日本の美術は生き生きとうごめいてるー東美特別展撮影会レポート

2016.08.02
by gyouza(まぐまぐ編集部)
撮影会キャッチ
 

今回は、アートエバンジェリストの石橋ゆかりがレポートします。「アートエバンジェリスト」とは聞きなれないと思いますが、MAG2 NEWSのアートカテゴリに関わるイベントに参加し、その内容を皆さんにわかりやすくお伝えし、「行ってみたい!」と思っていただけるように活動する、そんなお仕事です。ちょくちょくイベントのレポートをしますので、今後もよかったら記事を読んでくださいね!

さて先日、「東京美術倶楽部」で10月に開催される「東美特別展」の写真撮影会に特別におじゃましました。東京美術倶楽部は設立が明治40年(1907年)なので、100年余りの歴史があることになります。そして東美特別展は昭和39年(1964年)に第一回が開催され、今年で20回目とのことです。いやはや、すごい歴史ですね。

その催事の事前撮影会とあって、一般の方は入れない貴重な機会なので、文字通り「アートの裏側」かもしれません。
この日は、東美特別展の展示に向けた打合せや図録のための作品の写真撮影が行われていました!

撮影会様子1
写真から伝わりにくいかもしれませんが、多くの美術作品が並んでいました。実際の作品は当日会場でご堪能頂くことにして、作品の本格的な撮影風景に注目したいと思います!

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作品によって包み方も様々。

プロの静かな熱気に身が引き締まります。

写真ブースは3つに別れていました。

まずは、茶器や壷などの立体物を撮るコーナー。最初から細かい指示が飛び交い、ギャラリーの方の想いがひしひしと伝わってきました。

撮影風景1
箱や資料を平置きして撮るコーナー。
デリケートなものが多いためか、カメラマンの方の動きも非常に慎重で丁寧でした。

撮影風景2
掛軸や絵画を壁面に掛けて撮るコーナー。
何度も撮影しては位置を変え、細かく調整していました。繊細な職人技が求められるのでしょうね。

撮影風景3

それぞれ、照明の当て方を工夫してあります。

図録に載るということで、現場に立ち会う出店者の方々は凄く神経を使っていらっしゃいました。
微妙な照明の当て方で、立体感や模様の見えかたが変わるのですね。それを表現できるプロの技、本当に見事です。

「東美特別展」は三年に一度のイベントだから出品作にも力が入っていますし、しかも、選ばれた美術商の方しか出店できないので、それは力が入りますよね。

日本の美術・文化を守ってきたのは、作品を通して歴史を受け継いできた美術商の方々のプライドなのではないでしょうか。

そして、その歴史は今も確実に日本に受け継がれているのです。

今回の撮影会で、関係する皆さんの熱い情熱を感じることができました。

ここは展覧会や美術館とは違う、リアルなアートの世界のように感じました。
やっぱり、アートの世界は化石ではなくて生きているんだ!と実感できました。

日本文化に興味あるかたは是非10月に行ってみてください。
なかなか普段画廊やギャラリーに行かない方でも、10月の「東美特別展」で日本の美術界の凄さを感じられると思います。

東京美術倶楽部では専門家による公開美術講座も開催されています。これも面白そうです。

東京美術倶楽部のHP

文:石橋ゆかり

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