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大腸がんもほとんど見つけられない。「検便」をやる意味はあるのか?

現役内科医が読者からの質問に答える無料メルマガ『e-doctor ドクタースマートの医学なんでも相談室』。今回寄せられたのは、便潜血検査で「陽性・要精密検査」という診断結果を受けた男性からのご相談です。この便潜血検査(検便)自体あまり信憑性がないとも言われているのに、なぜ行われ続けているのでしょうか。ドクタースマートさんの答えは意外なものでした。

便潜血陽性という検査の信憑性は?

 □相談

58歳、男、175cm、84kg、会社員、事務職、高脂血しょうの薬を3年間服用中です。

今春の会社の健康診断で、便潜血陽性で要精密検査の診断結果がありました。ある本によりますと、便潜血検査自体あまり信頼性のある検査ではなくこの検査で陽性になると「ガンではないのか」という患者の心理面での影響が大きいので良くないとありました。

この検査の精密検査でガンと判定されるのは3%程度。精密検査は受けるつもりですけど、この検査の有効性が低いというのは本当ですか?

 □回答

便潜血陽性という検査の信憑性は? というご相談です。

結論から申し上げます。便潜血陽性という検査の信憑性は低いです。要するに、便潜血陽性という検査の結果、大腸癌の人は少ないと云うことです。

では、どうして便潜血の検査をするのでしょうか? それは、大腸癌の健診として大腸内視鏡検査をさせたいからなのです。

実は、全員に大腸内視鏡の検査をしてもらいたいのです。ですが、全員に遣るのは無理なので、便潜血陽性者にするようにしているのです。

云われる方も、「便潜血陽性」と云われると、断りにくくなるからです。このご相談者の方も、嫌々ですが、大腸内視鏡検査を受けることにしたそうです。

image by: Shutterstock

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