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【五輪】あなたは「月面宙返り」生みの親・塚原光男を覚えていますか

リオオリンピックでの内村航平選手の大活躍などもあり、「体操ニッポン」の復活が強く印象付けられましたが、かつて鉄棒の大技「月面宙返り」で世界の度肝を抜いたアスリートがいました。五輪で3大会連続金メダルを獲得したその人の名、塚原光男氏。無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、塚原氏自らが語った「強さの秘訣」と「プレッシャー克服術」が紹介されています。

今日の注目の人

かつて月面宙返りで世界を熱狂させた体操の金メダリスト塚原光男さん。極限のプレッシャーに打ち克ち、見事金メダルを掴み取られた努力の奇跡に迫ります!

極限のプレッシャーとの闘い

人のできないことをやってみたいというのが体操を始めたきっかけでしたからね。とにかく新しい技をやるのが楽しくてしょうがなくて、いろいろ挑戦したら結果的に大会で優勝したという感じでした。

ですから体育館にいる時間は僕は一番長かったと思います。

よく「大変だったでしょう」なんて言われましたが、別に大変でもなんでもないんです。自分はそれを楽しんでいるわけだから(笑)。

遊びのように夢中にやっている中から、ふっと画期的な技が出てくるんです。それがツカハラ跳びだったし、月面宙返りだったということです。技術の進歩が著しいので、いまは中学生でもやるんですけれどもね(笑)。

だけど当時は僕しかできませんでした。

結構練習しましたよ、直前まで一所懸命に。

ミュンヘンオリンピックの1年半くらい前から特訓を始めて、国内予選ではずっと着地が上手くいかなかったんですが、本番では団体でも個人でも9.90という高得点をマークできました。

あれほど決まったのは本番だけでした。

それはもうたくさん練習しましたからね。あの瞬間のために何年も準備を重ねてきた結果です。

プレッシャーをどう克服したのか

これは競技者にとって一番大きな命題です。それが分かっていれば誰でも成功するんですが、やっぱり分からない。

結局、失敗する時というのは、技術的な欠陥がどこかにあります。

本当のプレッシャーがかかってもズレない技術力とそれを支える筋力があるかというのが一つ。

もう一つはメンタルの面ですけれども、どんな試合でもプレッシャーというのはかかってきます。これはもう避けることはできないんですね。心臓なんかバクバクしながらやっていますよ。そういう中でも演技できるように準備をしっかりやっていくんです。

ですから自分の理想像を常にイメージして、何度も練習をしてそれに近づけていく。

あえてプレッシャーをかけてやってみたり、同じ技を何十回も繰り返したりして、本番のプレッシャーの中でも演技できる準備を何度も何度も何度も重ねていくんです。それでも結果は運命に委ねるしかない。

それは怖いですよね。最後の最後は本当に分からないから、見事決まった時には感謝しちゃいますよ。ありがとうございますって。

『致知』2015年2月号 連載「生命のメッセージ」

image by: Wikimedia Commons

 

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