うつ薬のひとつで、商品名プロザック(Prozac)としてよく知られているものです。

また恐ろしいことに、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)に分類される抗うつ薬ベンラファキシン(Venlafaxine・商品名イフェクサー)は、自殺願望や自殺衝動のリスクが増加していたそうです。

さらに論文では、薬剤が若者への影響を適切に調べた臨床試験はなかった、とされています。そして、抗うつ剤を服用している子どもや10代の若者の割合は2005年から2012年の間に、米国では1.3%から1.6%、英国では0.7%から1.1%に増加しており、青少年が抗うつ剤を服用する場合には薬の種類を問わず、厳重な注意が必要であると警告しています。

image by: Shutterstock

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